私はセパタクローという競技において、日本代表選手として日々の練習や国際大会に出場しています。セパタクローは足でおこなうバレーボールのような競技で、アタック(スパイク)やレシーブなど全てを手以外の部位でおこないます。アクロバティックな動きが多いことから、"空中の格闘技"と呼ばれ、東南アジアで盛んなスポーツとなっています。日本ではまだまだ盛んとは言えないため、競技のみで生計を立てられる訳ではありません。そのため、現在は会社員として平日昼間は働きながら、平日夜や土日の時間を活用して、練習やトレーニングをしています。私がセパタクローという競技と出会ったのは18歳、大学1年生の頃になります。それまで競技の存在自体は知っていましたが、実際に見たことはありませんでした。大学にセパタクローのチームがあったため、一度見に行ってみると、その迫力に魅了されて競技を始めることに。セパタクローという競技は、日本では指導法や教科書のようなものはあまり普及していません。そのため、練習メニューを自分で考えたり、上手い人に聞きに行ったり、自立して練習しないとなかなか上達がしにくいスポーツだと思います。日本の競技者の多くは大学から始めていますが、自立が必要だからこそ、それまでに培ってきた勉強や他スポーツの経験を活かして、短期間でも上達が見込めるスポーツだと考えており、そのような点が楽しく現在も続けています。
GO BEYOND な 人
春原涼太(ハルハラリョウタ)
セパタクロー日本代表
私はこのセパタクローという競技で、2026年に愛知県名古屋市で行われるアジア競技大会で金メダルを取ることを目指しています。オリンピック競技ではないセパタクローにとってはアジア競技大会が世界最高峰の舞台になります。2023年に行われた中国/杭州での第19回アジア競技大会では、個人として初出場することができ4vs4のクワッド種目において銅メダルを獲得することができました。これまで、日本チームの最高成績は2018年に行われたアジア競技大会での銀メダルになるので、自国開催で金メダルを取ることを目指しています。また、その先も続くアジア競技大会で、強い日本であり続けたいと思っています。ただ、今のままでは金メダルを獲得することは難しいと感じています。もっと海外に出て強豪国の選手と戦ったり、一緒にプレーをしたり、日本国内だけでは得られない経験をする必要があります。そのため、海外で行われる大会への出場や、練習への参加などを行い、技術力や戦術理解度を向上させていきたいと考えています。また、個人の成長だけではなく、自分の経験や考えを日本チームや日本のセパタクロー選手に発信していき、日本セパタクロー界全体の強化にも貢献していきたいと思っています。
私自身、海外に出ていくことで様々な気づきを得られると感じており、そうした想いと重なる点が多くあったため、今回GO-BEYONDERとして活動させていただくことになりました。強豪国で練習をさせていただいた際に、日本国内では当たり前だと思っていた知識(基礎的な動き)が、世界では異なっていたことを知り、衝撃を受けたという経験があります。これは海外に出ていって、異なるバックグラウンドを持った人々と関わらないと気が付かなかったことですし、その結果としてセパタクローの技術が向上したと思っています。また、競技に関することだけではなく海外の人々の生き方や考え方を知ることで、当たり前だと思っていたことが当たり前ではなくなることも多々ありました。これからも海外に出て、知らなかった世界を自分の目で実際に見ることで、競技力の向上はもちろん、様々な価値観に触れていきたいと思っています。また、そうした経験をSNSやリアルの場で共有して、少しでも気づきやきっかけを提供できたらと考えています。
GO-BEYONDER No.561
セパタクロー日本代表
春原涼太
1998年11月27日生まれ、東京都出身、慶應義塾大学 経済学部卒業。
高校まで12年間サッカーを続け、大学入学時にセパタクローを始める。大学3年時に初の国際大会に出場し、卒業後も競技を継続することを決意。卒業後は働きながら競技の継続をしている。
Instagram:https://www.instagram.com/haruhara_ryota
Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100017441101556
2024年6月 第31回全日本セパタクローオープン選手権大会 優勝
2023年12月 第34回全日本セパタクロー選手権大会 優勝
2023年10月 第19回アジア競技大会(中国/杭州)クワッド種目 3位