534
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

GO BEYOND な

堀島行真(ホリシマイクマ)

プロスキーヤー

両親の影響で、スキーと出会い、週末は家族でスキーにいくのが恒例行事となっていました。スキー場を滑る中で、モーグルコースを滑ってみたことをきっかけに、モーグルの楽しさにはまっていきました。今では、競技者としての立場でモーグルに取り組んでいます。また、何十年もの間取り組んできたモーグルには、たくさんの魅力があることに気がつきました。スキーリフトで隣になった人と話をしながら、次の1本へ向かう時間や、スキー場に移動するまでの家族とのドライブの時間、スキー道具を準備することや、スキーが終わった後に、片付けをすること、手間がかかるスポーツだからこそ、そこにはたくさんの大切な時間があることがわかってきました。道具を大切にする気持ちや、道具にかかるお金の大事さも感じることができました。幼少期から、両親の手を借り、難しいコースや、いろんなスキー場へと足を運んだりと、親からの愛情を感じる時間にもなりました。また、家族以外での人との繋がりはスキーの中にたくさんありました。地元の学校では、同じ小学校でよく顔を合わせる友達以外にも、週末にスキー場で会う、同世代の子達とスキーを通して遊んだ記憶もとても思い出深いものになっています。そして、競技を始めてからは、ライバル関係や、お互いに刺激し合える仲間として、自信を成長させてくれる大切な方々に出会うことができました。現在は、モーグルの競技者として、オリンピックや、W杯、世界選手権に出場するような選手になることができましたが、スキーヤーとして生活ができることが、幸せだと感じる毎日を過ごしています。

海外は、中学3年生の時に、初の海外の大会に出場するためにアメリカ、カナダへと2週間の遠征にいきました。帯同してくださるコーチや、先輩選手について行くだけの生活でしたが、それでもたくさんの学びがあったことを覚えています。通貨の違いを初めて感じたり、伝えたいことが伝わらないもどかしさや、コミニュケーションを取れない不快感を感じたり、日本で持っていた携帯も使えないんだと、海外に行くということは全てが新鮮で、新しく知ることばかりでした。その後は、ナショナルチームでの海外合宿や、W杯参戦などで海外へ行くことが増えていきましたが、回数を重ねても、慣れてきたという感覚になるまでには、多くの時間と、さらに多くの経験をする必要があると感じました。2024年の5月からノルウェーに住むことを決め、そのための準備を自分自身で調べながら、住居の手配や、滞在許可証の取得、受け入れ先への連絡などに取り組んできました。海外での生活に挑戦する経験は、日々の生活や、生きていくために大切なことを1から経験するような感覚になっており、自分が理解できる言語のみでの生活とは全く違う不便さを感じています。しかし、そうした経験が、世界の文化を知り、良さを知り、そして、日本の良さを感じることができるようになるのだと想像しています。海外へ1歩踏み出すためには、自分のモーグル競技を磨いてからこそ、海外でもスポーツ選手としてのスキルを成長させていけるように、これからも取り組んでいきたいと思っています。また、広い視野を持って、どんなジャンルでも、自分ができなかったことができるようになる。ということを積み重ねていきたいと思います。

GO BEYOND.=超えていく(勝てなかった選手に勝つこと、何度も挑戦してきた技が成功すること、苦手が克服できること、トラウマがあるものに打ち勝つこと、限界と思っていた先を見ること、昨日の自分よりもちょっと良くなったこと)日々の生活の中で、超えていく瞬間は晴れやかな気持ちになり、明日への生きる活力になると感じています。超えられない期間は、落ち込むことも多々ありました。進むべき方向を見失って、不安を抱える日々を過ごすことも。マイナスな気持ちは、自分自身に襲いかかってきます。それでも朝起きたら、1日のやるべきことをやって、感情が揺らいでも、なりたい自分を頭にイメージして、行動することが大事だとわかってきました。そして、何事もおそらく正解があって、正解を見つける毎日を過ごすことができれば、いつか、正解へと辿り着くのだと感じています。それが、僕にとってはオリンピックでの金メダルです。金メダルをとった時が、僕が金メダルをとるための1つの正解を見つけた時だと思います。「なるべくしてなる」という思いで、活動を続けていきます。

GO-BEYONDER No.534

プロスキーヤー

堀島行真

1997年12月11日生まれ 岐阜県池田町出身。2013年から国際スキー連盟主催のW杯に参戦、2014年ソチオリンピックの選考基準を満たすことができず、オリンピックの出場は叶わなかった。平昌オリンピックの前年度、2017年自信初の世界大会での優勝を果たす、同世界選手権でのMO、DM優勝は、歴代男子史上初の記録となった。2018年平昌オリンピックの出場を果たすが結果は11位。前年度世界選手権覇者は、オリンピックの舞台の前で悔しい結果となった。2019年オリンピックでのショックから、競技への思いに迷いがあったが、勝つことよりも新しい技へのチャレンジへと目標を変え、最高難度のコーク1440を大会で使用。2020年、競技外ではあるが、モーグルコースでのダブルコーク1080にチャレンジするなど、日々の成長に力を入れる。スキー板の長さを10センチ変更し、ジャッジへのアピールを図ることや、試行錯誤、変化を恐れず挑戦してきた。2021年の北京オリンピック前年度まで、世界ランキングトップを維持し続け、2022年北京オリンピックでの銅メダル獲得。2018年からの4年間の雪辱を晴らす結果となった。『本当の目標は、金メダル』と北京会場のインタビューで話す通り、オリンピック金メダルへの道は続いている。トヨタ自動車所属。

Instagram:https://www.instagram.com/ikuma_horishima

※MO (モーグル)DM (デュアルモーグル)
2023年-2024年 Season FIS W杯総合ランキング種目別 MO 優勝 
2022年 北京オリンピック 銅メダル獲得
2018年 平昌オリンピック出場(11位)
2017年 FIS 世界選手権大会 MO DM 優勝 

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ページトップへ