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私は兄の影響で5歳の時にスノーボードと出会いました。 始めた当初はハーフパイプ以外にも様々な種目に挑戦しましたが、その中でハーフパイプが一番下手でした。 ハーフパイプは技をかけるためには、まず空中に飛び出なければなりません。しかし、すぐには出来ることでなく、空中に飛び出せるようになるまでには練習を積んでいく必要があります。 始めた当初、一番嫌いだったハーフパイプでしたが、負けず嫌いだったこともあり、悔しくて練習しているうちに熱中し、難しかった分少しずつ出来ることが増えていくことがすごく嬉しくて、しだいに大好きになっていました。 それ以来、スノーボード中心の生活が始まりました。
そして、9歳の時にバンクーバー五輪でアメリカのショーンホワイト選手が世界初の大技を決め優勝したのを見て五輪への憧れを抱き始めました。 五輪を目指し練習する中で大きな怪我も経験し、苦しんだ時期もありましたが、昨年World rookie tour finals 2018という18歳以下の世界大会で優勝し、世界の舞台に近づくことができました。 現在は、2022年の北京五輪、さらには2026年の五輪を目指して国内外へ遠征や転戦をしています。
私が目指しているのは、日本人女子ハーフパイプ初の五輪でのメダル獲得です。日本のハーフパイプ界は、男子は二大会連続のメダル獲得という輝かしい戦績があるのですが、女子は未だにメダル獲得がありません。
私は9歳の時に五輪という夢を抱くきっかけとなった、あの選手のように、今度は私がなりたいと思います。また、私はメダル獲得後、積極的にメディアに出ていき、スノーボードの認知度を上げることも目指しています。
現在スノーボードは一般の方からの認知度が低く競技人口もあまり多くありません。しかし認知度を上げることができれば、夢に向かう競技者と、それを応援し支えてくれる人(ファン)が増え、スノーボード競技の活性化、次世代の選手が練習しやすい環境を作ることができると思います。
私には、越えていかなければならない2つの壁があります。
1つ目は、全日本選手権で五輪への切符を勝ち取ることです。
昨年、18歳以下の世界大会では優勝しましたが、世界のトップ選手や日本代表選手との差は大きいと感じています。今年の全日本選手権(年齢区分なし)では、決勝戦まで勝ち進めたものの、最終結果は8位と、日本代表として五輪で戦ってきた選手達との差を痛感しました。
技の難易度はもちろんのこと、大事な大会、大事な一本で決めきれる強さ、不測の事態に備えた予備の技の多さ、全てにおいて負けている。世界どころか国内ですらまだ手が届かないと思い知らされました。しかし、今回の全日本選手権で私は、日本の中での自分の立ち位置をはっきりと自覚し、勝っていくために技術面以外に必要になってくることを知ることができました。勝つための方法を肌で感じることができました。
そのことを糧に、私は日本代表として五輪への切符を手にするための全日本選手権という壁を超えていきたいと思います。
そして、その後に現れる、2つ目の壁が世界との壁です。
現在、ハーフパイプ女子のトップはアメリカの選手が占めています。
アメリカは日本と比べて標高が高く、気温が低いです。そのため、シーズンといわれる雪山で練習できる期間が長く、積雪量が多いため、大きなハーフパイプも常備されています。日本人選手の多くは、この整った環境を求めて、アメリカへ遠征に行き練習しています。
しかし、このままでは、アメリカの選手に追いつき、超えていくことはできないと感じています。その解決策として、私は大学でスポーツ科学を専攻します。運動力学、特にバイオテクノロジーについて学ぶことで、雪上での練習時間が劣る日本人選手が世界のトップの選手を超えていく方法があると考えているからです。
スノーボード特有の動きを理解することでより良いフォームを身に着ける、科学的な陸上トレーニングで競技に必要な筋力を付けることができると思います。
受賞歴
- 2019年
- 3月 PSAasia pro tour Takasu superpipe session 優勝
- 2月 JOC junior olympic cup 全国ジュニアスノーボード競技会 3位
- 2月 全日本選手権 8位
- 2018年
- 4月 world rookie tour finals halfpipe rookie girls 優勝
- 2016年
- 2月 PSAasia pro tour in Nango 3位(14歳でプロ昇格)