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GO BEYOND な

髙橋大成(タカハシタイセイ)

スキークロス選手

スキークロスという種目で2026年のミラノ・コルティナダンペッツォオリンピックに出場することを目標に活動しています。もともと私は、アルペンスキーという競技で2020年まで活動していましたが、一度燃え尽きてしまったこともあり現役を引退しました。引退した後は、サラリーマンとして働きながら地域の子どもたちにスキーを教えていました。コーチとして過ごしていく中で、子どもたちが純粋に自分の夢を語る姿をよく見ることになります。そんな時、「本当に自分はやりたいことがやれているのだろうか」「自分の本当の気持ちに蓋をしていないか」と自問自答する時間が増えていったのでした。2年間のブランクの中で「ダメでもいいからもう一度世界を目指したい」「オリンピックの舞台に立ちたい」という思いが、私の人生において最も大切なことだと気づき、2023年に現役復帰、そしてスキークロスという種目に転向をしてもう一度競技人生を歩み始めました。2023/2024シーズンは2年間のブランク明けの1年で、最初はなかなかうまくいかないことだらけでしたが、支えてくださる方々のおかげで全日本選手権での優勝や、海外でのレースでも段々と結果を残すことができました。オリンピックまであと2年となりました。まだ先があると思うのではなく、いつも最後の1年だという気持ちで、後悔のないよう全力で頑張っていきます。

スキークロスは主戦場がヨーロッパであるため、この種目でオリンピックを目指す場合は海外での活動が必須となります。また、トレーニング環境も冬季はヨーロッパやカナダ、夏季はオセアニアや南米が充実していることから、私の目指す姿になるためには海外への挑戦は避けては通れませんでした。この海外へのチャレンジを通じて競技力を向上させるのはもちろん、人間性も磨いていきたいと思っています。昨年はオーストラリアチームと1シーズンを共に過ごし、時に強豪国のオーストリアやドイツのスキーヤーとも寝食を共にしました。その中で気がついたのは誰もが強いメンタルを持っているわけではないということでした。大胆な選手もいれば、静かで落ち着いた選手もいる。大切なのは自分の特徴を否定せず、自分らしく戦うことでした。また、海外の選手はフレンドリーな人が多く、お互いに讃えあう文化が強いようにも感じました。日本にいるだけでは見えない人間模様をこのチャレンジを通じて観察して、最終的に自分自身に活かしていきたいと思います。

私が感じた「超えていく人たち」の共通点は「身近な人が壁を越えていった」ということだと思っています。誰もが「あいつでもできたんだから」と思う瞬間があると思います。例えば車のマニュアル免許を取るときに、最初はクラッチとアクセル、シフトの操作など頭と体がうまく連動せず、「こんなの運転できない」と思った人もいると思います。私はそうでした。そんな時に、よく「おじいちゃんおばあちゃんでも運転できるんだから」と母から言われていました。「言われてみればそうだ」と納得した瞬間であり、物事に対する見え方が変わった瞬間でした。これに近いことがスポーツでも常に起きていると思います。スキークロスに転向した時、やったことのない運動を求められ、避けては通れない壁が何度も現れました。世界中のライバルはその壁を越えている。体格も身体能力もそこまで差はない。「あいつでもできたんだから」と思えたことで、私は少しずつ前に進むことができました。そして、今世界のトップで活躍している選手誰もが、最初は初心者だったということを忘れないことが、“超えていく”上で大事だと思います。

GO-BEYONDER No.550

スキークロス選手

髙橋大成

1997年4月27日生。日本ビールスキー部所属新潟県妙高市出身。幼少期からスキーをして育ち、小学生からアルペンスキーに熱中する。妙高高原中学校→JWSC→中央大学→東海大学
2026年ミラノオリンピックにスキークロスで出場することが目標です。

Instagram:https://www.instagram.com/taisei.takahashi/
X:https://x.com/taiseitakaha
オフィシャルサイト:https://mynameistaisei0427.wixsite.com/my-site

2024年4月 スウェーデン選手権9位   
2024年3月 ドイツ選手権   8位
2024年3月 全日本選手権   1位

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