私はスポーツクライミングという競技を行っております。スポーツクライミングには、登った高さを競う「リード種目」、登った課題(コース)の数を競う「ボルダリング種目」、壁を登る速さを競う「スピード種目」の3つがあります。 3種目それぞれルールも違えば、選手に求められる資質や技術も様々です。私はこの3種目すべてを取組んでおり、特にスピード種目を得意としております。 私は小学5年生のときにクライミングと出会い、近所にあったクライミングジムに家族と遊びに行ったのがきっかけで始めました。 元々、登ることが好きだった私は、すぐにクライミングの虜になりました。始めはリードとボルダリングの2種目を取り組んでいましたが、中学生になってからスピード種目にも取り組むようになりました。 現在、私は大学2年生で学業とクライミングの両立を目指して頑張っております。 平日は大学終わりや空きコマに3~4時間、土日は8時間程度練習に励んでいます。2021年にスピード種目の日本代表に選ばれ、2022年にはパリオリンピック強化選手にも選ばれることができました。
GO BEYOND な 人
大政涼(オオマサリョウ)
フリークライマー
現在、私の一番大きな目標はパリオリンピックでメダルを獲得することです。 まずは、パリオリンピックの出場権がかかる世界選手権や大陸別選手権に向けて日々練習に励んでいます。現在のスピードクライミングの男子世界記録は5秒00で、世界選手権で勝ち上がるには5秒20を切る選手になる必要があると考えております。 私は今年にスピードクライミングの日本記録を樹立することができましたが、記録は5秒42とまだまだ世界の強豪選手には及びません。 今シーズン参戦した国際大会では、自分に足りていない筋力や技術、戦略などが明確にわかりました。来シーズンまでに、世界のトップ選手と争えるレベルまで進化し、世界で活躍する選手に必ずなります。 そしてスポーツクライミングをさらに盛り上げていき、競技の普及にも繋がれば嬉しいです。スポーツクライミングはまだまだマイナースポーツですが、年齢、性別関係なく誰もが楽しめるスポーツなので、たくさんの人にクライミングを体験してほしいです。
私が「GO BEYOND.=超えていく」と感じたことは、ピークを作らないことです。 アスリートは、よく大会に合わせてコンディションを調整し、大会でベストパフォーマンスが発揮できるよう、そこにピークを持っていきますが、ピークを作るということは、ピーキングに失敗するとベストパフォーマンスが発揮できず、敗北を喫することを意味しています。そこで私は、ピーキングの出来不出来に左右されず、90%くらいのコンディションでもベストパフォーマンスを発揮できるようにすることが重要であり、それが安定した結果に繋がると考えています。今、私がメインで取り組んでいるスピードクライミングは、1/1000秒を争う競技で、デュアルレースのため、対戦相手との駆け引きもあり、メンタル的にも厳しい競技ですが、ピークを作らないことで気持ちに余裕ができ、勝てるレースができると思います。しかし、アスリートである以上、無意識にピーキングを行ってしまうことが多いのですが、自分自身を超えて進化させていく以外にはなく、これが私にとっての「GO BEYOND.=超えていく」だと思っています。
GO-BEYONDER No.351
フリークライマー
大政涼
2002年6月26日、愛媛県出身。 小学5年生からクライミングを始め、現在は大学とクライミングの両立に励んでいる。 中学1年生からは競技大会へ本格的に参戦する。2022年に行われたスピードジャパンカップで優勝し、同年、日本記録を3度樹立する。 現在もスピード日本記録保持者であり、さらなるタイム更新とパリオリンピック出場を目指している
Instagram:https://www.instagram.com/ryo_omasa
受賞歴
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- 2022年8月 スピードクライミング日本記録更新
- 2022年6月 世界大学生選手権 ボルダリング 1位
- 2022年3月 スピードジャパンカップ 1位
- 2018年10月 福井国体 リード 1位