私はテレマークスキーという種目の日本代表選手として活動をしています。テレマークスキーは、アルペンスキーと違い、つま先のみが板に固定され、踵は浮いたまま、ポールで規制されたコースを滑ります。 ただ、ポールで規制されている斜面を滑り降りるだけではなく、コース上にあるジャンプ台をできるだけ遠くに飛び、長い坂道を登ることで、タイムを競う種目です。 そのため、テレマークスキーはアルペン、ジャンプ、クロスカントリーの要素がすべて含まれた競技と言えます。 私は元々アルペンスキーをしており、全国でいい成績を残さなかったものの、大好きなスポーツのおかげで、小学生から大学生までアルペンスキーを続けていました。 しかし、大学4年生の時、練習中に大転倒し、左足前十字靭帯損傷した影響で、目標にしていた大会に出場することなく、消化不良のままアルペンスキーを引退しました。 大学卒業後、スキーと無縁の会社に就職しましたが、父親の勧めで、テレマークスキーを始めたことをきっかけに、日々上達する技術に魅了され、練習を積み重ねてきた結果、現在は日本代表として各国の代表選手が出場し、世界一を決めるワールドカップに参戦しています。



GO BEYOND な 人
廣瀬航平(ヒロセコウヘイ)
テレマークスキーヤー
私がテレマークスキーの活動を通じて目指していることは、ワールドカップや世界選手権でメダルを取ることです。 昨シーズンは、スイスのミューレンで行われたワールドカップでは自己最高の8位に入ることができました。世界ランキング28位、アジアランキング1位で、2022-2023のシーズンを終えることが出来ました。 しかし、私自身まだまだこの成績では満足出来ていません。ワールドカップや世界選手権でメダルを取ることで、今まで私を応援してくれた方々やいつもしんどい時に支えてくれた家族に恩返しをしたいと思います。 またテレマークスキーは、日本では知名度が極めて低く、競技人口も少ないのが現状です。 そのため私自身が世界で活躍することにより「日本人選手でも練習すれば、スイス、フランス、ドイツなどの強豪国に決して負けない!」ということを証明することできると考えております。 海外のチームは日本チームと違ってサポート体制がしっかりしており、いつも大会へ参加するたびに、海外で戦うことの難しさを痛感することが多いですが、海外という舞台で恐れずチャレンジすることで自分を育ててくれた大好きなテレマークスキーの普及、そして更なる発展に携わっていきたいと思います。
大学4年生の時にアルペンスキーで怪我をしたことをきっかけに、テレマークスキーと出会い、気が付けば、日本代表として7年目になりました。 始めて出場したノルウェーのワールドカップは、プレッシャーと慣れない環境に適用することが出来ず、全く爪痕を残すことなく、ただ斜面を滑って降りてきただけで、自分の技術の低さと世界の壁の大きさを知った辛い経験でした。 しかしながら、あの辛い経験があったからこそ、練習方法・道具・練習環境など全て見直し、目標を何度もチャレンジすることで、いつしかそれが自信に繋がっており、ある意味いい経験であったと思います。 テレマークスキーはアルペンスキーに比べて転倒が多く、怪我が多い競技です。しかし怪我や失敗に恐れることなく、何度も自分の限界にチャレンジすることこそ、すべての壁を越えるための条件 =「GO BEYOND」だと思うので、今後も諦めず、「がんばれ」と背中を押してくれる方に対する感謝の気持ちを忘れず、必死に頑張っていきたいと思います。 そして近い将来、テレマークスキーがマイナースポーツではなく、誰もが知っているメジャースポーツになり、日本選手が海外の強豪選手と肩を並べて表彰台に立つのが私の最終目標であり、夢です。
GO-BEYONDER No.375

テレマークスキーヤー
廣瀬航平
1992年7月京都市に生まれ。小学校からアルペンスキーを始め、高校生の時は滋賀県代表としてインターハイ及び国体に出場。大学4年生の時に左足前十字靭帯損傷した影響でアルペンスキーを引退。 就職後、父親の勧めでテレマークスキーを始め、2017年、日本代表選手としてワールドカップに初出場を果たした。 2022年のスイス・ミューレンで開催されたワールドカップでは8位。現在はサラリーマンとして仕事をしつつ、テレマークスキー日本代表として、ワールドカップに参戦している。
Instagram:https://www.instagram.com/kohei_tere/
受賞歴
・2022年3月 スイス Murren パラレルスプリント 8位 クラシック 13位 スプリント 12位
・2021年3月 スイス Thyon スプリント 21位 クラシック 18位
・2019年2月 スロベニア Krvavec スプリント 29位 クラシック 26位
・2018年3月 ノルウェー Rjukan パラレルスプリント 32位
・2017年3月 ノルウェー Rjukan スプリント 20位