私は現在早稲田大学に所属し、バイアスロンという競技をしています。私の地元はスキーが盛んな町であることや、そして父親が中学校でスキー部の顧問をしていたこともあり、幼い時からスキーに親しんでいました。中学1年生の時に、北海道が行ったタレント発掘事業に応募したことがきっかけでバイアスロンを始め、地元出身の憧れの選手を追いかけ、今現在も競技を続けています。バイアスロンとは、冬季オリンピックの種目の一つであり、クロスカントリースキーと射撃を組み合わせた競技のことです。日本では競技人口も少なく、認知度が低いマイナーな競技ですが、欧米ではたくさんの人に親しまれているポピュラーな競技です。スキーだけが速くてもダメ、射撃を当てるだけでもダメというどちらの能力も必要な競技であり、射撃のたった1発のミスだけでも順位が大きく変わってしまう予測不能なレース展開がこの競技の魅力の一つです。現在は、ワールドカップの下部大会や、大学生のオリンピックとも言われているユニバーシアード、世界ジュニア選手権に出場していますが、2026年や2030年のオリンピック出場を目指し、まずはワールドカップ出場を目標に日々練習に励んでいます。
GO BEYOND な 人
佐々木美紗(ササキミサ)
バイアスロン選手
私の将来の目標には、「国際大会で結果を残し、いつも支えてくださる人が応援していて良かったと思える選手になること」だけでなく、「オリンピックに出場して認知度の低い日本にバイアスロンという競技そのものや、バイアスロンという競技の魅力を伝えること」という二つの目標があります。なぜオリンピックの舞台かというと、唯一日本の民放で放送される機会だからです。先ほども述べた通り、バイアスロンは射撃1発のミスで順位が大きく変化します。「さっきまでこの人は30番だったのにゴールしたら10番にいる」なんてことも普通に起こり得てしまう競技です。もちろんその逆もありますが、応援している側や見ている側はこのドキドキハラハラの展開がとても面白いのではないかと思います。また、会場の雰囲気もかなり盛り上がっており、射撃を1発当てるだけで歓声が上がるなど見ていて楽しい競技だと思います。こんなに面白い競技を知らないのはもったいないと思うし、こんなに興奮しながら応援できる競技をやっている人も少ないので、もっとこの面白さが伝わるような活動を自分の競技成績を通して伝えていけたらいいなと思っています。
2022-23シーズンは、あと一歩のレースが続き最大の目標であった「ワールドカップ出場の権利を獲得すること」ができませんでした。「あと1発当てていたら」、「あと少し早く走っていたら」、「ここで射撃を外さなければ」など、この「たられば」がなければ目標達成は十分にできたレースが多く、結論、プレッシャーや緊張、精神状態など自分自身を「超えていく」ことが求められたシーズンでした。バイアスロンという競技において他国より不利な状況にある日本が海外の強豪国を「超えていく」ためには、まずは自分自身を超えるパフォーマンスをして、何度失敗しても果敢に挑戦し続けなければなりません。私は「GO BEYOND」という言葉を、自分自身を奮い立たせ、世界に挑み続ける勇気をくれる言葉だと感じています。大学生ということもあり、今はまだ十分に競技に打ち込める環境ではありませんが、限られた環境でも自分ができることに取り組み続け、達成したい目標を見失うことなく、その目標に向かってどんなに高い壁でも挑み続けられるように、これからも日々精進していきたいと思います。
GO-BEYONDER No.403
バイアスロン選手
佐々木美紗
2002年2月6日、北海道生まれ。早稲田大学所属。北海道という素晴らしい環境のもと、幼い頃からクロスカントリースキーに親しみ、中学1年生の時にバイアスロン競技と出会った。その魅力と同郷出身の尊敬する先輩と同じ競技をやりたいという思いで競技を始める。2019年から年代別世界選手権に出場し、2020年にはスイスで行われたユースオリンピックに出場した。目標はオリンピックでの入賞。結果を通して、マイナー競技であるバイアスロンの認知度や誰もを惹きつける競技の魅力を日本中に広めていきたい。
Instagram: https://www.instagram.com/misa._026/
受賞歴
・2023年3月 第59回バイアスロン日本選手権大会 7.5kmスプリント 4位
・2023年3月 Youth/Junior World Championships 2023 (Shchuchinsk) 7.5kmスプリント 48位
・2023年1月 World University Games Winter 2023 (Lake Placid) 10kmパシュート 17位
・2022年10月 第34回サマーバイアスロン日本選手権大会 7.5kmスプリント 3位
・2022年2月 Youth/Junior World Championships 2022 (Soldier Hollow, Utah) 7.5kmスプリント 53位
・2021年10月 第33回サマーバイアスロン日本選手権大会 7.5kmスプリント 4位
・2021年2月 Youth/Junior World Championships 2021 (Obertilliach) 3×6kmリレー 15位
・2020年10月 第32回サマーバイアスロン日本選手権大会 12.5km インディビデュアル 7位
・2020年1月 Youth/Junior World Championships 2020 (Lenzerheide) 3×6kmリレー 21位
・2020年1月 The 3rd Winter Youth Olympic Games Lausanne 2020 Mixed Relay 24位
・2019年10月 第3回サマーバイアスロンユース日本選手権大会 6kmスプリント 2位
・2019年1月 Youth/Junior World Championships 2019 (Osrblie) 3×6kmリレー 22位