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宇田彬人(ウダアキヒト)
クロスカントリースキーヤ―
私は、クロスカントリースキーをしています。この競技をしていた父親、そして二人の兄の影響で物心がついたころにはクロスカントリースキーを始めていました。年齢の離れた兄たちの練習に付いていき、私はコースのわきでただ遊んでいた記憶があります。
小学生の頃は、父親に無理やり練習に連れていかれていると感じ、きつい練習が嫌で嫌で仕方がありませんでした。
中学1年生で、初めて出場した全国中学校スキー大会(以下、全中)。全く歯が立たずとても悔しい思いをしました。これを機に、上位の成績を目指して自主練習をするようになりました。そして、むかえた2年生の全中では、準備していたスキー板を他県の選手が間違えて持って行ってしまい、スタートできないという悔しさも味わいました。中学3年生の全中では優勝することができ、そこからクロスカントリースキーの世界にどんどんのめり込んでいきました。
今では、大自然の中をスキーで滑っていく解放感が大好きでクロスカントリースキーに夢中になっています。
私の目標は、オリンピックでメダルを取ることです。
日本は、オリンピックのクロスカントリースキー競技でメダルを取ったことはありません。日本人選手と海外選手とでは大きな実力差があると感じます。
私が、初めて海外のレースに出たのは、高校3年生の時に出場した世界ジュニア選手権でした。私にとって、初めての海外渡航でもあり、クロスカントリースキーの人気と環境の違いにすごく驚きました。その時の成績は13位で、自分が想像しているよりも世界と戦えたことに満足していました。
それから毎年、世界ジュニア選手権やU-23世界選手権に出場しています。しかし、年々順位が落ち、海外選手たちとの差が開いていきました。現在では、全く歯が立たちません。
今のままではオリンピックでのメダルを取ることは厳しい目標です。競技力を向上して差を縮めていかなければなりません。
競技力を向上させるには、ただ練習を頑張るだけでなく、様々な経験をしていく必要があると感じます。その経験を通して、自分の知識を広めていくことで競技力を向上させたいと考えています。そこで、強い選手たちがいる海外での練習することを決めました。
海外での活動を通して、世界との差を縮めてオリンピックでのメダルを目指します。
私が今まで海外生活をしていた中で、さまざまな壁と出会いました。言語の違い、文化、生活の違いなどです。日本で生活している中でそれらの壁に出会うことはあまりありません。 そのため、壁に出会ったばかりはどうしていいのか対応できず、あえて壁のないところに避けていました。しかし、いつまでも避けているだけでは自分自身を成長させることはできません。
それらの壁は自分の経験になります。その壁を認知して理解し、その壁の乗り越えていったときに自分の糧になり、自身が成長していると実感することができます。
初めて海外に行った時は、新しい環境に戸惑い、どのように生活すればいいのか分かりませんでした。コーチの引率がなければ生活ができなかったでしょう。 しかし、今では海外の生活環境にも慣れ、自力で生活していくことができます。こうしたところに余裕があるのとないのでは、海外の競技に挑むうえでも大きく影響すると感じます。
自身の競技の上では、海外選手との圧倒的な差という大きな壁が立ちはだかっています。 とてもとても大きな壁ですが、海外での練習を通して途中にある小さな壁を一つ一つ超えていき、最終的には海外選手との差をなくし、超えていきたいと思っています。そして、その先のオリンピックでのメダルという大きな目標に向かって、立ちはだかる壁を超えていきたいです。
受賞歴
- 2019年
- 3月 冬季ユニバーシアード 出場
- 2月 全日本スキー選手権大会 6位
- 2018年
- 2017年
- 3月 全日本学生スキー選手権大会 優勝
- 3月 全日本スキー選手権大会 優勝