これまで、モーグル競技は野球やサッカーと比べるとマイナースポーツと呼ばれ、大学と同時に現役を引退する選手を多く見受けてきました。私自身も大学で引退するという事を考えていました。モーグル競技の特徴として、大学卒業後の就職のタイミングで競技から退く選手が多いのが現状です。その結果、モーグル競技の人口が増えずにマイナー競技と言われてしまうことが大きな課題だと感じています。なぜ競技を始めたか思い返すとモーグル競技がかっこよく、楽しく、わくわくして大好きだからでした。毎日仲間と共にトレーニングに励み、そんな仲間達と戦い、称え合ってきました。そんな競技を諦める世界をこれからは作りたくありません。社会人として働きながら競技を続け、幼いころからの目標である世界選手権出場やオリンピックでのメダル獲得、世界で活躍する姿を証明し続けることができれば、モーグル競技を通じて、多くの人に可能性を与えることができると考えます。そして、スポーツ競技者が増え、明るく活発なスポーツ社会を作っていく事ができると思っています。まずは私が証明するために仕事も競技どちらも全力で取り組み、結果で証明していきたいと考えています。スポーツ選手として順位は付き物で目標を達成する事は勿論ですが、未来のモーグル選手はじめスポーツを始めたい方に希望を持ってもらえるようなそんな世界を作っていくことも目標の一つとしています。

ワールドカップを転戦している中で世界のトップで活躍する難しさを感じています。ただ、それは決して諦めている訳でもなく、その壁を乗り越えられないと思っている訳でもありません。私自身実力不足、経験不足です。まだまだ成長できる伸びしろも多くあり、経験を積めば積むだけ引き出しが増えると思っています。そうすれば、兼ね備わった後には今の自分を越えて、その先に世界のトップで活躍している姿が頭に思い浮かびます。日々の練習やトレーニングをし続ければ必ず今以上の自分に成長できると思っています。2022/23シーズンのワールドカップ最高順位は10位、2023/24シーズンのワールドカップ最高順位は2位、この順位がたまたまだとしても、前シーズンの自分を大きく超えた事を実感します。順位以外にも超えられた部分はたくさんあります。それはワールドカップを共に転戦する海外選手とコミュニケーションを取れるようになった事です。恥ずかしながら、英語がペラペラな訳ではありません。スポーツをしているからこそ数多く海を渡り海外選手と関われる貴重な機会がたくさんあります。恐れず積極的にコミュニケーションを取り続ければきっと、見える世界も変わっていきこの限られたスポーツをしている時間がより充実し、これまでできなかった事ができるようになり、今の自分を打破し成長していけると思います。