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私が生まれた北海道上川町は、雪山で遊ぶのが当たり前でウインタースポーツが盛んな地域でした。ジャンプを始めたきっかけは父が地元少年団でジャンプを教えており、兄や友達もそこで習っていたので、私も加わることになりました。8歳の頃です。
女子スキージャンプの歴史はまだまだ浅く、ワールドカップは男子が1979年から行われているのに対し、女子が行われたのは2011年からです。私は、15歳だった最初のシーズンから参戦をしています。
スキージャンプというと冬だけ活動をしていると思われることが多いですが、実は夏にも試合がありヨーロッパを中心に転戦しています。冬のワールドカップは日本でも開催されていますが、本場はヨーロッパであることから一度遠征に出ると約2カ月間帰国せず練習や大会に励んでいます。
私はスキージャンプに出会い、今まで出会った方々からいろいろなことを学ばせていただき世界が広がりました。女子スキージャンプの歴史はまだ浅いですが、先輩方が築いてくださった環境があったから今があり、私もこれから活躍する後輩たちに輝く舞台を与えられる選手になりたいと思っています。
ベストを尽くすために、自分の理想のジャンプを探している中で、いい結果を残せるときもあればもちろんそうではないこともあります。どんなに苦しくても、目の前のことを繋げていくことで、小さな目標から大きな夢へと繋がっていくと思います。
見てくれている多くの人の心を動かし、勇気を与えられるような選手になりたいです。
「国境を、制約を、これまでの常識を越えていく」。GO BEYONDERのこの理念に共感しました。
スポーツに国境はありませんし、世界各地で大会が行われます。私も日本にとらわれることなく、世界各地を回って腕を磨き、転戦しています。世界一になるために、自分が理想とするジャンプができるようになるために、日々試行錯誤を繰り返しトレーニングに励んでいます。
これまでの常識にとらわれず、柔軟な発想で新しいことも恐れずに取り入れていく。そうやって誰にもまねできない「自分のジャンプ」を作り上げていくことが目標です。私も「GO BEYONDER」の1人として、これからも限界を越えていきます。
GO-BEYONDER No.250
スキージャンパー
髙梨沙羅
1996年10月8日、北海道生まれ。ウインタースポーツが盛んな上川町で育ち、8歳の頃からスキージャンプを始める。15歳から日本代表選手としてFISワールドカップに出場し、国際スキー連盟公認大会での女子選手史上最年少優勝を果たす。FISワールドカップで男女通じて歴代最多の63勝、113回目の表彰台、また女子歴代最多のシーズン個人総合優勝4回という記録保持者である。2017年には、スキー界で最も権威ある賞の一つであるホルメンコーレン・メダルを受賞。誰にもまねできない「自分のジャンプ」を作り上げていくことを目標とし、挑戦し続けている。
Instagram:https://www.instagram.com/sara.takanashi/
HP:http://www.saratakanashi.com/
受賞歴
- 2022年
- 3月
- ・FISワールドカップ 男女歴代最多優勝記録 63勝
- ・FISワールドカップ 男女歴代最多表彰台記録 113回
- 2月
- ・北京オリンピック 個人NH/混合団体 4位
- 2019年
- 2018年
- 2017年
- 3月 FISワールドカップ 個人総合優勝 (女子歴代最多個人総合優勝 4回目)