私は現在、スキージャンプ選手として活動しながら、早習田大学の通信課程で学びを深める文武両道の道を歩んでいます。スキージャンプは、空を飛ぶような感覚が魅力の競技であり、技術力だけでなく精神力や瞬時の判断力が問われるスポーツです。一つひとつのジャンプに集中し、風や雪質といった自然条件とも対話しながら、自分の限界に挑戦する日々を送っています。競技に出会ったきっかけは、W杯で輝く選手の姿をテレビで観たことでした。その瞬間、スキージャンプの魅力に引き込まれました。東京出身でありながら、毎週末信州でトレーニングをするなど試行錯誤を繰り返し技術を磨いてきたことは、今も大きな自信となっています。その後、「スキージャンプのまち」として知られる北海道下川町へ単身留学し、高校卒業までの6年間、その場所で生活を送りました。この時期は技術の向上だけでなく、自立心や責任感を養う深い意味のある時間でした。現在は国内外の大会に参加し、世界の舞台で挑戦を続けています。しかし同様に、アスリートとして心の学びも深めること、世界に目を向けることも重要であると感じています。そこで、競技力強化と通信教育という手段で学修を進め、自分のペースで、より実践的な学びを深めています。



GO BEYOND な 人
斎藤優(サイトウユウ)
スキージャンパー
選手としての最大の目標は、W杯で総合優勝を果たすことです。W杯は約4ヶ月間にわたって、30試合以上おこなわれます。スキージャンプは自然と密接に関わるスポーツであり、総合優勝を目指すには、技術力はもちろん、長期間の戦いに耐え抜くための精神力や体力、さらには変わりゆく環境への適応力が不可欠です。また、競技者として成長を遂げることと同時に、競技を通じて得た経験や学びを社会に還元することも私の大きな目標です。競技の10年間の競技生活は、たくさんの方々に支えられて成り立ってきました。小学生時代からさまざまなコーチに指導を受け、中学生からは北海道下川町への単身留学を通じて今に至るまで、多くの方々に支えられてきました。その支えは私にとって欠かせない存在です。自分の姿を通じて、感謝を形にするとともに、競技の魅力をより多くの人々に伝えていきたいと思っています。そのために現役中には海外選手や本場欧州の文化に触れ、自分にはない考え方や価値観を吸収したいと思っています。こうした経験を競技に活かしながら、人として成長し続ける存在でありたいと思います。
中学2年生の頃、初めて国内で開催されるW杯のテストジャンプに選出されました。試合も終盤に差しかかると、選手たちに緊張感が漂っていましたが、その空気感をも楽しむ1人の選手に感銘を受け、私は思い切ってドイツ語で手紙を書きました。すると、”keep smiling.having fun!”という言葉とともに笑顔でハグを交わしました。その瞬間は言葉や文化を越えたつながりを感じる貴重な経験となりました。そして、昨年3年ぶりにW杯が開催され、その選手と再会した際、今度は彼女の方から私にハグをしてくれました。あの時の手紙が彼女の中に残っていたことを実感し、言葉や時間を超えて気持ちが通じることの大切さを改めて感じました。言葉や時間を越えてつながりを築くには、「伝えたい」という強い気持ちが大きな意味を持っているのだと学びました。この経験は、競技の枠を越えて、私自身が成長するための大きな一歩となっています。日々の練習に励みながら、スポーツの持つ力を信じて国際交流の架け橋となれるよう、挑戦を重ねていきます。
GO-BEYONDER No.631

スキージャンパー
斎藤優
2005年10月11日生まれ、東京都世田谷区出身。
小学3年生の冬、テレビで目にした世界のジャンパーたちに心を奪われ、競技の虜になる。中学進学を機に世界を見据え「スキージャンプのまち」北海道下川町への単身留学を決意。6年間の在団中には高校選抜や宮様競技会などで優勝を果たす。現在は札幌を拠点に競技に励む一方、早稲田大学eスクールの学生として活動中。東京から世界へ、日々挑戦を続けている。
Instagram:https://www.instagram.com/yuuu__011/
2024年2月 全国高等学校総合体育大会 2位
2023年2月 全国高等学校選抜スキー大会 1位
2022年3月 宮様スキー大会国際競技会 1位
2022年3月 札幌オリンピック記念スキージャンプ競技大会 3位