001
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

GO BEYOND な

竹内智香(タケウチトモカ)

スノーボードアルペン選手

対談インタビュー 5/5

オリンピック・ワールドカップ「クリスタル」・世界選手権 = 世界一。

佐野:現在・今後の目標を教えて下さい。

竹内:一番の目標は2018年のピョンチャンオリンピックです。
ソチオリンピックの後思ったことは、勝ちたいから後4年続けるっていうことでした。
それと、ワールドカップのツアー総合優勝「クリスタル」取得。ずっとこの4年間くらい2位と3位をいききしていて、そのもう一歩がいけていないので、そこで総合優勝をしたいです。
また、再来年の世界選手権での勝利です。オリンピック・クリスタル・世界選手権の3つのタイトルを取って競技を終えたいなと思っています。

佐野:世界一になる、といえる人ってそんなにいるわけではないので、凄く言葉の重みを感じます。是非実現していっていただきたいです。
スノーボード界、将来スノーボードをしたい子供達、スポンサーの人たちということもありますが、もちろん自分のためでもあります、結果を残すこと、先のオリンピックで銀メダルをとってから一言一言の重みって変わったと思います。それまで知らなかった人たち多くの人に知ってもらえ、その人たちから勇気をもらって、私も頑張ります、っていう感じがあるとおもうのです。
目標の3つの大会を通じて結果を残すということもありますが、また、違う形で伝えていきたいことはありますか。

竹内:オリンピック前は、私がメダルをとったら競技がもっと認知されていい方向にどんどん動いていくだろうなという期待が凄く大きかったです。だからソチでは絶対メダルと思っていました。
獲った直後は、実際にすごくいい時間にテレビ放送してもらえて、その他の報道でもいい形で取り上げてもらえて、一時的には沢山の人に競技を知ってもらえました。しかし、やっぱり人って忘れるのも早い。忘れられているな、とある期間を過ぎると感じてきました。
だからこそ、世界選手権とかワールドカップで定期的に結果を残し続けるということが、凄く大事なことだと思っています。ポイントポイントでリザルトが出て、メディアに取上げられるだけで、ああソチでもこういうのってあったよねとか、常に人の記憶に残せます。
覚えてもらえることは、すごく大事だと思います。それが競技の普及にも繋がると思っていますし、種目が認知されたら、今頑張っている若い選手に所属企業がみつかるとか、より良い環境に繋がっていくと思いますので。ただ、残念ながら現在世界のトップで戦える日本人選手というのが少ない。この3年間に次の世代が育つように期待したいです。
私は、みんなを頑張って引っ張っていって、そしていつかは引き渡せたらいいなと思います。

ハンデなんて本当はない。目標とそこに至る方法はあみ出せる。

佐野:竹内さんは世界で戦えているのに、他の方々はそこまで引きあがっていないというのは何かが足りないのですかね。

竹内:私は、以前から、アルペンスポーツではスキーも含めてアジア人がなかなか勝てない理由ってなんなのだろう、やっぱりヨーロッパ主体のスポーツだからなのかなど感じてきました。だからスイスに行って学びたいと思ったんです。
だけど今思うに、ハンデなんて何もない、ということです。別に体に凄い大きな差はなくて、そもそも道具を使うスポーツであり、体一つで戦っているわけではありません。ですから道具に頼れる部分・技術に頼れる部分って凄く多いのだと考えるようになりました。
ハンデはない。足りないものは、むしろ気持ちと意識の問題なのではと思います。

佐野:実は、オリンピックにでたい、と思ったマインドを持った時点で大きな前進をされたのですよね。

竹内:「オリンピックに出場したい」と言っていいのは、若い選手だと思っています。
私も若い時に思って、言って、そして18歳でださせてもらい、すごくいい経験をした。しかし、今の私は、オリンピックに出場したいですといえる年齢でも立場でもないです。出ることを目標にしたら、ワンステップ上にいけないと思います。
また、「金メダルを獲りたい」と言ったら、安易だし、目標設定と今おかれている現状がかみ合ってなかったりして、発言することとは違うじゃないかなとも思います。
自分の中で金メダルとりたい、オリンピックで表彰台に上がりたいというイメージを持つということとか考えることは凄くいいことだと思うし、大事だと思います。発言することも大事です。でも言った以上、そこまでの道のりはちゃんと作っていかなきゃ、コレとコレをやったらこうなるというのがあるかないかでぜんぜん違うと思います。
こうした発言してもそこまでの過程を想像できている子達というのは、今のスノーボードアルペンには、そんなに居ないのではないかなぁと思います。
私がソチでメダルをとったから、一度離れていた競技に戻ってきた子もいます。「やっぱりやりたい」と思ったと。それは凄く嬉しいと同時に「やっぱりいいな」と思っただけでなく、やる以上は目指す目標、そこに至る何らかの方法をあみだして成長していく方法は持っていなければなりません。

佐野:今日はありがとうございました。これからも益々のご活躍をお祈りするとともに、応援しています。これからもよろしくお願いします。

5/5

GO-BEYONDER No.001

スノーボードアルペン選手

竹内智香

1983年生まれ。北海道旭川市出身。広島ガス株式会社に所属。

小学校の卒業文集に「夢はオリンピック」と記していた。14歳の時に見た長野オリンピックがきっかけで本格的にスノーボード競技を始める。2014年2月のソチオリンピックパラレル大回転では銀メダル。スノーボード競技では日本人女性初のオリンピックメダリストとなり、アルペン種目では1956年・コルティナダンペッツォオリンピックのスキー回転で銀メダルを獲得して以来、58年ぶりの快挙となった。

Facebook:https://goo.gl/rg5QZX

Twitter:https://twitter.com/blackpearljp

Blog:http://blog.tomoka-t.net/

HP:http://www.tomoka-t.net

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ページトップへ