GO BEYOND な 人
安村翼(ヤスムラツバサ)
フットゴルファー
日本代表の切符をつかみ取り
フットゴルフで世界ランキング上位へ
フットゴルフというスポーツを聞いたことがありますか?フットゴルフとは、「サッカー」と「ゴルフ」を混ぜた新しいスポーツです。簡単に説明をすると、サッカーボールを蹴ってゴルフをするというスポーツで、ゴルフコースに18のホールを設置し、その18ホールを順番に回りながらボールを蹴って、どれだけ少ない回数でホールに入れられるかを競います。
2009年にオランダでルールが制定され、日本では2014年に日本フットゴルフ協会が発足しました。2017年から国際フットゴルフ連盟が定めるワールドツアーがスタートし、ワールドランキングも設定されるようになり、日本でも急速に注目を集め、人気が高まりつつあるスポーツです。
私は日々、選手としてフットゴルフのトレーニングをしながら、国際大会へ出場し、世界ランキング上位入賞を目指し活動をしています。その一方で、国内のローカル大会の開催・運営に携わる活動も行っており、フットゴルフ会場となりそうな場所を巡り、フットゴルフ会場の新規開拓をしたりするなどフットゴルフの普及活動にも積極的に取り組んでいます。まだまだ日本での認知が進んでいないフットゴルフの魅力を競技者と運営側の立場から広めていきたいとの思いで活動をしています。
1年前の惜敗を力に再挑戦、夢を現実に
私がフットゴルフに興味をもったのは、友人が投稿したフットゴルフの様子を撮影したSNSの投稿を見たことがきっかけでした。フットゴルフに興味を持ち始めて間もなく、日本フットゴルフ協会が日本代表を選出するという話を偶然に聞きました。経験もない状態で日本代表を選考するような大きな大会へ挑戦するということに不安がなかったといえば嘘になりますが、好奇心と挑戦心をもち大舞台にチャレンジすることを決めました。
結果から言うと初挑戦となった大会は惨敗し、残念ながら初代フットゴルフ日本代表に選ばれることはありませんでした。しかし、フットゴルフを始めて間もない状況で参加したにも関わらず、惨敗の悔しさはかなり大きく、「もっと技術を磨いて日本代表になってやる」と本気で考えるようになっていました。この経験がきっかけでフットゴルフにのめりこんでいくようになりました。それからは練習と実践の繰り返しで、日本代表になるという目標のもと努力を重ねていきました。そしてあの惨敗した初大会の翌年に、ワールドカップへ出場する日本代表を選出する大会が行われることになりました。悔しさを力に変えて努力してきた1年間の成果を出し切ることができた私はそこで初優勝をすることができ、念願だった日本代表になるという目標を達成することができました。
夢・目標が現実となった瞬間の喜びは格別でした。それ以降は、日本代表として毎年世界各国で開催される大会に出場し転戦をしています。2017年からワールドツアーも開催されるようになった為、個人で世界大会へ出場する機会も最近は増えており、着々と実績を積んでいるところです。ヨーロッパの国々と比較するとまだまだ競技人口の少ない日本から、世界トップレベルの選手を目指して日々練習に励んでいます。
「夢をもち挑戦することの素晴らしさ」を次世代へと
フットゴルフに出会う以前に話を戻しますが、私の幼い頃の夢は「プロのサッカー選手として活躍をする」ということでした。サッカーが好きでこの夢を本気で追いかけましたが、結果的には夢はかなわずプロサッカー選手として活躍することはありませんでした。しかしその後、自分は夢をかなえることはできなかったにしても「サッカー界で世界的に活躍する選手を育てたい」という目標をいただくようになり、サッカーの若手選手の育成に取り組むようになりました。ジュニア選手たちへの指導は現在も続けています。子ども達には「夢・目標」を持ち、「挑戦」することの大切さを伝えていくことを意識して指導に取り組んでいます。
そんな中で30歳を過ぎた時にフットゴルフと出会い、「フットゴルフで自分自身がトップを極めたい」という「夢・目標」を再び持つようになりました。子ども達に夢を託すのではなく、自分自身がプレイヤー・主人公として再び夢を追いかけるようになり、現在はフットゴルフ日本代表として世界を舞台にチャレンジしています。指導の中で子ども達に伝えてきた思いを、フットゴルフに向き合い挑戦する自分自身の行動で教えていきたいと思っています。
今の私の夢は「世界No.1のフットゴルフ選手になる」ということです。現実のところ、今はまだ世界トップレベルの選手達との差はありますが、日本から世界へ飛び出し繰り返し挑戦することで、これまで知ることのできなかった高度な技術や、新しい情報が身に付き、少しずつであっても着実にその差は縮まっていくと考えています。子供たちに「夢・目標」をもって挑戦することを伝えている私が、「自分の夢・目標」を叶え、どんな困難にも果敢に挑戦をしている姿を見せ続け、夢を持つことの素晴らしさと挑戦する勇気、そしてその挑戦から得られる希望を与えてあげたいと思います。
フットゴルフを始めてから、世界大会への出場が増え、それと同時に世界中に多くの友人であり、よきライバルができました。国籍関係なく同じ目標に向かって切磋琢磨できる存在がいるということは素晴らしいことです。夢を追いかけ努力をすることで技術や実績だけでなく仲間にいたるまで、得られるものが沢山あるということを自分の背中で子供たちへ伝えていきたいです。「世界は広い」という言葉の通り、世界には素晴らしい選手が多くいます。上位を目指していた大会で負けた時は悔しさを感じることも多くありますが、ただ悔しいというところで終わってしまうのではなく、優秀な選手たちと一緒に試合をすることで学ぶことのできる沢山のことを吸収することができる、何事も無駄な経験はないと意識をかえるようにしています。どんな場面も自分の意識、心がけ次第で貴重な経験、稔りある体験に変える事ができます。世界大会へ行かなければ、感じることができない自分と世界との差。真剣勝負の彼らと切磋琢磨をすることで、可能性を広げていると思っています。
これからもフットゴルフを通して、自分の可能性を広げ、必ず世界トップクラスの選手になります。そして、今は壁を感じている世界の頂点がいつか入れ替わり、世界の選手達が自分を目指すような存在になりたいと思います。
GO-BEYONDER No.163
フットゴルファー
安村翼
1985年1月10日生まれ。山口県出身。フットゴルフ日本代表として、世界各国で開催されるトーナメント、大会へ出場する傍ら、幼少期より続けていたサッカーの指導者として若手選手の育成に取り組んでいる。2018年に中国で開催されたアジアカップへ日本代表として出場をするほか、ジャパンオープンなど数多くの国内外の大会で優勝するなど多くの功績を残している。現在は競技者としてフットゴルフに取り組む一方で大会運営に携わるなど、フットゴルフの認知、普及にも積極的な取り組み行っている。
Instagram:https://www.instagram.com/footgolferyasumura.jp/
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