私は、フリースタイル競技のモーグル選手として活動しています。モーグルとは、急なコブ斜面を滑走し、途中2か所に設置されたエア台でエアを飛び、ターン技術・エアの難易度と完成度・スピードの3つの総合点で競う採点競技です。私がモーグルを始めたのは、小学4年生の時です。コブを滑ってエアを飛ぶという、とても自由な競技スタイルに興味を持ったことがきっかけでした。この年に参加したモーグルのイベントで、世界トップの選手の滑りを間近で見て、そのスピード感とエアの迫力にすっかり魅了されてしまいました。当時の私はとても小柄で、コブを滑れば体の半分はコブに隠れ、エアにいたっては飛ぶというよりエア台から落ちるという感じでしたが、何より滑ることがとても楽しく、夢中で練習していたのを覚えています。小学6年生の時から公認大会に出場し、本格的に競技に取り組み始め、中学3年生のシーズンには、ジュニアオリンピックカップ中学の部で優勝、全日本選手権大会初出場という良い結果を残すことができました。しかし、世界を目指すには技術面・メンタル面ともにまだまだ未熟であるのが現状です。更なるレベルアップを目指し、日々トレーニングに励んでいます。
GO BEYOND な 人
中村拓斗(ナカムラタクト)
モーグルスキーヤー
私がモーグル競技で目標としているのは、2030年に開催されるオリンピックに出場し、メダルを獲得することです。今の私には、本当に大きな目標です。そこへたどり着く為に今何が必要なのかを考えた時に、活動の場を海外へ広げていく事が重要だと感じました。まだ海外で通用するレベルにはほど遠いかもしれません。しかし、たとえ今結果を残すことができなくても、この挑戦が必ず次へ繋がると信じています。海外へ出ることで、今の自分に何が必要で何が足りないのかがより明確になり、きっともっと成長できるはずです。自分の成長の為に、絶対に必要なチャレンジだと思っています。海外遠征では、どのようなコース状況でも臨機応変に対応できる力を身につけ、海外選手と戦うことで、スキー技術はもちろん競技へ取り組む姿勢やメンタルの強さなど、多くのことを吸収し、確実にレベルアップしてきたいです。海外での経験は、競技以外の面でもプラスになると思います。異なる文化や考え方に触れることは、自分の中にある固定観念を見直す絶好のチャンスだと思っています。目標までの時間は限られています。この数年間の間にやれることをやりきり、精一杯努力し挑戦し続け、オリンピックへの道を切り開いていきたいです。
私にとってのGO-BEYONDとは、自分自身を信じて挑戦し続けることです。限界だと思ってしまう自分、周りと比べて落ち込んでしまう自分、無理だと諦めてしまう自分。私には、そんな弱気な自分を超えていかなければ、絶対にたどり着くことのできない大きな目標があります。モーグルは、ターン・エア・スピードの全てがそろわなければ、高得点には結びつきません。それは常に進化していて、その進化にいかに対応して自分のレベルを上げていけるかが、世界で戦うための必須条件です。自分で限界を決めていては、決してたどり着けません。努力は裏切らないと信じています。努力を続ける限り、きっと限界はないはずです。今までも、地道な努力を続け、一歩ずつ前へ進んできました。迷いそうな時は、モーグルを始めた時のワクワクした楽しい気持ちを思い出し、それまでに積み重ねてきた自分の努力を信じて、一つずつ壁を乗り越えていきたいです。そして、自分の思い描く最高の滑りを追求し、必ずチャンスをつかみ取りたいと思います。
GO-BEYONDER No.349
モーグルスキーヤー
中村拓斗
2006年12月25日、北海道生まれ。 小学4年生からモーグルを始め、6年生から公認大会に出場、本格的に競技活動を始める。中学3年生の時に、JOCジュニアオリンピックカップ中学生の部優勝、全日本選手権大会初出場。2022-2023シーズンに海外大会へ初参戦。オリンピック出場を目標とし、世界で活躍するトップ選手を目指して、挑戦中。
受賞歴
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- 2023年1月 US selection MO9位
- 2023年1月 US selection DM18位
- 2022年12月 Canada selection3位
- 2022年12月 Canada selection4位
- 2022年3月 JOCジュニアオリンピックカップ中学の部優勝
- 2021年3月 JOCジュニアオリンピックカップ中学の部3位