GO BEYOND な 人
吉川美穂(ヨシカワミホ)
自転車競技選手
東京五輪に向けて全力疾走!
「世界で戦える選手になりたい。」
今、私は自転車競技のトラックレース、ロードレースを主に活動しています。高校三年の夏に自転車競技を始めてわずか数ヶ月、トラックレースの種目の一つである500mタイムトライアルで日本のトップに近いタイムを出したことで、ロードレースの国内実業団チームへの所属が決定しました。
ここはロードレースのチームでしたが、トラックレースの選手として契約し、初年度はJOC (ジュニアオリンピックカップ) などで優勝しました。その後しばらく経って、2012年頃からロードレースを開始。日本代表選手として各地の大会に転戦しています。
ロードレースはヨーロッパが本場です。トラックレースも、オリンピックは伊豆で開催されますが、ほとんどのレースや大会は海外で行われます。日本は自転車競技後進国ともいわれます。一般の方はロードレースにあまり馴染みがないかもしれませんが、海外では超メジャースポーツです。
日本では味わうことのできない本場の空気に触れ、馴染み、世界で戦える選手になりたい。そして、いつかは日本でもメジャーなスポーツにしていきたいと考えています。
日本から世界へ…世界選手権から得たもの
2016年からは、ロードレースの日本代表遠征に呼んでいただけるようになり、アジアやヨーロッパのレース、世界選手権やアジア選手権という貴重な大会にも出場させていただきました。このときの実績が、後のスペインチームとの契約につながったと感じています。
2016年はLiveGARDEN BiciStelleへとチームを移籍した年でもあり、私にとって飛躍の年になりました。国内実業団レースは出場したレースのほとんどで優勝を収めています。春先に出場したベトナムのBIWASE CUPでも苦手な山岳ステージで優勝。たくさんのステージに挑むなかで頭をフル回転させ、日本チームとしても総合優勝を果たしました。夏場にフランスで行われたUCIレースの第2ステージでは2位に入賞。その際、周りのチームが私を気にかけてくれているとの話を聞きました。交渉の結果、2017年にスペインのUCIチームBizkaia-Durango (ビスカヤ・ドゥランゴ) との契約に至ったのです。
過酷なレース・言葉の壁を乗り越えて躍進!
2017年の世界選手権はカタールで開催され、最高気温は40℃を超える灼熱のレースでした。ロードレースは100~150kmの距離を3~5時間かけて走ります。走行中は自転車にボトル(水筒のようなもの)を2本つけて走ることができますが、この長時間を走りきるには、ボトル2本分の水分では到底足りません。そこで、マラソンのような補給スペースが設けられ、スタッフが水分を手渡ししてくれます。
普段のレースだと補給を取ったり取らなかったりするのですが、カタールでは毎回取らなければ喉が焼け付いてしまいそうなほど、過酷なレースでした。結果は21位と、自分自身が思い描いた順位には及ばず。しかし、ステップアップにつながったと実感しています。
この年、Bizkaia-Durangoにはスペインだけでなく、オランダやベルギー、チリ、ナミビア共和国、フランスなど、世界各地の選手が集結。それぞれの選手に特色があり、面白い一年間を過ごしました。
彼女たちとワールドツアーやスペインカップに出場し、学んだことはたくさんあります。チームメイトがスペイン語を教えてくれたり、チームの拠点があるバスク地方ではピンチョポテ (飲み物一杯におつまみのオマケが付いてくる) の日にみんなで交流したり。言葉が通じなくても盛り上がり、楽しい時間を過ごせました。また、レースの展開を把握しておけば単語はわからなくても、身振り手振りなどで大体何を言っているのかがわかる所も面白かったです。とてもフレンドリーな良いチームに所属できた事を、光栄に思います。
2018年はトラックレースでも活躍したい、自転車競技人生、思いっきり楽しみたいです!!
GO-BEYONDER No.150
自転車競技選手
吉川美穂
1993年1月15日、大阪府生まれ。競技歴は7年。高校3年の夏に自転車競技を始める。当初はトラックレースの選手として活動していたが、2012年頃からロードレースに転向。現在は日本代表選手として世界各地で活躍している。今後の目標はトラックレースでの活躍と、まだ日本ではマイナーな自転車競技をメジャースポーツに格上げすること。
所属チーム:LiveGARDEN BiciStelle
Facebook:https://www.facebook.com/MihoYoshikawa.J