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GO BEYOND な

竹内智香(タケウチトモカ)

スノーボードアルペン選手

対談インタビュー 4/5

他のとりえを持つことは重要。

佐野:冬場のシーズンが終わった後、夏の間は自転車に取り組んでいる方がいますよね。僕ら起業家って、選択肢がないんですよ。転職できないじゃないですか。(笑)
アスリートの人たちも、逃げられない環境というか、ぜんぜん違う競技ですがスキーだったら調整できるかもとか、また他の競技においてでもそこでまたメダルをとれるっていう可能性というのはあると思いますか。

竹内:私は、どちらかというと転職できるタイプだと思っています。
でもそれは、他のスポーツ種目ではなくて、例えばブラックパールっていうスノーボードブランドを自分のブランドとしてやっていますが、スノーボードの販売を展開していくことなどです。語学の勉強をして自分の力・武器になるものを一つ身につけようとか、最近、他にもセカンドキャリアとして勉強したいものはどんどんしているのですが、それってスイスに行った時に一緒にトレーニングを積んだ選手たちからの影響でもあるんです。
スイスの代表選手は皆、何かしら手に職を持っているんです。薬剤師さんとか車のメカニカとか大工さんとか・・・。14歳から20歳くらいまでの間に職業訓練校みたいな所にいって勉強しながらスノーボードもやっている。時間はかかるのですが必ず資格をとっているんです。それを観た時に、私は、スノーボードがなくなってしまった時どうするんだろう、スノーボードしかないってどうなんだろう、スノーボード以外に生きていく価値がないんじゃないかって思った時、凄い焦りを感じました。
スイスの選手たちは、世界のトップにいるのに、結果が出なくても、あぁやめたってなっても明日から別の仕事をしていけるなら、生活に対する不安とか無いだろうな、とわかった時、それも競技力の強さなのではないかと思いました。
選手として安心してどんとスタートに立っていられるのは、結果が残せなくて明日からスポンサーがなくなっても、薬剤師という生きる道がある。競技はすがるものではないんです。一方私は結果を残して、スポンサーなどの契約金などでつないでいかないと生きていけない状態で、明日からスノーボードがなくなりますって言われたら、バイトしかできない。
自信を持って言えることが、自分にはスノーボード以外にないって思うと、凄く不安になりました。
それから語学の勉強も頑張り、スノーボードのブランドをやりたいとも思うようになりました。
今も可能な限り自分の才能は可能な限り伸ばしていきたいな、他の種目ではなくて、スノーボード以外のとりえを沢山持っておきたいなって思います。

佐野:グローバルに活躍されている選手は、今自分が戦っている競技人生が終わったら、監督になる道も、解説者になる道等も望めばあるのでしょう。
しかし、資格を得て何かを用意して別の事にも取り組む準備をしておくというのは、選手活動中の心の支えになるんでしょうね。

竹内:はい、それが選手としての強さにも繋がっているような気がします。
特にスノーボード選手は、週七日間、フルに月曜日から日曜日までトレーニングをしているわけではないので、オフの日に何かを勉強するという時間がつくれます。
できないことではないと思います。オフの日は、一日中家に居なければいけないわけでもありません。外に出て勉強することもできます。
家庭を持っているサラリーマンが会社に勤めている方がよほど大変。朝から夕方まで働いて、帰ったら家族がいて、週末は家庭の用事があって家族でおでかけして・・・選手よりよほど大変だと思います。

海外でもインターネットができることで、
応援してくれている方々にいち早く報告ができる。

佐野:我々は2年前から、「グローバルWiFi」のWi-Fiルーターをお貸出しするということでしかご協力できていないのですが、お役にたてているでしょうか。
以前は海外に持っていくケータイをローミングで使い、フリーWi-Fiがあれば利用していらしたと思います。
しかし、山の上でもヨーロッパやアメリカであれば通信会社がカバーしているところが広く、「グローバルWiFi」が使える環境にあると思います。
「グローバルWiFi」があって良かったこと、ご利用になっている様々なシーンを教えて下さい。

竹内:まず、道に迷った時は、本当に助かりました。シーズン中は車で移動をすることが多いのですが、スマホをナビとして使用しています。ですから、移動中にネットにつながる手段を持てることは凄く大きいです。
あと、天気予報。山の予報をみたりする際に使います。
ヨーロッパ・北米のスキー場は、実はWi-Fi環境があまり整っていなかったり、整っていたとしても皆が集中して使うとパンクするので通信速度が遅くなったりで、あまり信用できません。その点、自分の「グローバルWiFi」のWi-Fiルーターがあることは、とても安心します。
私は、早起きなので、4時から5時の間には起きています。その朝の時間でメールの返信をしたり、ニュースを見たりしています。取材原稿のチェックもこの時間にしています。
スキー場に行く時は、先に現場へいくコーチとやり取りをします。スキー場のオープンの時間は、いつも定まっておらずまちまちなので、むやみに出かけるのではなく、コーチからの連絡を受けて行動の判断をしています。待ち時間の短縮を図っているのです。

佐野:活動のご様子は、ブログ に書かれたりしていますよね。ほかにも、SNSをみていたり、投稿したりしますか。

竹内:練習の時間、インターネットの時間を使い分けています。
いろんなホテルなどの宿泊先に行って思うのが、日本人は特に、食事をしていても、四六時中スマホをいじっている方がいます。良くないなって思います。いつも「グローバルWi-Fi」を提供いただいて、便利だと思うのと同時に正しい使い方って絶対していかないといけないと思っています。
リフトに乗ってもインターネット、山にいてもインターネットで遊んでいてリザルトがでなかったら、それこそ自分のやるべきことって間違っているなって思うのです。
一方、レースに行った時に、成績を応援している皆さんへいち早く報告できることができるのは、凄く嬉しいです。私たちの種目はTVであまり中継されてはいないので、日本で応援してくれている人たち、待っていてくれている人たちにインターネットを使うことによって、リザルトをすぐ報告できる。
競技を頑張って、よい結果を得て、「グローバルWiFi」を通じて皆に伝えられたらいいな、といつも思っています。インターネットにその場でつながるというリアルタイム性というのは、本当にいいことですね。
オリンピックのときは、日本の盛り上がりが凄く知りたくて、ずっとFacebookやtwitterなどをみていました。その盛り上がりをみることで、たくさんの勇気をもらえました。皆さんの応援を現地で見られたことは、本当に励みになりました。

佐野:便利に使っていただけているとのことで何よりです。

竹内:「グローバルWiFi」を首にぶら下げて表彰台に立って一枚と、スキー場でWiFiルーターを持って撮る100枚とだったら、表彰台に立っての一枚のほうが、価値があると思っています。よい結果をご報告できる写真を撮ってお送りします。

4/5

GO-BEYONDER No.001

スノーボードアルペン選手

竹内智香

1983年生まれ。北海道旭川市出身。広島ガス株式会社に所属。

小学校の卒業文集に「夢はオリンピック」と記していた。14歳の時に見た長野オリンピックがきっかけで本格的にスノーボード競技を始める。2014年2月のソチオリンピックパラレル大回転では銀メダル。スノーボード競技では日本人女性初のオリンピックメダリストとなり、アルペン種目では1956年・コルティナダンペッツォオリンピックのスキー回転で銀メダルを獲得して以来、58年ぶりの快挙となった。

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