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GO BEYOND な

長洲百香(ナガスモモカ)

カヌースラローム選手

カヌースラロームカヤックシングルU18日本代表、オリンピック強化指定選手として、世界選手権に出場しています。カヌースラロームは、まだ日本ではマイナーですが、ヨーロッパでは盛んにおこなわれています。 最近ではリオオリンピックメダリストの羽根田卓也選手のおかげで少しずつ知名度があがってきました。 川の200mほどの区間に設けられた20~25個のゲートをくぐり抜けタイムを競う競技で、羽根田選手は正座でボートに乗り片側しか水かきのついていないパドルで漕ぐカナディアンですが、私が乗るカヤックは長座で両方に水かきがついているパドルで漕ぎます。 この競技の話をすると「どうやって出会ったの?」と聞かれることが多いです。私は小学二年生までは競泳の選手をしていましたが、コーチの指導方針と合わず競泳をやめ、他に打ち込める競技を探していたところ地元・千葉県佐倉市には印旛沼がありカヌーが盛んだったのでクラブに入ったのがきっかけです。 元が競泳選手だったこともあり水を掴む感覚は似ていたことと、良いコーチやライバルとの出会いがあり、入会して半年後の全国大会で二位という好発進でここまで楽しくやってこられています。 平日は高校に通いながら、朝や放課後などの空き時間に静水での基礎トレーニング・筋力トレーニング、土日は東京オリンピックのレガシーである、葛西のカヌースラロームセンターに通い、競技力向上に努めています。

カヌースラロームは日本においてマイナー競技であり、本場のヨーロッパでたくさんの試合が行われています。諸外国の選手に比べて私たちは体格が小さく不利だと思われていますが、私たちにしかできない戦い方がまだあると信じています。 そのために今は海外のコースで経験を積み上手な選手の漕ぎを見て、少なくとも2028年ロス五輪には日本のトップ選手として強豪国の選手と渡り合えるようになりたいです。 私がオリンピックを目指して海外で頑張っている姿をジュニア世代に沢山見てもらい、競技人口を増やして日本全体の競技力が向上することが最終的な目標です。 東京五輪開催でカヌースラロームの人工コースが東京都葛西にできました。当初は税金の無駄遣いだとかなり揶揄されましたが、競技人口が増えればこの問題も本当の意味で解決するのではないかと感じています。 ここを拠点としてもっと発展させていくために、私にできることをしっかり考えて行動していきたいです。 地元の水資源の活用という意味でも、地元のカヌースクールにはできる限り参加して、カヌーに興味を持ってくれる子供の発掘や、魅力を伝えていきたいです。

カヌースラロームは激流の中をボートのバランス感覚とパドル操作で漕ぎますから、時には怖い思いをすることもあります。 さらにレースのコースセッティングは直前に知らされ、事前に練習することができません。予測できない強い流れが水面下にあることもありますし、思いもよらない渦にボートが制御しきれないこともあります。 特に海外のコースは水の流れの速さ、パワー、コースなどレベルが違います。 レースで良い結果を出すためには荒れ狂った水の流れを前にして、恐怖心に打ち克ち、自分の感覚を研ぎ澄まし、自分の持っているテクニックを駆使してそのコースを制し、限界を超えていかなければなりません。 競技全体やコース難所の攻め方に対して考え方も正解も人それぞれです。その人の体格によっても違うでしょうし、身近な先輩やコーチの考え方も影響します。 これから世界大会を経験していく中でたくさんの選手とふれあい、違いを受け入れて自分に合ったものを選び取りながら、自分に合ったスタイルを作り出すことが、競技者として課題になるはずです。 応援してくださっているみなさんが「きっとこれくらいやってくれるだろう」と想像する「長洲百香」を常に超えていく、それが私の目指すGO BEYOND.です。

GO-BEYONDER No.365

カヌースラローム選手

長洲百香

2005年、千葉県佐倉市生まれ。佐倉市カヌー協会所属。 2021年よりU18日本代表、JOCオリンピック強化指定選手として世界大会に挑戦している。2022年ジャパンランキング3位。

Instagram:https://www.instagram.com/nagasun.111/

Facebook:https://www.facebook.com/profile.php?id=100083370453414

受賞歴

    • ・2022年 10月 第77回国民体育大会カヌー競技25G 5位、15G 4位
    • ・2022年  9月 vaires slalom race(フランス)34位
    • ・2022年  8月 カヌースラロームジャパンカップ・キョクヨーシリーズ第5戦 優勝
    • ・2022年  7月 ジュニア世界選手権(イタリア)カヤックシングル 40位
    • ・2022年  5月 令和4年度全国ジュニアカヌースラローム岡山大会 優勝
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