GO BEYOND な 人
八谷紘希(ハチヤヒロキ)
フットゴルファー
"日の丸を背に
ナンバーワンプレイヤーとして君臨したい"
フットゴルフという競技をご存じでしょうか。フットゴルフはサッカーとゴルフを融合させたスポーツで、2009年にオランダで発祥したといわれています。日本では日本フットゴルフ協会が2014年に発足し、着々と競技人口を拡大しているスポーツです。
プレイヤーの足とサッカーボールをゴルフクラブとゴルフボールの代わりに使い、ゴルフ場のコースに設けられた18ホールのフットゴルフ専用のカップ (直径が約53cm、深さが30cm以上) に、どれだけ少ない打数でボールをカップインするかを競います。基本的なルールはゴルフに準じていますが、コースはゴルフの半分程度で3000ヤード前後の長さです。
私はフットサル仲間として交流のあった前職の同僚に誘われたことがきっかけでフットゴルフをはじめ、その直後に参加した日本のフットゴルフにおいて最高峰の大会でもあるジャパンオープンへの挑戦を機に、本格的にフットゴルフにのめりこんでいきました。ジャパンオープンでの成績は散々たるものでしたが、一蹴りに集中しすべてをかけるフットゴルフ特有の緊張感に魅了され、すっかりこのスポーツの虜になりました。気が付くとフットゴルフが生活の一部となり、いつの間にか日本代表として、日の丸を背負い戦うまでになっていました。きっかけを作ってくれた元同僚も共に日本代表選手として戦っており、第一線で活躍しています。
私はサラリーマンとして働きながらプレーしているため、平日は仕事をしながら、帰宅後にパッティング練習や体力作りを行っています。土日はキックの精度を高めるためにフットゴルフコースをラウンドしたり、ジャパンオープンや関東リーグを始めとした各フットゴルフ大会に参加したりしながら、技術とメンタルを磨いています。
世界一になるために「1日7打」の差に挑む
私の目標は「フットゴルフで世界一になること」です。今の私の力ではまだまだ厳しい状況ではありますが、近い将来に必ず成し遂げたいと思っています。
この目標の達成のために2018年度から日本初のフットゴルフクラブGanador Footgolf Clubに所属し、多くの方のご支援のもと日本トップクラスのプレイヤー達と技術を高め合っています。また、年に数回ではありますが、会社から一週間程度の休暇をいただいて海外で開催されるトーナメントに参加をしています。日本国内でのトレーニングも重要ではありますが、海外で自分よりも優秀な選手達のプレーを直接学び、吸収することも私の目標の達成には必要不可欠であると考えているためです。
2018年12月にモロッコのマラケシュで開催された第3回目となるフットゴルフワールドカップに日本代表として出場しました。結果は327人中86位タイ、日本人の中では14人中3位で、世界のトッププレイヤーとの歴然とした差に、自分の無力さを痛感しました。この大会で優勝した選手は世界でもトッププレイヤーとして知られるアルゼンチンの選手でした。彼のスコアは4日間で15アンダー、私のスコアが12オーバーだったので27打差という圧倒的な実力の差を見せつけられる大会となりました。
しかし、1日平均7打という差を埋めることで「フットゴルフで世界一になれる」という明確な目標ラインを得ることができ、悔しさ以上に収穫の大きい経験となりました。必ずやこの差を縮め、いつか目標を達成してみせます。
国内での実績を活かし、海外経験を積でいきたい
海外の選手達からは常に学ぶことが多く、一緒にラウンドを回る度に刺激を受けています。その中でも特に、過去に一度だけラウンドを共にしたことのあるアルゼンチンの選手のプレーが忘れられず、常に私を鼓舞し続けています。その選手の凄い部分といえば、小柄な身体から繰り出される正確なキックと強靭なメンタルです。とにかくキックの精度が抜群で、プレッシャーがかかるような場面でも、的確な強さのキックで完璧な飛距離を生み出していました。当時の自分には真似出来ないような圧巻のプレーでした。
彼と自分を比較したときに決定的に足りない部分は、経験値だと私は考えています。アルゼンチンはフットゴルフの強豪国のひとつであるため、優秀な選手達とプレーを共にする機会や、実践を積むことのできる環境が整っている一方、日本で普段サラリーマンとして働いている私のような選手は、競技中心の生活を送ることはもちろん、数が限られているフットゴルフ場を探し練習をするだけで精一杯です。
世界トップのフットゴルファーに追いつくためには、海外で開催される数多くの大会に可能な限り参戦し、言葉の通じない外国人選手に対しても動じず、ベストコンディションでプレーができるようになる必要があります。その機会を作るために、日々のトレーニングで徹底的に基礎を仕上げ、一つでも多くの試合をこなし、まずは日本国内で常に成績が残せるフットゴルフプレーヤにならなければならいないと考えています。毎日の練習から常に試合イメージして、自分の技術、精神力を常に高めていくことで、トップフットゴルファーとして進化をとげていきます。
GO-BEYONDER No.177
フットゴルファー
八谷紘希
1987年10月23日、静岡県富士市出身。Ganador Footgolf Club所属のフットゴルファー。競技歴4年にして、フットゴルフ日本代表としてワールドカップに2度参戦。会社員として社会人生活を送る傍ら、フットゴルファーとしてアジアカップをはじめとする国内外の大会を転戦し、好成績を残す。
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