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GO BEYOND な

竹内智香(タケウチトモカ)

スノーボードアルペン選手

対談インタビュー 2/5

「行けそう」ではなく「必ず行く」と決めていた。

佐野:僕は、社会に出たらいつか起業家になりたいっていう思いを抱き、やってきました。途中サッカーをやってきたわけですが、起業家になって、いずれ開花していきたいなと思い続けていました。
ただ、起業って自分次第でなれるんです。しかし、オリンピックってごく一部の選手しか出られないわけじゃないですか。とにかく難しいことだと思うのですが・・・

竹内:いえ、同じだと思います。全て同じように達成させていくこと自体が何かしら難しいのだと思います。

佐野:オリンピックに出るために、ある一定の大会で勝ち上がっていかないといけないのですよね。竹内さんは、どの辺りで自分が「オリンピックにいけそうだ」という意識に変わりましたでしょうか。それはいつ頃ですか。

竹内:オリンピックに行けそうだなっていう思いは、長野オリンピックを見たときに既に思っていました。むしろ行けそうとかじゃなくて、必ず行くって決めてました。
当時14歳でした。次の18歳では行くんだ、って。

佐野:誰と競って行くんだとかどうやって行くんだとかいうことの前に、「行くんだ」という意識があり、そこから実際に努力し、戦ってきたわけですよね。そういう気持ちをもって競技を続け、実績を出してきた。
そして、全日本でトップになったのですね。

竹内:はい。16歳の時に全日本のトップになりました。

結果に結び付ける努力を重ねていく。

佐野:大変若い時にすぐトップになった。そしてそこからずっと第一線で活躍してこられたのですね。
私たちは、テレビで観て、竹内さんをはじめ選手の皆さんが出ているな、FacebookやtwitterなどのSNSへ選手の皆さんが「この大会に行ってきます」などの投稿を見て活動を垣間見ています。
実際の年間を通じた活動のスケジュール、シーズンオフも含め、どのように過ごされているのですか。教えていただけますか。

竹内:私は、2~3年サイクルくらいで一年間のすごし方(スタイル)を変えてきています。
ここ最近のパターンは、4~5月に少しゆっくり過ごし、好きなアウトドアスポーツ・登山、自転車に乗るなど北海道で実家滞在を中心に、自分の好きなことをやりながら過ごしています。遊びながらも鍛えられるという意識はまったくもたないようにして、楽しむことにしています。
あとは、スポンサーへのあいさつ回り等。そういう時間に4月・5月はつかっています。6月くらいから本格的にトレーニングを開始します。これが私の今のサイクルです。
この2~3年は日本をベースにしていて、東京でジムでのトレーニングがメインです。そして8月には、3週間ほどヨーロッパ、11月にまた3週間ほど北米でトレーニングをしてすごしたら、年末にはもうシーズンに入り、3月まで続きます。

佐野:トレーニングを常にやり続けても、急に進化することや、結果が出ないといったこともありますよね。

竹内:私は結果が見えない努力をするのが凄く苦手なタイプで、頑張るなら絶対結果を出していきたいと常に思っています。
結果がでるという手ごたえが欲しいと思いながらも、以前はなかなかこれだと思える手ごたえを感じることがない中であえいでいた時期が長くありました。
また、そんな中、技術とか、センスとか、そういうもので勝敗が決まると考えていました。しかしなかなか努力をした分の結果がでませんでした。
なので、そこから一旦離れてみようと思い、メンタルとかマテリアルとか他のものに目をむけました。するとグッと伸びました。これまでの努力を否定されたような感覚でした。
いろいろな努力の仕方があるけど、気持ちを強く持とうとかマテリアルを進化させる、技術を上達させることが得意です。ただ、フィジカルをこつこつ鍛えていくというのは実は凄く苦手です。
でも、そこも頑張ったら結果がでるんだっていうのが最近やっとわかってきました。結果に結び付けられたから努力ができるようになってきた。だから最近はいろんなことに頑張れるようになってきました。

佐野:やっぱり一つ一つの成長というのが、次のエネルギーにつながりやすいですよね。結果が出ているからこそまた次を頑張れる。

竹内:漠然とやっていても頑張るに頑張れないというか…。ある意味ほとんどの日本の選手は、そんな中でも努力をできる。それが日本人の強さでもあるし、まじめさでもあると思います。
私は良くも悪くもそういう努力してダメだった状態で海外に行って、本当に好きなことだけやったら、結果がでちゃったっていう感じでした。
スイスに行っていた6年間は、何が正解なんだろう、努力って何なんだろう、何を頑張ればいいんだろうという悩みがずっとありました。
しかし、最近は自分の中でちゃんと一つ一つが整理されてきて、自分にあっている頑張り方をみつけられたと思います。

佐野:起業家と似ていますね。起業家も色んなかたちで努力をしますが、結局手ごたえがないとずっと瞑想し続けるわけでして、どこかで断ち切って、そうじゃないところをやって、それを繰り返したら結果がでて・・・
それならまだいいのですが、ずっと仕事にだけこんつめていると、御客様の声も聞こえなくなってしまったり、周りの状況もみれなくなってくることがある。これでは最終的に良い結果にはならない。でもこんなことは意外とあるんですよ。
なので、私はよく外に出ます。昨日もある街を2時間くらい歩いてウォッチしました。そうすることによって、街の変化を感じます。外国人がこんなに来ていて、何処を見ているのかとか。文字で書かれたものとか聞いた話ではなくて、自ら触れる。
ここに革新があるのかとおもいます。ブレてはいけない部分というものが整理されてきます。
竹内さんの努力の仕方を聞いていて、考え方や時間軸など、似ているのかなと感じました。

2/5

GO-BEYONDER No.001

スノーボードアルペン選手

竹内智香

1983年生まれ。北海道旭川市出身。広島ガス株式会社に所属。

小学校の卒業文集に「夢はオリンピック」と記していた。14歳の時に見た長野オリンピックがきっかけで本格的にスノーボード競技を始める。2014年2月のソチオリンピックパラレル大回転では銀メダル。スノーボード競技では日本人女性初のオリンピックメダリストとなり、アルペン種目では1956年・コルティナダンペッツォオリンピックのスキー回転で銀メダルを獲得して以来、58年ぶりの快挙となった。

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