アルペンスキー競技は100分の1秒を競う世界です。私は滑る環境がとても大事だと思います。海外の雪質や斜面は普段練習してる日本のスキー場とは全く異なっています。それは私が実際、日本代表として出場した国際大会を経験して強く感じました。過去の世界大会に出場した日本人選手もこうした環境の違いによって、なかなか本来の滑りが表現できず結果を残せずにいます。日本やアジアで優勝できても、ヨーロッパの山で勝つことは容易ではありません。私は夢を実現するために今後ヨーロッパを中心に練習拠点を置きたいと思っています。アルペンスキーというスポーツを通じて、地球規模の温暖化という社会問題についても深く考えるようになりました。気候変動が雪質に与える影響を実感し、これらの問題に対しても意識を高めていきたいと感じています。日本の女子スキーヤーは誰もワールドカップの表彰台の頂点に、未だかつて立ったことがありません。私はそれを成し遂げ、誰も見たことない景色を眺めてみたいと思います。体格は小柄ですが、技術を磨いて同じレベルに近付き、少しでも日本の地位を向上させたいと思っています。そしてこの魅力あるスポーツを日本でもメジャーなスポーツにしていきたいと思っています。また、これからはスキーだけでなく環境問題にももっと関心を持ちたいと思っています。気候変動や温暖化がスキー場や雪質にどんな影響を与えているのかを実感し、そのことを多くの人に伝えられたらいいなと思います。

私が超えなければならないのは、他の誰でもない、自分自身です。また、どうやったら自分の練習環境を整えられるか、常に考えなければなりません。今年初めて1人でヨーロッパに遠征し、日本人がいないチームで練習する期間が長くありました。遠征中、オフの日には時間を持て余し、どう過ごせばよいのか戸惑うこともありました。何もしない時間や、何も考えない時間が、辛く感じることも時にはありました。ですが私は、そんな時こそ自分自身と向き合い、次に向かうエネルギーを養っていると実感しました。変化のない毎年の繰り返しではなく、今の挑戦が未来への1歩だと感じています。この先も、必ず何かにつながる日が来ると信じ、日々の積み重ねを大切にしていきたいです。私にとっての「GO BEYOND.」とは、まさに今、この瞬間に感じるものです。ヨーロッパではいくつかの山を滑る機会がありました。大会以外でこの地を訪れたのは初めてで、食べ物、空気、人々、全てが新鮮で、刺激的でした。その中には、ワールドカップが開催されるような山も含まれており、数日間ではありますが、そこで滑る経験を得ることができました。山の高さや距離、雪質、地形 - こうした一つ一つの要素が、少しずつ私の体に刻まれていくのを実感しています。それらの経験を大切にしながら、次に挑戦すべき「GO BEYOND.」の瞬間が訪れることを楽しみにしています。