小学6年生の時、家族でクライミング施設に行きました。初めて行った時はあまり登れませんでしたが、またやってみたいという気持ちでいっぱいになりました。その後は、月1〜3回程度、父と一緒にジムへ行きました。当時は他の競技をしていたので、本格的に競技として始めたのは中学2年生になってからです。登りきれることが楽しくて、毎日のようにクライミングジムに行って、登っていました。その成果もあり、中学3年生の時に「いきいき茨城ゆめ国体」に出場し、ますますクライミングが好きになりました。私がスピード種目を始めたきっかけは、2019年10月、日本スポーツ振興センターのアスリートパスウェイの戦略的支援事業(地域タレント発掘・育成事業で、パリオリンピックでのメダル獲得を目指す)の募集があったからです。当時、スピード壁を保有していた岩手県、鳥取県、愛媛県の3県の中学生が対象だったので応募しました。そして同年12月より第1期生としてスピードクライミングを始めました。高さ15m、手前に5°傾いている壁を初めて登った時は、登りきるまでに約30秒かかりましたが、登るたびにタイムが縮まっていくのが嬉しくて、のめり込んでいきました。スピードをしていて楽しさを感じる時は、文字通り「スピード」を感じられた時(タイムが速くなった時)です。
GO BEYOND な 人
林かりん(ハヤシカリン)
スポーツクライミング
2021年、スピードを始めて約2年でユース代表、日本代表に選出されるまでタイムを縮めることが出来ましたが、コロナ禍であったので国際大会の出場には至りませんでした。せっかく選出してもらえましたが日本代表ユニフォームを着て大会に出場する機会がなく、とても残念な気持ちでしたが、「日本代表ユニフォームを着て国際大会に出場したい」と強く思うようになり、練習に励みました。タイムもどんどん縮まり、2022年からは第3期、第4期、第5期と連続してパリオリンピック強化選手に選出され、国際大会に参戦しています。2022年、国際大会2戦目のワールドカップで、日本人女子最短での決勝進出を果たしました。とても嬉しくて、もっともっと速く登りたい、という気持ちでいっぱいになりました。2023年3月、ジャパンカップ初優勝、日本記録更新(7.43)、2023年8月、世界ユース大会では日本人女子初優勝(U20)をすることが出来ました。目標はオリンピック出場、メダルを獲得することです。スピードは高さ15m、手前に5°傾いている壁を、どれだけ速く登りきるかで勝敗が決まる1/1000秒を争う競技です。0.1秒を縮めるのも大変ですが、そこが魅力のひとつでもあります。国際大会では、普段と違う空気感の中で戦うスタイルを学びました。普段と異なる環境での大会や練習は、とても良い刺激を受けています。ユースB、ユースA、ジュニア、シニアの各年代で日本記録を更新し、現在、スピード女子日本記録保持者(7.37)です。世界トップ選手との差は約1秒ありますが、少しずつ差を縮められているので、競技力向上だけではなく人間力向上も目指し、目の前のことにコツコツ取り組んでいます。スポーツクライミングはパリオリンピックから正式種目となりました。スピードは単種目で開催されます。日本の競技人口や競技施設も増加しつつありますが、まだまだマイナースポーツなので、私自身が活躍することで国内の競技レベルを引き上げるとともに、競技者、競技施設の増加に貢献したいです。
私にとっての「GO BEYOND.=超えていく」とは、自分の限界を超え、挑戦し続け、記録を塗り替えていくことです。オリンピック出場、メダル獲得を目標に、様々なことに挑戦してきました。国際大会でミスが続き、不甲斐ないレースしか出来なくて、苦しい日々も経験しました。でもそんな時、たくさんの方に支えられ、自分自身と向き合い、前を向き、がむしゃらに競技に取り組むことで不調を乗り超え、日本新記録を再更新する事が出来ました。これからも挑戦し続けることが「GO BEYOND.=超えていく」だと思っています。
GO-BEYONDER No.530
スポーツクライミング
林かりん
2005年3月20日生まれ、 鳥取県出身。小学6年生でクライミングに出会い、中学2年生から競技としてクライミングを始める。2019年12月、スポーツクライミング スピード種目アスリートパスウェイ第1期生としてスピード種目を始める。2023年3月ジャパンカップ初優勝、日本記録更新。同年8月、世界ユース大会にて日本人女子初優勝(U20)。2024年6月、自身の持つ日本記録を再更新。スピード女子日本記録保持者。日本人女子初6秒台、オリンピック出場、メダル獲得を目指している。
Instagram:https://www.instagram.com/karin__hayashi
2024年6月 パリオリンピック最終予選出場 総合21位
2024年6月 日本記録更新 7.37
2024年2月 スピードジャパンカップ 3位
2024年2月 スピードユース日本選手権 優勝
2023年10月 杭州アジア大会 6位
2023年8月 世界ユース大会(U20) 優勝
2023年3月 スピードジャパンカップ 初優勝
2023年3月 日本記録樹立 7.43
2022年10月 アジア選手権 5位
2022年5月 ワールドカップ第3戦 10位