私は主に500mと1000mの短距離種目を専門としたスピードスケートという種目に取り組んでいます。
スピードスケートは、時速60キロ以上のトップスピードで氷上を駆け抜けることから氷上のF1と言われるほどで、素早い加速と力強いトップスピード、ハイスピードでのカーブワークとペースワーク、ダイナミックなスケーティングが魅力の競技です。
特に短距離種目では1000分の1秒で勝敗を決するスピード感にも注目してほしいです。
GO BEYOND な 人
スピードスケーター
私は主に500mと1000mの短距離種目を専門としたスピードスケートという種目に取り組んでいます。
スピードスケートは、時速60キロ以上のトップスピードで氷上を駆け抜けることから氷上のF1と言われるほどで、素早い加速と力強いトップスピード、ハイスピードでのカーブワークとペースワーク、ダイナミックなスケーティングが魅力の競技です。
特に短距離種目では1000分の1秒で勝敗を決するスピード感にも注目してほしいです。
スピードスケートが盛んな地域、北海道の帯広市で生まれ、両親の影響もあり、幼い頃から毎日スケートを滑っていました。当時は室内のリンクがなかったので、氷点下の中で毎日泣きながら練習していたのを覚えています。
分岐点となったのは9歳の頃テレビで見た長野五輪です。初めて見る日本代表選手や海外の代表選手のダイナミックなスケーティングに目を奪われました。その中でも特に清水宏保さんの滑りに目を奪われました。清水さんは長野五輪金メダリストであり同じ帯広市出身の先輩でもあります。小さな体で一回りも体の大きな外国人選手に勝つ姿はとても感動的でした。
それからは偉大な先輩に憧れていつか自分も世界の舞台で活躍したいと思うようになりなり、スケートに夢中になり必死に背中を追いたいと現在も日々取り組んでいます。
今私は世界一速いスピードスケーターになりたいです。スピードスケートはゴールタイムを争う競技です。シンプルに誰よりも速く滑りたいです。世界記録や日本記録、国内最高記録など一番速く滑った人に与えられるタイトルにチャレンジしていきたいと思います。
初めて海外遠征を経験したのは中学3年生の時で、カナダのカルガリーにある高速リンクでした。世界には高速リンクと呼ばれるリンクが2つあり、ほとんどの世界記録やナショナルレコードはこの2つのリンクで出されています。私の現在の自己ベストタイムも高速リンクで出したものです。
当時の私は初めての海外遠征を経験して、世界にはこんなにも速い選手がたくさんいるのか、こんなにも滑るリンクがあるのか「世界ってすげー!!」と衝撃を受けました。そしてもっと速く滑れるようになりたいと思うようになり、一段とスケートにのめり込んでいきました。
スピードスケートはとてもマイナー競技で国内の大会が少なく海外遠征がとても多いです。国内での選考会は年2回で、残りのほとんどはW杯で海外を転戦しています。主にヨーロッパや北米に行くことが多いです。その中でも特にオランダは毎年のように訪れます。オランダは2014年のソチ五輪で23個もメダルを獲得したスケート大国です。
オランダのスケート人気はものすごく、サッカーの次に人気なスポーツと言われていて、人口の半分の約800万人が日常的にスケートを楽しんでいるそうです。オランダでのレースはいつも満員で時には1万人以上のお客さんがスケートリンクに観戦にきます。いつかは日本でも満員の会場でレースができたらいいなと思っています。
そのためにも個人のレベルをあげていきスピードスケートを盛り上げていけるよう挑戦していきたいです。
私が競技をする中で、心がけていることは、とにかくスケートを楽しむということです。
代表争いをするようになり、とにかく相手に勝つ!勝ちたい!優勝する!といったことばかりを意識してトレーニングやレースに挑んでいました。結果が全てなので勝たないと意味がないというのは承知しています。もちろん勝ちたいと思うことや勝負に勝つことはとても大切ですが、勝つことのみを目的にしてはいけないと感じました。勝つことにとらわれすぎて自分のやりたいことができないのはとても勿体ないことです。良い時も悪い時も、まずはスケートを楽しむということを大切にして、ワクワクしながらトレーニングやレースに挑むようにしています。
先日最大に楽しんで自分を超えられたと感じたレースがありました。W杯で平昌五輪チャンピオンと最終組での同走をしたレースです。W杯の最終組で五輪チャンピオンと滑る最高の組み合わせに、とてもワクワクしていました。結果は自分の持っている最高のパフォーマンスができて同走者にも勝ち2位でした。
今までなら勝ちたいという気持ちと緊張で空回りしてしまい良いパフォーマンスができなかったと思いますが、自分の成長を感じた瞬間でした。
これはスポーツだけでなく全てのことにも通じていることだと思います。今を楽しみ自分のベストパフォーマンスをする。そうすると自ずと結果は付いてくると考えています。もしダメでも全力でトライした結果なら受け入れられるはずです。
まずは楽しむ、次に探究心を忘れずに様々なことに興味を持つ、そして日々自分を超えていき良い結果につながるというサイクルを意識しています。これを繰り返して行くと必ずいい方向に行くと私は感じています。これからも様々な壁に直面すると思いますが、恐れることなく楽しみながら自分を、世界を超えていけるように成長していきたいです。
GO-BEYONDER No.186
スピードスケーター
羽賀亮平
1988年9月、北海道帯広市生まれ。スピードスケートが盛んな地域の生まれということと、両親の影響もあり幼い頃からスケート始める。9歳の頃テレビで見た長野五輪でダイナミックなスケーティングに目を奪われ、本格的に競技に取り組むようになり現在に至る。2010年のバンクーバーオリンピックに出場し、同年全日本スプリント選手権で初優勝を果たす。2012年にも同選手権で優勝し、以後多く大会にて好成績を残す。
Instagram:https://www.instagram.com/ryoheihaga
受賞歴