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GO BEYOND な

国立和玖(クニタテワク)

motorcycle racer

2歳頃から世界最高峰ロードレース選手権MotoGPのDVDが大好きで、実況を覚えるほど夢中になりました。絶対王者マルク・マルケス選手に憧れるようになり、いつしかその世界王者に「勝ちたい」と思うようになりました。とはいえ、2歳から乗ることができるバイクはなく、両親が与えてくれたのはストライダーという足で地面を蹴って進む子ども用玩具でした。三輪車より先に二輪車を手に入れた僕は2歳から5歳までストライダーのレースに出ました。初めて「世界チャンピオンになる」と口にしたのは3歳の時でした。レース後のインタビューで将来の夢を聞かれた僕は表彰台でそう答えました。あれから10年が経ち、13歳になった僕は2024年、2022年から目標にしていたFIM MiniGP World Championshipで日本人初の世界チャンピオンになりました。MiniGPはFIM(国際モーターサイクリズム連盟)とDORNAスポーツが2021年に創設した、10歳から14歳の若手ライダー向け国際レースシリーズです。統一されたレギュレーションで実施されるこの大会はMotoGPへの夢を追う第一歩として注目されています。全選手がFIM規定の「OHVALE GP-0 160」で競うワンメイクレース形式を採用しており、主催者が車両の準備と整備をおこない、平等な条件下で純粋なスキルが試される場となっています。

産まれる前から「何でもいいから世界一にしよう」と決めていた両親に育てられた僕が世界を目指すことは自然な流れでした。今回、チャンピオンになり、率直に嬉しいと思いましたが、やっとスタート地点に立てたという思いの方が強かったです。ここが自分のゴールではないことは分かっているので、これから自分がどう世界で戦っていくかをより考えていかないといけないと思っています。直近の目標は2025年全日本ロードレース選手権に参戦し、同カテゴリーでのチャンピオンを獲得すること、2026年はイデミツ・アジア・タレントカップでチャンピオンを獲得することです。そこで成績を残し、中学を卒業するタイミングではモータースポーツが盛んなヨーロッパに拠点を移したいと考えています。よりよい環境でよりバイクに触れる。それがMoto GP 世界チャンピオンになるための道だと考えています。

僕の「GO BEYOND=超えていく」のカギは「多様な人材を活かすこと」だと考えています。幸いにもインターナショナルスクールに通っているため、国内外の文化を学んできました。英語でコミュニケーションをとることで通訳を介さず自分の意見も相手の意見もストレートに伝え合うことができます。従来の業界や社会におけるスタンダードにとらわれず、多様な属性や価値・発想をとり入れることで、環境の変化に迅速かつ柔軟に対応することができれば、僕自身だけでなくチーム全体の成長に繋げることができ、日本のモータースポーツも盛り上がるのではないでしょうか。時速300kmを超える車体に人間が跨り、爆音とともにあっという間に目の前を通り過ぎていく。音もにおいも自分の持っている感覚全てが刺激されるあの感じ。僕が目指すその世界で、いつか日本の皆さんにも「ワクワク」を届けられたらと願いながら僕はこれからも戦います。

GO-BEYONDER No.694

motorcycle racer

国立和玖

2012年1月8日生まれ、愛知県出身
2024 FIM MiniGP World Champion

2歳からモータースポーツに夢中になり、ミニバイクやモトクロスを始める。現在は排気量250CCのカテゴリーにステップアップし、ロードレースでのチャンピオンを目指す。MotoGPの世界チャンピオンになるために走り続けているバイリンガル。
Instagram:https://www.instagram.com/wakuworks89

2024年11月 FIM MiniGP World Final 世界ランキング1位
2024年9月 FIM MiniGP Japan Series 年間ランキング2位
2023年11月 FIM MiniGP World Final 世界ランキング12位
2023年9月 FIM MiniGP  Japan Series 年間ランキング2位
2022年9月 FIM MiniGP  Japan Series 年間ランキング3位

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