


GO BEYOND な 人
古川海夕(フルカワミユウ)
プロサーファー
"夢はワールドチャンピオン
全てのスキルを身につけて世界のTOPサーファーになる"
私は、2017年JPSA (日本プロサーフィン連盟) プロトライアルに合格し、2018年からプロサーファーとして活動を開始しました。現在はワールドチャンピオンになることを目指し世界中の試合を転戦しています。
サーフィンというとオリンピックの種目となった事で、いままでサーフィンってスポーツ?と思っていた方や、サーフィン自体どんなスポーツなのかを知らなかった方が、メディアを通じて競技スポーツであることが、すこしずつ認知されてきていると感じています。
私がサーフィンを初めて体験したのは、たしか5~6歳くらいの時でした。オーストラリアのカランビン・アーリーというポイントで、サーフボードに寝そべった状態で無理やり波に乗せられ、怖かったという印象しかありませんでした。千葉の東浪見海岸のすぐそばに住んでいたので海は近かったのですが、初めて経験したときの怖かった印象が強く、何年かはスケートボードにどっぷりはまっていました。特にランページを滑るのが好きで、自宅の庭にランページを作ってもらい、毎日のようにセッションしていました。ですが、父や一緒にスケボーで遊んでくれる大人達が皆サーファーだったという環境もあり、小学校5年生くらいからまたサーフィンを始めるようになりました。それからはサーフィンの楽しさや波に乗る気持ちよさを知ってしまい、小学校に行く前の朝一サーフィンと学校から帰ったあとの放課後サーフィンを毎日毎日繰り返しています。それは高校生になった今も日本にいるときは継続中です。
12歳の時に四国の生見海岸で開催されたNSA (日本サーフィン連盟) が主催する全日本サーフィン選手権に千葉東支部のキッズ代表で出場することが出来ました。地元から出てサーフィンする事が無かったので、他の県には同世代でこんなに上手な選手達がいるんだなと思い衝撃的だったのを覚えています。今でこそ僕の住む千葉県一宮町は子供のサーファーが沢山いますが、僕が小学生だったときは数人しかいなかったので、同世代のレベルがわかりませんでした。それからは練習に練習を重ね全日本選手権でレベルの差に衝撃を受けた選手達とも互角に戦えるようになり、NSAの試合でも徐々に結果が出せるようになってきました。そして2017年にJPSAプロトライアルに合格することが出来ました。
必要なのは、いかにタフなコンディションでもブレない自分のサーフィンガ出来るスキル
夢はワールドチャンピオンです。ワールドチャンピオンとはCT (チャンピオン一シップツアー) で年間ランキング1位をとることです。その為にはまず年間のQS (クオリファイシリーズ) インターナショナルランキングを10番以内でフィニッシュしなければなりません。これはかなり高い目標設定です。
QSは試合ごとにQS10000,QS6000,QS3000,QS1500,QS1000とグレードがあります。これはランキングによって出場できる試合とできない試合があります。試合は1年間を前半と後半に分けて、前半の試合は前年度のランキング順にシードを組み、後半は前半のランキング順にシードを組みます。そして出場した試合で獲得した大きいポイント5試合分の合計数でQS (クオリファイシリーズ) インターナショナルランキングが決定します。
2018年はオーストラリアで3戦、アメリカで2戦、日本で2戦出場しQSインターナショナルランキング282番でした。2019年は150番以内を目指しています。そして2020年は100番以内。そして2021年は10番以内。世界で戦い良い結果を求めるならば、世界に出て経験を積むことが一番重要だと思っています。
初めて行った国でいかなるタフなコンディションでもブレない自分のサーフィンが出来るスキルを身につける。世界のTOPのサーファーはこれが出来るのです。だからTOPで居続けられるのです。言葉の問題、食事の問題、文化の問題など、海外の試合を回っていると色々な壁やトラブルにぶつかります。それはサーフィンと関係ない所で起きたりもします。そういった場面での対処法や心の落ち着かせ方などメンタル的なところも鍛えていかなければなりません。そういった事からサーフィンのスキルと同時に人間的なスキルも備わっていないとTOPの選手にはなれないと思っています。サーフィンのレベルアップと共にそういったスキルも身に着ける為、海外へチャレンジし続けたいと思っています。
経験を積むことで、自信を確信に変える
2018年8月にアメリカのバージニアで行われたQS3000 VANS PROでの出来事です。2017年のQSランキングが960番だった為、この3000グレードの試合に出場できるかわかりませんでしたが、試合の数日前に出場できることになり、急いでアメリカへ出発しました。この試合のエントリー者一覧には世界のTOP選手の名前もありましたので、勝ち上がっていけば対戦できるし、あわよくば勝てればすごい経験になると思いわくわくしていました。
日本で行われるサーフィンの試合と比べるとこのバージニアの試合は会場の規模もギャラリーの数も桁違いにスケールが大きく、なんか自分が一流の選手になったかのように錯覚してしまうような大会でした。
試合はラウンド4で負けてしまいましたが、この試合でイベントハイエスト・シングルスコアを出せたのです。世界のTOP選手もいる中で一番点数が高かったライディングが自分のライディングだったのです。
この経験はうれしいというより、自分のライディングに自信が持てるようになりました。そして世界でも戦えるという自信がつきました。今年は自信を確信に変えられるよう世界にチャレンジし戦っていきたいと思います。
GO-BEYONDER No.193

プロサーファー
古川海夕
2001年1月9日、千葉県生まれ。12歳の時にNSA (日本サーフィン連盟) が主催する全日本サーフィン選手権に千葉支部の代表で出場。以降、数々の大会で好成績を残す。2017年JPSA (日本プロサーフィン連盟) のプロトライアルに合格し、2018年からプロサーファーとして活動を開始。以降も世界大会に出場し、世界TOPサーファーになるため転戦を続けている。
Instagram:https://www.instagram.com/miyu_furukawa/