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私は、フリースタイルモーグルの選手として活動しています。
2歳の時にスキーを経験し、5歳の時にモーグルの競技に出会い、競技の楽しさに魅了されて現在に至ります。モーグル競技は、スキー競技のひとつで、ターン、エア、スピードで争う採点競技です。
この競技をはじめたきっかけは、家族でした。スキー好きの両親をみて、8歳と6歳離れている姉たちが始めたのもあり、私も幼い頃から姉たちに追いつこうと自然に始めていました。初めてモーグルを滑ったときは、とても楽しく、整地では味わえない、恐怖と緊張と楽しさを感じたのを覚えています。スキーの大会に出たのは5歳のころでした。周りの大人の方はとても上手で、もっともっと上手に滑りたい、試合で勝ちたい、と初めて感じました。小学校1年生のころから全日本の公認大会に出させてもらいました。始めは、最下位だったのですが、小学校3年生あたりから上位にいけるようになり、ますます競技が楽しかったのを覚えています。
中学2年生のときに右足の、高校3年生のときに左足の前十字靭帯を断裂し、23歳のときは、腰のヘルニアで1年間試合に出られなかったときもありました。けれど、絶対にオリンピックでメダルを取りたい、世界で一番になりたい、家族、会社、友達、周りのおせわになっている人たちに恩返しをしたいという気持ちがあったので、今も競技に取り組むことができています。怪我をたくさんして、少し遠回りの競技人生ですが、怪我を通して、たくさんの方との出会いがありました。また、改めて、多くの人に支えられていると実感できました。
現在は、愛知県の豊田鉄工というところに所属し、2022年の北京オリンピックで金メダルを取るのを目標に取り組んでいます。夏は、雪のあるオーストラリアへ海外遠征、10月、11月もヨーロッパ遠征などを行い、海外に行く機会がとても多い競技です。
モーグル競技は、ワールドカップや多くの試合は海外で開催されます。日本で雪が降らないシーズンですと、オーストラリアや、スイス、オーストリアなどで練習をします。初めて海外で試合をしたとき、海外の選手の本番の強さ、集中力に驚きました。この人たちに勝って世界一になりたい、と思いました。海外では、日本では味わえない雪で練習することができ、モーグル競技にとって海外へチャレンジすることは、必須だと感じています。
海外で、寒い環境で練習することで、オリンピックやワールドカップのコースの状態の疑似練習ができます。また、海外で練習すると、必然的に海外の選手とコミュニケーションをとり、英語の勉強にもなります。また、海外の選手は、学ぶことのできない知識や考え方、ものの見方を持っていると思います。練習はもちろんですが、海外へ行った際は、多くの選手とコミュニケーションをとり、自分の視野を広げることも積極的にしていきたいです。そして、海外の選手の強みを取り入れて、一番になるにはどうしていくのがいいか考えて、取り組んでいきたいです。
私は、練習での日々を大切にして、昨日の自分より、いい滑り、いい取り組み方を、毎日し続けることが、GO BEYOND.と思っています。選手生命は短いので、一日一日を大切に、毎日の取り組み方を考えて、世界で勝てるように、小さなことを積み重ねることが大切だと思っています。また、自分に限界を作らないことも大切と感じます。自分は可能性がある、絶対に勝てると、本当に心の底から思いながら日々を取り組むことで、必ずいい結果がついてくると信じています。
そして、新しいジャンプや、新しい技術に取り組んでいきます。必ず恐怖心が出てくると思うのですが、自分の決めた目標、自分を信じきっていることで、それを乗り越えられると信じています。北京オリンピックまで残り3年。平昌オリンピックで出場を逃した悔しさを絶対に忘れないようにして、日々の練習で、昨日の自分より、少しでもよくなるように、日々、取り組んでいこうと思っています。たとえ、途中で挫折したりしそうになっても絶対にあきらめなく、しぶとく、貪欲に、北京で笑えるように、恐怖や悔しさを超えていきます。
受賞歴
- 2019年
- 2018年
- 2016年
- 2015年
- 3月 全日本選手権デュアルモーグル 優勝
- 3月 ワールドカップ田沢湖大会 デュアルモーグル2位
- 1月 ワールドカップ ディアバレー 7位