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GO BEYOND な

鈴木遥(スズキハルカ)

プロスノーボーダー

スノーボードのハーフパイプとフリーライドの競技活動を行っています。私の両親は、スノーボードのバックカントリーが好きです。両親の「壮大な景色の中、家族でスノーボードを楽しみたい」という夢を叶えるため、私は4歳からスノーボードを始めました。当時の私は、雪が大好きで、滑るよりも雪を食べてばかりいたそうです。6歳の時、大好きな八甲田山をスノーシューをはいて登り、ノートラックの斜面を滑りました。幼い私がバックカントリーに挑戦できたのは、山を知り尽くしているガイドさんのおかげです。私に合ったコースを考えてくださったおかげで、本当はつらいはずのスノーシューでのハイクアップも楽しむことができ、何より安心して滑ることができました。たまたまハーフパイプを滑る機会がありました。その時感じたブランコのような、ジェットコースターのような感覚が忘れられず、またハーフパイプを滑りたいと思いました。本格的にハーフパイプを始めたのは小学2年生の時です。初めて出場した大会では最下位でした。この悔しさがきっかけとなり、競技に挑戦することに夢中になりました。悔しさを糧に練習を重ね、5年生の時に全日本選手権で優勝し、プロライセンスを取得しました。競技活動は、悔しいこと、辛いことの連続ですが、その気持ちを忘れずに練習を続けていると、いつかは結果につながることを経験しました。また、自然のままの地形を滑り、そのテクニックやスタイルを競うフリーライドの競技にもチャレンジしています。私のルーツでもあるバックカントリーにも通じます。2〜3本のランのうち最高得点で順位が決まるハーフパイプと違い、フリーライドは初めて滑る斜面で、練習なし、1本の滑りで順位が決まります。スタート位置に立った時、緊張はしますが、ゴールまでのラインをイメージするとワクワクしてきます。地形を、自分の思うままに滑れたときは、とても充実した気持ちになります。これからも、時間の許す限り、ハーフパイプとフリーライドの両方の大会にチャレンジしていきたいと考えています。また、競技にこだわらず、スノーボードを楽しむことも大切にしていきたいです。

私は、スノーボード業界を盛り上げていく存在になりたいです。スノーボードを盛り上げるために、まずは自分の技術力を向上させ、注目される選手を目指します。ハーフパイプは、エアの高さ、技の難易度、全体の完成度などをジャッジし、点数を競う競技です。そして、見ている人をどれだけ魅了するかも大切です。私は高さとスタイルにこだわった選手を目指しています。ワールドカップ等の大きな大会で印象に残るのは、誰もやっていない技をやれる選手、同じ技でもその人らしさがある選手です。例え、その1本が失敗に終わっても「次もこの選手の滑りを見たい」と注目度が高まります。私も、海外の大会で、私にしかできない技や目を見張るような高さを出し、盛り上げる存在になりたいと思います。また、フリーライドは、今後、より盛り上がってくる競技になると思います。日本でもその面白さが認知されはじめ、徐々に競技人口も増えています。フリーライドの大会では、自然の中で滑ることのリスクを学ぶ時間もあります。雪崩で遭難した人を探す練習、その時に必要なツールを使う訓練もしています。天候の変化、雪崩の危険性、雪崩に遭った時の対応等を学んだことで、意識が変わりました。そして、常に安全を第一に考えて活動している方々のおかげで、スノーボードを楽しめているのだと、あらためて思いました。だからこそ、私は、これからもフリーライドの大会や講習に参加し、自分の同年代やもっと下の年齢の人たちにも、安全にスノーボードを楽しむことを伝えられる存在になりたいと思っています。スノーボードを通じて沢山の素敵な人たちに出会い、刺激を受けてきました。そして、競技にチャレンジできるのは、その方々との出会いがあったからだと思っています。これまで出会った方々のように、スノーボードの楽しさ、カッコよさを世の中に伝え、スノーボードを盛り上げていく人になりたいと思います。

小学生と中学生では競技活動を継続する上で環境が大きく違いますが、新しい環境で日々自分を超えるためにチャレンジをしたいと思います。1つめは、勉強とスノーボードの練習の両立です。当たり前のことですが、勉強を優先すると練習時間が確保できず、両方を納得いく状態で継続することの難しさを痛感しました。二刀流の大谷選手をはじめ、世界にはお手本となる人たちがたくさんいます。まずは、その方たちのやり方を研究し、試していこうと思っています。また、世界中の同世代の同じ悩みを抱えている人と意見交換をし、新しい価値観も取り入れていけたらと考えています。2つめは、表現することや発信する力をつけることです。そのためには、勉強だけでなく、興味関心事の探求や実社会からの学びによりインプットを深めていくことで、表現する力を養っていきたいと思います。この2つの課題を乗り越えるためには、インターネットの環境は欠かせない存在です。今後、海外で活動する機会を増やしていきたいと考えています。そのために、どこにいてもインターネットをストレスなく使える環境で学びを継続していき、日々自分を超えていきたいと思います。

GO-BEYONDER No.523

プロスノーボーダー

鈴木遥

家族の影響で4歳の頃からスノーボードを始める。9歳でハーフパイプの大会に出場、10歳からフリーライドの大会にも出場。11歳の時、JSBA全日本選手権で優勝し、プロスノーボーダーに。その後、オーストリアで開催されたAustrian & German Masters U-12にて優勝。ナショナルチーム強化指定選手(Dランク)に選出される。フリーライドでは、Freeride World Tour Junior Japan にて、Maiko優勝、Arai準優勝を獲得。ハーフパイプとフリーライドの2つの競技を通じ、スタイルのあるスノーボーダーを目指す。また、日常生活においては様々なコミュニティーに積極的に参加し、表現力とコミュニケーション力を高めることに邁進中。

Instagram:https://www.instagram.com/haruka.enjoy.snow/

2024年3月 JOCジュニアオリンピックカップ 準優勝
2023年4月  Austrian & German Masters U-12 優勝
2023年3月 JSBA全日本選手権 優勝
2023年3月 ビューティースキンクリニックカップ1戦、2戦 優勝
2023年2月  Freeride World Tour Junior Japan Arai U-14  準優勝
2023年1月  Freeride World Tour Junior Japan Maiko U-14 優勝

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