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GO BEYOND な

小屋英美里(コヤエミリ)

セーリング日本代表

セーリングの魅力を教えてくれた仲間と
共に目指すはセーリングオリンピアン!

クルーザーで外洋レースをしていた父の影響で小学校3年生からセーリングを始めました。小学校6年生のころには、単身でニュージーランドにヨット留学し、現地の中学・高校に通いました。現在は上智大学短期大学部に通いながら、葉山、江ノ島を活動拠点とし活動しています。2018年3月末までは、ユースの日本代表として世界選手権など色々な国際大会にも出させていただきました。2018年4月からはシニアとして世界の強豪選手と戦っていきます。

セーリングは自然を相手に風を読みながらつかみに行き、速さを競う競技です。

始めたばっかりの頃は、海が嫌いで無理やり連れていかれ、練習をしていました。仮病を何回もして休んだりもしていましたが、自分が走れるようになってくると、レースの楽しさやセーリング自体の楽しさがとても魅力的に感じ、気づいたらセーリングから抜け出せずになっていました。レースで負けるといつも悔しい思いをし、同年代の子達よりもなかなか覚えも悪く、成績が悪いと毎回泣いて、怒られていた事を今でも覚えています。そんな時に、ニュージーランドの自分よりも技術のある選手たちと触れ合う機会があり、彼らのセーリングの技術や速さに魅了され、その出会いがきっかけとなりオリンピックを目指すようになりました。

「今のままではダメだと、勝つためには速い人たちと練習しなければいけない」と思い、単身ニュージーランド留学を決意しました。

2017年5月
ジュニアオリンピック 2位・女子1位
2017年8月
ラジアル級世界選手権 47位
2017年9月
国民体育大会 4位
2017年11月
全日本 10位・女子3位
2017年12月
ISAF ユースワールド 25位
2018年2月
ミッドウィンター 5位・女子2位
2018年5月
ジュニアオリンピック 10位
2018年7月
U21世界選手権 58位
2018年9月
国民体育大会 7位

自分の夢と向き合った初めての世界選手権

ニュージーランドに着いてすぐに東日本大震災があり、家族や友人たちと連絡が取れなくなった時はとても心細く、不安でした。現地の学校に通い始めた当初は英語ができずとても苦戦しました。しかし時が経つにつれて徐々に周囲とも打ち解け、友人も増え環境にも慣れ楽しく過ごせるようになっていきました。友人の中には同じ日本人でセーリングをしている子もいたので、とても励みになったことを覚えています。

ニュージーランドの選手たちはとてもレベルの高く技術に長けていたので、彼らに追いつくために週4日学校終わりにビーチに行き現地のヨットクラブで練習をし、2日間はジムでのトレーニングをするという生活を4年間続けました。このストイックな生活を続けたおかげで、最終的には目標としていた世界選手権に現地の選手たちを抑えて、ニュージーランド代表として出場することができました。

努力の末に勝ち取った代表のレースでしたが、世界の高いレベルを前に、とても自慢できるような結果をのこすことはできませんでした。しかし、世界選手権で目の当たりにした自分自身の実力や、置かれている状況といった現実を前にして、やっと自分自身と向き合うことができたのです。

「私はオリンピックに出場しメダル獲得するというということを目指してニュージーランドに渡り、そのために覚悟を決めたはずだ、ここで負けていられない」

何を目指して海を渡ってきたのか、何を目的に練習を重ねてきたのかを改めて見つめなおすことができました。

その他にもドイツで80艇の半数が競技を棄権するほど過酷な状況で行われたレースがあった際、私は最後まで棄権せず完走したことにより特別賞を頂きました。どんな環境でも必ずやり抜くという強い気持ちを持てるようになったきっかけのレースとして記憶に残っています。

今ではユース日本代表にも選抜され日本代表として多くの海外レースに参加するようにもなり、実力もついてきましたが、どんなに環境が変わっても忘れずに大切にしていることがあります。それは、負けたレースは謙虚に反省をし、間違えを繰り返さず、勝ったレースは謙虚にレースを復習し次に繋げる動きにシフトしていくことです。この先どんなことがあったとしてもこういったアスリートとしての基本を大切に、挑戦を続けていきます。

仲間達が与えてくれる刺激が世界へ挑む原動力に

私の目標はオリンピック出場、そしてメダルを取ることです。2020年、そして2024年に向けてトレーニングに励んでいます。

セーリングは日本ではマイナースポーツではありますが、オーストラリア、ニュージーランド、ヨーロッパでは、一般的なスポーツであり、競技の歴史も違えば選手人口や規模が異なるため、国際大会ではなかなか日本人選手は上位に入れないなど、世界との実力の差を感じます。

そんな環境だからこそ、逆にオークランドで過ごした4年間で、各地の様々なレースに参加し、多くの選手と友人関係になりました。海外レースへ参加するときはそんな沢山の友人選手たちとも再会し、対戦相手として競い合えることが嬉しいです。友人関係だからこそ、お互いに切磋琢磨し、お互いをリスペクトしあえる関係であるため、お互いを刺激しあい更なる高みを目指すことができるのだと感じます。

オリンピックに向けては、日本人選手として他国からの選手を迎えいれるわけですから、もちろん高いパフォーマンスを発揮する事が求められます。

最近では、国際大会で上位を走ったりすることが多くなってきて、さらにセーリングの楽しさを実感しています。周りにいるオリンピアンの技を盗める環境に自分がいること、まだまだ自分が上に登り詰められること、2020年に向けてはそういった楽しみが沢山あり、これからも自分が進化できると思うとワクワクが止まりません!

フィジカル面では、海外の選手と比べ体力もなく強風になると毎回走り負けてしまいます。勝つためには技術、フィジカル、タクティクスなど沢山ありますが、今の私ができる事は沢山のトレーニングをおこない、フィジカルを鍛えること、とにかく練習をすることです。

諦めずに練習やトレーニングに取り組んできたおかげで、オリンピアンを抑えて走ることができるなど、自分の成長を感じることも多くなってきました。やはり、練習あるのみです。これからも海外に沢山チャレンジしてもっともっと自分の実力を高めていきたいです。

GO-BEYONDER No.155

セーリング日本代表

小屋英美里

1999年1月6日、東京都出身。競技歴は11年。外洋レースをしていた父親の影響で小学校3年生からセーリングを始める。小学校6年生のころには、単身でニュージーランドにヨット留学しニュージーランド代表として初の世界選手権に挑む。帰国後ユースの日本代表として世界選手権など色々な国際大会に出場するなど、日本国内外に活動拠点を移しながら2020年東京オリンピック・パラリンピック日本代表、金メダル獲得を目指し奮闘している。

Instagram:https://www.instagram.com/emmaly_1930/

Blog:http://nzlwind.blog.fc2.com/

HP:http://www.nzlwind.com/

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