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青木大和(アオキヤマト)
パラリンピックアルペンスキーヤー
私は、2022年、2026年、2030年の冬季パラリンピックにおいて金メダルの獲得を目指し、プロスキーヤーとしてスキーに励んでいます。
3歳から始めたスキーは、自分の生活にとって欠かせないものとなりました。中学・高校とスキー部での活動ができる学校を選択し、練習を続けてきました。17歳でアルペンスキーは引退し、大学入学後は自身で事業を興し、会社経営の道を歩んできました。創業した会社は順調に成長し、今もなお会社経営を継続しております。
時を遡ること4年前、2016年の1月に不慮の事故に遭いました。結果として、脊髄を損傷し、一時は、下半身不随となり、寝たきりの生活が数ヶ月続きました。ドクターからはもう一生歩くことができないと宣告を受け、目の前が真っ暗になったことを今もなお覚えています。
しかし何とか歩けるようになりたいという一心でドクターを探す中でプロフェッショナル仕事の流儀に特集された酒向正春先生と出会うことができました。彼と半年近いリハビリを行う中で奇跡の回復を遂げ、両足に大きく麻痺が残ったものの歩ける状態にまで復活しました。そこから2年のリハビリをさらに行い、日常生活に戻ることができた中で今一度、一度は諦めたアルペンスキーで世界を目指したい。そんな想いを持つようになりました。一昨年からアスリートとして世界で勝負ができる体づくりをはじめ、先シーズンから雪上でのトレーニングも開始しました。そして2019年、お陰様で日本代表の強化指定選手にも選出いただきました。ここから2022年北京、2026年イタリアと金メダルを目指し、精進してまいります。
私は、何度でも挑戦できる世の中をつくりたいと思っています。多くの人が生きて行く中でうまくいかないことや失敗など様々なハードルにぶつかっていると思います。私自身が、障害を負い、足が麻痺しても世界に挑み続ける姿勢を見せ、メッセージを伝えていきたいと考えています。
また会社経営をしながらパラリンピックでのメダル獲得への挑戦です。正直、簡単なことでは一切ないことを理解しています。それでも26歳でまだ這いつくばって挑戦して行く。死に物狂いで勝ちに行く。多くの人にとって難しいと思われる二刀流に挑戦する。自分自身がこの背中を通して、何歳になっても夢は追うことができ、挑戦することができる。そんな社会の空気をつくっていきます。
そして、麻痺を負い1年近く、入院する中で多くの同世代や年下の子達に出会いました。何かのハンディキャップを抱えてしまうことでどうしても一歩踏み出すことが億劫になったりと、多くの不安感を抱いて生きていることと対面しました。いつの日か彼らをサポートする仕組みを作り、若くしてハンディをおった若者が新しい生きる道を見つけて挑戦して行く。そんなサポートをしていきたいと思っています。そして誰しもが夢に向かって挑戦できる世の中にしたいと思っています。
実は、GO BEYODERを知る前に株式会社ビジョン様を一方的に認識させていただいておりました。社是の夢人は、私が会社を創業する際に感銘を受けた1つの思いであります。この言葉を知ってから夢を口に出し、必ず形にする、そんな一心で会社経営をしてきました。
そのような経緯からパラリンピアンとなることになり、インターネットを調べているとGO BEYODERのことを知ることになりました。志を持ち、軽々と壁を越えていく人だけが、未来を晴らすことができる。この言葉を見たときにまさに自分が多くの人に背中を見せて届けたい思いと重なる部分を感じました。
会社経営とパラリンピック、これから進んで行く中でさらに大きな壁がたくさん訪れてくると思っています。それでもそれらを越え、新しい景色を見たい。そしてそれを見せ、伝えたい。世界一を目指す道を共に描いて行きます。