私はカヌースプリントをやっています。このカヌースプリントという競技は、 ダブルブレードパドルで漕ぐカヤックを使い、流れのない河川・ 池・湖に直線コースを設置し、 9艇が一斉にスタートして着順を競う競技です。クルー(乗組員)の数によりシングル(1人)/ペア(2人)/フォア(4人)の区別があり、カヤック(Kayak) のKと合わせてK1/K2/K4と表すこともあります。また、 距離により200m/500m/1,000mの区別があります。そんなカヌーに私が初めて触れたのは、小学4年の時です。日本一の琵琶湖の側で生まれ育ったのだから、琵琶湖で何か出来ないかと、たまたま学校で配られた「カヌーで琵琶湖横断チャレンジ」というプリントを見てチャレンジしたのが、キッカケでした。初めは上手く漕げなくて、同じところをクルクル回っていました。それが少しずつ余裕がうまれ、艇が真っ直ぐ進んだその瞬間、鏡のような水面と心地の良い風を切りながら進むカヌーに心から感動し、虜になりました。それから7年、小学、中学、高校で、それぞれ日本一になりました。そして今はジュニア日本代表として、世界大会に出場しています。
GO BEYOND な 人
神田仁湖(カンダニコ)
カヌースプリント
初めて海外にチャレンジしたのは、中学3年生の時でした。同じ所属チームの先輩たちが日本代表として、世界にチャレンジしていく姿と日の丸のついたユニホームに憧れ、いつか私も自然に目指すようになっていました。2024年現在、17歳なので、来年までジュニアとして戦います。そのジュニア期ではまず、国内完全制覇を成し遂げます。500mと200mそれぞれにおいて、インターハイと国体(国スポ)で優勝します。世界大会では今までに日本人初となる決勝進出を達成したので、今後は上位入賞、メダル獲得を目指しています。それらのジュニア期を踏み台に、シニア選手になってからは、ナショナルチームに入って、2028年ロサンゼルスオリンピック、2032年のオリンピックに出場する事を目標としています。今年のパリオリンピックでは日本は出場権を獲得出来ずに、アジア大会が終わった事を考えると、まずはアジアでの優勝も必要となってきます。一昨年のアジア大会ではジュニアの大会ながら個人で準優勝、4人乗りでは優勝を果たしています。更なる高みを目指す為には、ジュニア時代に500mのタイム2分を切る事、シニアでは1分50秒を切る事が不可欠です。
日本はもとより、アジアはヨーロッパ選手に比べてまだまだ力が足りず、世界大会で上位に行くなど活躍する選手は残念ながらいません。それは体格差だったり、設備や環境だったり。でもこれまで世界で戦ってきた先輩達の失敗や気づき、そして想いを生で聞いて、取り入れ、日本カヌー界の数十年を活かせる選手として世界で証明したいと思います。時を超えて私が掴み取る。又、カヌーといっても陸上競技の様に、色んな種目があります。オリンピックで羽根田拓也選手がメダルを獲得した事もあり、認知はされてきたものの、今もまだボート競技と区別できる方が少なかったり、羽根田拓也選手のスラローム競技と勘違いされたりします。私が琵琶湖横断で初めて乗った時に感動した水面に景色が映る綺麗さと心地よい風を、子供達やより多くの人達に感じてもらいたい。そして日本でのカヌー認知度を上げたいです。今はオリンピックなんて夢で、無理だろうと言ったり、それ以前にオリンピック競技だと知らない人達の無関心さを、いい意味で超えたい。超えて私はオリンピックに出場する。
GO-BEYONDER No.528
カヌースプリント
神田仁湖
2007年10月17日 滋賀県生まれ。小学生、中学生、高校生でそれぞれ日本一に。今はジュニア日本代表として、世界大会に出場しています。この先はオリンピック出場を目標に、2032年まで1秒でも早く、強く漕げる選手になれるよう活動中。
Instagram:https://www.instagram.com/nikodongoku
2023年10月 鹿児島国体 準優勝
2023年9月 オリンピックホープス A決勝8位
2023年8月 インターハイ 優勝
2023年7月 世界ジュニア選手権 準決勝進出
2022年9月 アジアパシフィックスプリントカップ 優勝