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GO BEYOND な

笠原園花(カサハラソノカ)

競技チアリーダー

"トップチームのセンターとして
オンリーワンのジャンプで魅了する"

高校1年生の時、入学早々に行われた体験会に友人に誘われて参加したことがきっかけでチアリーディングを始めました。

初めて見たチアリーディングは想像していた以上にダイナミックで、宙を舞いながら美しい技を繰り広げている先輩の姿に衝撃を受け、私は一瞬でその虜に。「ここに入部すれば私も宙を舞うような楽しい技ができる!」と期待に胸を膨らませすぐに入部を決意しました。

しかし、実際は筋トレや笑顔の練習、ランニングといった基礎力づくりが続き、幼少期からダンスやバレエをしていた私であっても練習についていくことに必死で、「辛い、苦しい、もう辞めたい」と毎日泣きべそをかいたことを覚えています。でもやっぱり「同期たちだけには負けたくない、先輩たちを超えてやる」という思いが強く、帰宅後に柔軟を続け、自宅周辺を走るなどの地道なトレーニングを続けました。その結果、高校3年生の時に出場した「JAPAN CUP」高校生部門で、センターとして舞台に立ち日本4位を勝ち取りました。この高校時代の経験が今の私の原点になっていると思います。

2009年8月
JAPAN CUP高校部門第4位
2012年8月
JAPAN CUP大学部門第6位
2013年12月
韓国 全国大会 総合優勝
2015年10月
JAPAN OPEN level 6 コエド部門優勝
2016年4月
Cheerleading Worlds (世界大会) Level 6 コエド部門出場
2018年4月
Cheerleading Worlds (世界大会) Level 6 コエド部門世界6位
2018年9月
States (オーストラリア・州大会) Level 6 優勝
2018年11月
Utopia (オーストラリア地区大会) Level 6 優勝
Australia Nationals (オーストラリア地区大会) 優勝

世界で戦える選手を目指し、オーストラリアへ渡る

チアリーディングはタイムを争ったり一対一で戦うスポーツと異なり、いかに観客を魅了することができるのかを競う表現におけるスポーツです。

「2分30秒」という限られた時間の中で、スタンツとよばれる人を持ち上げたり飛ばしたりするアクロバティックな動きや、体操競技の動きとなるタンブリング、足を高く美しく上げるジャンプ、そしてダイナミックな動きが最大の魅力となるダンスの要素を取り入れて演技をします。技の難易度はもちろん、どれだけ美しくそろった動きができているかが審査の対象となるためチームワークが重要となります。

大学に進学をしてからもチアを続け、その頃から海外のトップ選手達が参加する大会にも出場する機会が増えてきました。彼らのパフォーマンスを目の当たりにするたびに世界トップとの実力の差に焦りを感じ、彼らに追いつくために必要なことを考えるようになっていきました。そして、まずはチアリーディングの本場であるアメリカの競技スタイルを学ばなければならないと、アメリカ式の男女混成ルールを日本で唯一採用しているクラブチームへの加入を決意しました。

日本でチアリーディングというと女性が行うスポーツというイメージが強いですが、海外では男性選手が多くいるチームも一般的です。本場のスタイルを学ぶためには、女子のみの「オールガール」部門ではなく世界トップクラスのチームと同じ男女混成「コエド部門」に出場する必要があったので、そのチームへの加入を決めました。

2016年4月にこのクラブチームで、アメリカで開催されたチアリーディング界最大の大会である「Worlds」に出場をしました。想像を超える強豪チームや有名選手の演技に圧倒され、自分とのレベルの違いを痛感しましたが、彼らのパフォーマンスを目の当たりにしたことで、いつか彼らと肩を並べて戦えるような選手になりたいという新たな目標も生まれました。

2017年の春、新たな目標に向けて行動を起こしました。世界大会の銀メダリストであり、一流の選手達が250名以上も在籍するオーストラリアの強豪チーム「SOUTHERN CROSS CHEERLEADING」に加入させてほしいと直談判をし、3カ月間そのチームの練習に参加させてもらいました。2018年からは正式メンバーとして迎え入れてもらうことが決定し、現在に至ります。

最近はSNSを通じて日本でチアリーディングをする多くの人たちから「私も海外のチームにはいりたい」というメッセージをもらうことも多くなりました。私のように世界一のチアリーダーになることを夢見る後輩たちが増えてきていることを実感しています。そんな後輩たちにかっこいい背中を見せるためにも、メルボルンから最高のパフォーマンスを届けていきたいです。

世界が認める「ジャンプ」を求め、昨日より1ミリでも高く

オーストラリアに来た当初は、難易度の高い技をこなすような選手にならないというプレッシャーで自分に自信が持てなくなり、思うような演技ができなくなった時期もありました。大好きなチアリーディングができなくなってしまうという焦りも感じ、とても苦しかったです。以前のようにチアを楽しむための方法を考えた結果、私は他の選手たちが得意な分野で上手くなろうとするのではなく、あえて苦手としている分野で力をつけようと決意しました。ナンバーワンの選手になるのではなくオンリーワンの選手になることで、再び自信をつけることにしたのです。

チアリーディングの醍醐味であるスタンツ技でトップ選手よりうまくなろうとしたら、毎日24時間練習をしても足りないくらいですし、タンブリング技も体操から転向してきた選手には到底かないません。しかしジャンプでなら、世界に認めてもらえるような技ができると思いジャンプを極めることを決意し、日々努力を重ねました。その結果、全国大会に出場するメンバーとして、私をセンターに起用してもらうことが決まりました。底辺からスタートした私が、まさかセンターになれるなんて、夢にすら見ていなかったので、自分のジャンプが周りに認められたことが最高に嬉しかったです。私のジャンプで演技全体の印象が変わるためプレッシャーはありますが、それすらも今は原動力になっています。

2018年4月末の世界大会は世界6位という結果で終わり、表彰台の常連であった私達にとっては悔しい結果となりました。しかし、この悔しさが糧となり2020年の世界大会に向けてさらに一丸になろうという結束力が高まっています。世界一になれる実力のあるチームにいる以上、海外チームに所属する日本人として世界一になりたいです。

海外チームで活躍するチアリーダーとして日本のチアリーディング界に刺激を与え、後輩たちの憧れになれるよう、これからも挑戦し続けていきます。

GO-BEYONDER No.175

競技チアリーダー

笠原園花

1992年3月30日生まれ、東京都稲城市出身。高校生でチアリーディングと出会い競技を始める。競技歴12年。2016年に日本代表として出場した世界大会で海外チームの演技に強い刺激を受け、海外チームへ移籍。2018年大会ではオーストラリア代表として世界大会へ出場し世界6位入賞に貢献した。五輪種目の候補として注目を集める競技チアリーディングの日本における強化と、後輩チアリーダー達の育成のため、コーチとしてのスキルの修得にも力をいれている。

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