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GO BEYOND な

大貫詩旺(オオヌキシオ)

アルペンスキーヤー

私が初めてスキーをしたのは、まだ2歳の頃でした。両親がスノボーのインストラクターをしていたこともあり、スキーというスポーツに出会うことができました。初めはプライベートで滑っていたのですが、両親が興味本位で出場させてくれた初めての大会で、優勝することができ、アルペンスキーの楽しさをあらためて知ることができました。今でもその楽しさを鮮明に覚えています。アルペンスキーは自動車と変わらないくらいの速さで滑ることがあります。小さい頃は、スピードに慣れるのに必死でした。速いスピードの中で旗門を通り、急な斜面を滑り降りるのがアルペンスキーです。恐怖が大きく、練習では滑りたくないと思ってしまうことも何回もあり、その度に、根性がないとコーチに指摘をしていただいたことも良くありました。さらに、マイナス何十度というスキー場では、いつも体力や精神を削られながら練習していました。そんな過去があったからこそ、高校2年の今では、きつい夏の部活も耐えることができたり、シーズン中にどんな急斜面があったとしても、恐怖心より好奇心や楽しいと思えることが増えるようになりました。ここまで自分が小さい頃より成長していると感じられるのは、アルペンスキー特有のことでもあると思うし、自分でも成長を感じられるのが嬉しいです。

私は、毎年全国大会に出場することが出来ています。それはサポートしてくださる周りの方々や、日々の練習のおかげだと思っています。ですが、私の本当の目標は全国大会出場ではなく、全国大会優勝です。何度かチャンスを掴んだものの、毎回4位という結果となってしまいます。あと一歩のところで表彰台に乗ることができず、悔しい思いをずっとしてきました。自分の目標を達成させるには何をしたらいいのかを考えた際に、体力強化はもちろんですが、スキーの技術そのものをもっと細かく使い分けることが大切だと気づきました。アルペンスキーは、体の関節をたくさん使うスポーツです。体を上手く使い分けながら滑ることはとても難しく、速い選手と自分の差は体の使い方だと思いました。体を上手く使い分けるには、スキーの板に乗るときのポジションが大切です。ポジションに上手く乗るためには、雪上でベーシックトレーニングをする必要があります。シーズン中にベーシックを始めてしまうとタイミングが遅く、何も身についていない状態で大会に出ることになってしまいます。なので、海外遠征に行き、まずはスキーの基本から徐々に練習をして、ゲートに入り体の使い方を上手く使い分けられるようになりたいと思ったので、海外に行くことを決めました。さらに、海外に行くことによって海外選手の滑りを見ることができ、日本よりもレベルの高い滑りを見ることは、自分にとっていい刺激となるのでとてもいい環境だと思います。

私は努力することがあまり得意ではありません。努力することはスポーツ選手にとって一番大切なことです。ですが、何かを継続的にやったり、自分で自分を追い込んだりすることが苦手で自分を甘やかしてしまいます。高校生になり、実力のある先輩方が集まっている高校に入学して、私は変わったと思います。今までは、何かと理由をつけて練習をサボってしまったり、自分から行動して自主練をすることはなかったのですが、高校の部活を初めてやった時に、先輩について行くことができず、自分がものすごく惨めで恥ずかしいと思いました。そんな気持ちになってしまったのもあり、部活をすることが嫌になってしまった時期もありました。ですが、このままでは意味がないと思い、苦手なことでも、少しづつ努力を重ねてきました。私の中の「GO BEYOND.=超えていく」は、自分自身を変えて行くことだと思います。楽な方ばかりに逃げたりせず、辛くても頑張っている姿は恥ずかしいことでも、惨めなことでもありません。日々の積み重ねが、少しずつ自分を超えて行く鍵になります。辛いことを乗り越えた先には、楽しいことばかり、嬉しいことばかりがあるわけではありませんが、自分を超えて行くという事実は、この先どんなことがあっても自信を持てることに繋がると思います。この先も「GO BEYOND.」、たくさんの努力ができるように頑張りたいと思います。

GO-BEYONDER No.597

アルペンスキーヤー

大貫詩旺

2007年8月11日生まれ

栃木県鹿沼市出身。高校生からは足利市の足利大学附属高等学校に入学し活動をしています。両親や兄の影響で小さい頃からスキーを始めました。現在は全日本強化指定選手に選ばれ、スキー活動を頑張っています。

 

Instagram:https://www.instagram.com/jls0811__/

2024-25年 アルペンスキー強化指定選手 選出
2023年3月 高校選抜4位 SL
2023年3月 高校選抜4位 GS
2023年2月 インターハイ8位
2022年3月 JOCジュニアオリンピックカップ SL4位
2022年2月 全国中学校体育大会 SL6位
2022年2月 全国中学校体育大会 GS7位

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