236
私は、Red Bull アイスクロスというアイススケートを使い氷上の坂道を滑るレースに参戦しています。街中やスキー場などに設置された全長約300～600メートル、高低差約50メートルの氷の特設コースを4人の選手が一斉に滑り降り順位を決めるレースです。
アイスホッケー、ショートトラック、ダウンヒルスキー、スノーボードクロス、スケートパークなど多くの要素を取り入れたスポーツで、選手たちはコースの途中に設置されたジャンプ、ヘアピンカーブ、バンクコーナー、ウェーブ、段差などの障害物をかわしつつ猛スピードでコースを駆け抜けます。
主な大会は世界各地で開催されており、世界ランキング上位の選手などに出場資格が与えられるATSX1000 Red Bull Ice Crossと、誰でもエントリー出来るATSX100・250・500があります。世界チャンピオンは、それぞれの大会で獲得したポイントの年間ランキングによって決まります。
私は2006年から2018年までプロアイスホッケー選手として国内外で活動していました。2018年に世界有数のウィンタースポーツ・イベントであるRed Bull Crashed Iceが日本で初開催されるということで、Red Bull アイスクロスに競技転向し、国内予選を通過して横浜大会に出場しました。
その後、2018年～2019年にRed Bull Crashed Iceの世界選手権を転戦。これからもRed Bull アイスクロスの世界で選手として活動し、競技普及に尽力します。
私はアスリートとして「優勝」「世界一」を目指しています。また、次世代の子供達へ世界で戦うチャレンジの場所を作る。それが私の目標です。世界と戦える場所、Red Bull アイスクロスを日本でもっと広げたい。
2018年はルーキーシーズンで、練習期間は2ヶ月で全く分からないまま大会に参加して、経験を積み徐々に慣れていく感じでした。スケートを滑るのはアイスホッケーを30年間してきたので全く問題なかったのですが、スケートパークの要素のある凹凸やジャンプなどのセクションが多いコースでは全く上手く行かず、悔しい思いをしました。
2019年はオフシーズンからスキルアップのトレーニングを行いました。2018-2019年のシーズンでは、日本・ロシアで開催されるATSX1000 Red Bull Ice Crossに参戦。今後はATSX100・250・500・1000の世界選手権に出場し、初優勝するためにトレーニングの強化を行い、確実に世界一を狙っていきます。
スケートを使った新しいスポーツを広げるために、競技の普及にも努めています。
世界各国のRed Bull アイスクロスに取り組んでいる選手たちは、とてもフレンドリーで国境を超えたファミリーのような絆が存在し、国籍が違う選手が宿をシェアしてくれたり、一緒にレンタカーを使って移動したり、競技を通じて世界中に友達や仲間ができます。
競技を通じて世界中に仲間ができるということは、スポーツの素晴らしいところです。一つの種目と、二つの種目では知り合える人の数も違います。
私は、新しいコミュニティーで新しい出会いがあることやスポーツを通じて出来た仲間は、お金では買えない、かけがえのない財産だと考えます。
私は2歳でスケート靴を履き、4歳からアイスホッケーを始め、小さいころから幸いなことに海外遠征へ行く機会が多くありました。しかし、海外へ渡ると日本の言葉・文化・環境とは全く異なり、競技を続けていく上で大変なことも多くあります。海外遠征の度に、その中での大変だった経験は必ず自分の力になっていると学び、確信しました。
何もかも、自ら行動しなければ道は切り開けません。人は、大変な環境でこそ成長するものです。30歳を超えてからの新しいスポーツへの挑戦は、とてもエキサイティングに感じます。私は何もかも準備されていた環境から、自分で切り拓いていく環境へ変化しました。
これからも自分の力を信じて、アスリートとして優勝を目指すだけではなく、次世代の子供達にスポーツを通じて色んなことを学ぶ場所を提供して行くためにも、競技普及に邁進してまいります。Red Bull アイスクロスをより世の中に広げていくために挑戦し続けます。
受賞歴
- 2018-2019年
- Redbull Ice Cross Championshi 48位(日本１位)
- 2018年
- Redbull Ice Cross Championship ATSX250 オーストリア4位
