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GO BEYOND な

嶋倉照晃(シマクラテルアキ)

セーリング

私は現在、セーリング競技の「49er級」において、2028年ロサンゼルスオリンピックでのメダル獲得を目標に活動しています。49er級は、二人一組でスキフという高速艇を操るクラスで、スピード、正確さ、戦術力が求められる競技です。風や波の変化を瞬時に読み取り、チームとしての正確な連携が勝敗を分けます。判断ミスひとつが順位に大きく影響する、非常に高度な種目です。セーリングを始めたのは6歳のときで、父が経験者だったことがきっかけです。海の上を自由に移動できる感覚に夢中になりましたが、中学2年生のときに100人以上が出場する中学生以下の全日本選手権で優勝し、オリンピックを本格的に目指すようになりました。現在は、佐賀県唐津市や神奈川県江の島を拠点に日々練習を重ねています。また、ヨーロッパやオセアニア諸国での合宿や国際大会に積極的に参加し、世界レベルの技術や戦術の習得に努めています。世界の舞台で戦うために必要な力を、実戦を通じて着実に身につけています。

私が海外に挑戦する理由は、世界トップレベルの選手たちとの実戦を通じて、自分を技術的にも精神的にも高めたいと考えているからです。ロサンゼルス五輪でメダルを獲得するには、国内だけでは得られないハイレベルな環境に身を置くことが不可欠です。ヨーロッパ、ニュージーランド、オーストラリアなどのセーリング強国では、ジュニア世代から国際的な競技環境が整い、選手層も非常に厚くなっています。彼らとのレースは、風の読み方や駆け引き、コンディションへの対応力など多くの学びがあります。また、競技に向き合う姿勢にも刺激を受け、自分自身の取り組み方を見直す貴重な機会にもなっています。こうした経験は技術の向上だけでなく、メンタリティの強化にもつながります。自然を相手にするセーリングでは、不確定要素が多く、冷静な判断力や展開を読み解く力が極めて重要です。さらに、私は自身の海外経験を日本のセーリング界にも還元したいと考えています。日本ではまだ競技人口や育成環境に課題があり、才能ある若者が世界に挑戦する機会が限られています。だからこそ、自分自身が結果を出し、その姿を示すことで、次世代の選手たちの挑戦を後押ししたいと考えています。

私が感じる「GO BEYOND.」とは、自分自身や周囲の限界認識を疑い、それを乗り越えるために挑戦し続ける姿勢だと考えています。特に印象に残っているのは、初めてニュージーランドで海外合宿に参加した時の経験です。世界トップレベルの選手たちとトレーニングする中で、自分が国内では見えていなかった多くの課題に直面しました。スピード、戦術、体力、そしてメンタルの強さ。自分が「やっているつもり」だったものが、いかに甘かったかを突きつけられました。ですが私は、その現実から逃げるのではなく、自分の弱点を一つずつ見つめ直し、世界の基準に追いつく努力を重ねてきました。実力差に圧倒されながらも、現地選手と積極的に交流し、学びを自分の成長に変える経験こそが、「GO BEYOND.」の一歩だったと感じています。今、私が超えていきたいのは「日本人は49er級では勝てない」という固定観念です。470級など他のクラスでは世界で活躍している日本人選手も多くいますが、49er級はそのスピードと難易度の高さから、過去に大きな成果を出せていないのが現状です。しかし私は、だからこそこの壁を打ち破りたいと考えています。日本人でも49er級で世界と互角に戦える。その証明をすることが、私の「GO BEYOND.」です。

GO-BEYONDER No.695

セーリング

嶋倉照晃

2004年3月5日、京都市出身。
OP級、ILCA6級、420級、29er級、ワスプ級を経て、2022年から49er級で活動を始める。
現在は、オリンピックでの活躍を目標に活動中。

2024年8月 49erU23世界選手権 26位
2023年9月 49er級全日本選手権 優勝
2023年2月 U25マッチレース全日本選手権 優勝
2021年12月 ユース世界選手権 9位
2021年8月 インターハイ 優勝
2021年7月 JOCジュニアオリンピックカップ 優勝
2017年10月 OP全日本選手権 優勝
Instagram:https://www.instagram.com/teruaki_shimakura/profilecard/

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