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GO BEYOND な

渡辺良治(ワタナベリョウジ)

実業団ステアクライマー

自分が魅了された競技、「ステアクライミング」は「stair=階段」「climbing=登り」、文字通り超高層ビルやタワーなどの階段を駆け登るタイムや順位を競う競技です。建築の歴史と共に始まった「階段」という身近な存在を使った競技であり、その歴史は1903年ににエッフェル塔で「何の競技選手が一番強いのか?」を決めるために開催されたことに始まります。世界各地で年間約300の大会が行われ、2022年からは日本で国内シリーズ戦が開催されるなど今注目を集め始めているスポーツです。小さいころから夢を追い続ける生き方に憧れ、大学卒業後の就職活動を目の前にスポーツと共に生きようと心を決めました。様々な競技を経て、2016年に世界戦日本初開催となったあべのハルカスでの大会にて幸運にもこの競技と出会い、「俺、階段に住む!」と決意を固めました(笑) 2017年から本格的に海外遠征を開始。 VWCと、TWAという2つの世界シリーズ戦がありますがどちらにも参戦して多くの海外遠征を繰り返してきました。 VWCでは2017〜19年は年間ランキング3位獲得。2022年に初開催の世界選手権では2位を獲得。 TWAでは2018年初参戦。2018年の世界選手権では4位、年間ランキングは2018年6位 2019年年間ランキング7位。2022年は3位獲得。今後は実業団選手として活動するため、更に海外遠征の機会が増えることになります。 屋内の階段だけでなく、屋外の超ロングの階段レースなど世界各地の階段を使ったレースに参戦したいと思います!

自分の究極の夢は真の「階段王」になることです。 勝負の世界に生きなるなら誰にも負けたくないと強く思います。そのために世界各地で行われる世界戦を転戦することになります。数多くの海外遠征をこなし、二つの世界団体のワールドシリーズでの年間チャンピオンや世界選手権の優勝を獲得したいと強く願っています。 ですが、それだけでは物足りないと感じるようになりました。 これまでの世界各地での大会を通じて感じたことがあります。世界の競技者達を見ると明らかに自分とは違うんです。 何が違うのか? 自分はただ自分が勝ちたい、強さを示したいという思いが余りにも前面にでていて、レース前はピリピリしすぎていました。また、勝負に負ければ激しく落ち込み自己嫌悪に陥っていました。 然るに多くの海外の選手レースの前も後も実に活き活きとしています。 勝者には惜しみない祝福を。勝者ではなくてもすべての選手がお互いの健闘を笑顔で称えあうという、気持ち良い空気を醸し出してくれます。 彼らの追い求めているものはただ勝つことだけではないのです。0.1秒を争う世界の頂点を狙うトッププレイヤーであっても、参加者同士とても楽しそうにして交流を深めていました。そこには単なる勝ち負け以上のものが確実に存在するんです。それを自分も全身で感じたいと強く思いました。

自分はこの競技のワールドシリーズに参加するために世界中を周りたいのですが、そんな活動を通じて世界中の階段を 誰よりも速く 誰よりも自由に 誰よりも楽しく 駆け上がることができるようになりたいです。 いや、もはやそこには「誰よりも」などという他者と比べる概念は存在しないのかもしれません。 この競技に参加することで「ありのままの自分を受け入れられる」至上の幸福を感じる。それこそが「真の階段王」なのではないかと思います。 さらに自分にはもう一つ夢があります。 それはオリンピック憲章にあるように「世界中の人々と友好を深める」というスポーツ本来の役割を発揮し、平和な世界の実現に寄与するということです。 21世紀を迎え20年以上たっても世界には戦火が尽きませんが、スポーツで流す汗や涙がその火を優しく包み込み鎮火してくれると信じています。 国家や民族同士の激しい憎しみや争いを超えて、友好と平和を拡げるスポーツの素晴らしさを伝えられる人物。 それこそが自分の思い描く本当の意味での「真の階段王」です。 そんな、「真の階段王」に…俺はなる!

GO-BEYONDER No.389

実業団ステアクライマー

渡辺良治

1984年生まれ。幼少期は運動嫌いだったが、太った体にコンプレックスを感じ中学時代より卓球を始める。高校3年まで続けるが成績は鳴かず飛ばず。しかしスポーツで味わった充実感を忘れられずに大学卒業後に一念発起してプロボクサーを目指す。4年間の挑戦を経てプロテスト不合格によりその道は途絶えるが、スポーツ(ランニング)は細々と継続していたことにより、自らの「登る力」と「苦しさに耐える力」に気づき、紆余曲折ののち、2016年に階段競技に出会い、没頭していく。
2017年から世界各地を転戦し、世界ランキング3位を獲得。2020年にはコロナ禍により世界戦の場が失われるがギネス世界記録挑戦し、「最も速い1マイル階段垂直登り(男性)」を1時間06分58秒で達成した。2022年にはドバイで開催された世界選手権において銀メダルを獲得。
2023年4月より、階段専門メーカー「横森製作所」の社員となり日本初の実業団ステアクライマーとなり、本格的に世界中を転戦する日々を送ることができるようになる。

 

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受賞歴

 

・2022年11月 ステアクライミング世界選手権出場 2位
・2022年11月 VJCバーティカルランニング・ジャパン・サーキット
(階段垂直マラソン国内シリーズ戦)全3戦優勝で、シリーズチャンピオン獲得
・2020年11月 東京スカイツリーでギネス世界記録「最も速い1マイル階段垂直登り(男性)|Fastest vertical mile (male)」を1時間06分58秒で達成
・2019年VWCバーティカルランニング・ワールド・サーキット 世界ランキング3位獲得(北京、ロンドン、ニューヨーク大会では優勝)
・2019年 6月 VWCニューヨーク大会 1位(世界戦日本人初優勝)
・2018年 VWCバーティカルランニング・ワールド・サーキット 世界ランキング3位獲得
・2017年 VWCバーティカルランニング・ワールド・サーキット 初参戦、世界ランキング3位獲得 

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