GO BEYOND な 人
山中琉聖(ヤマナカリュウセイ)
レーシングライダー
スピードを感じる風、迫力のエンジン音に魅せられて、世界への階段を登る。
バイクとの出会いは3歳の時。兄が乗っていたバイクに憧れ、キッズモータースポーツ入門用のポケバイと呼ばれるポケットバイクを親から買ってもらったことが始まりでした。
小学校に上がると、父が仕事を早めに切り上げ学校まで迎えに来てくれ、そのまま近くのサーキットに走行しに行くという毎日を送っていました。
8歳の時にはポケバイの全日本チャンピオンを獲得。その後ポケバイからミニバイクに。
現在は、ロードバイクへとさらにステップアップし、2017年に国際ライセンスを取得。
幼い頃からの大きな目標である世界チャンピオンを目指して日々活動しています。
迫力あるプロのレースとの出会いが、今の自分の支えに
今でもはっきりと覚えているのですが、二輪ロードレース最高峰であるMotoGP (ロードレース世界選手権) をテレビで見た時のことです。そのレースで走っていた、オーストラリアのケーシー・ストーナー選手に目が釘付けになり、それをきっかけにMotoGPに興味を持つようになりました。それからは日本でMotoGPが開催されると毎年観戦しに行くようになりました。初めて生で見た世界クラスの戦いは、本当に人が乗っているのかと目を疑うほどのスピードの速さ、エンジン音の迫力、この感動は今でもつらい時に自分の支えとなっています。
このレースを見たことがきっかけで、ミニバイクに乗ってみたいと思うようになり、小学校の中学年でミニバイクへと転身しました。その頃は、体が小さかったので、バイクに股がる片足がやっと地面に着くといった具合で、毎日のように立ちゴケしていました。それでも、バイクに乗ることが楽しくて仕方なく、もっと速く走れるようになっていつかMotoGPに出て見たいと考えていました。
世界進出をするために常にスキルアップを目指し、努力を怠らない
かつてロードレース選手権の125ccクラスでシリーズチャンピオンを獲得したという坂田和人氏が、コーチをしているMFJロードレースアカデミーに参加しました。衝撃を受けたのは、坂田選手の速さ。そこで学ぶうちに自分の基礎の甘さがたくさんあることに気づきました。しかし、丁寧に練習を重ねるうちにそれも解消され、憧れの坂田選手とともにロードコースを走ることができ、レベルアップをはかることができました。いつか、坂田選手を抜きたいという思いが、活動していくことにおいて励みとなっています。
その後、海外にて選考会にも参加し合格。2015年には、ASIA TALENT CUPにもチャレンジ。このレースで自分の実力の足りなさを目の当たりにしました。表彰台争いをするどころか、レース映像に映ることすらできず、とても落ち込みました。しかし、成績が悪い分自分には大きな「伸びしろ」があるのではないか。と発想の転換をし、日々の練習、フィジカルトレーニングに力を入れました。すると翌年には成長し、表彰台に上がることができました。2018年には、ASIA TALENT CUPのほかに、Red Bull MotoGP Rookies Cupに参戦。そこでは優勝とはなりませんでしたが、表彰台には登ることができました。
確実に夢に近づくためにチャレンジは続く
ASIA TALENT CUPには3年連続出場しましたが、優勝することができず毎戦悔しい思いをし続けました。その中で、自分の中の何かを変えなければ、ずっとこの成績のままだと考えました。それからは、自分には何が足りないのだろうと考え、足りないところ、自分のダメなところを洗い出し、それを改善すべく日々取り組むようにしました。そして、その次のレースでは「優勝すること」だけを考え挑みました。すると、念願の1位を獲得することができました。この瞬間、初めて自分を超えたと感じることができました。
これからもさまざまな壁にぶつかると思いますが、常にその壁を超えて行くことを実感できるほど頑張り、一つずつ確実に目標を達成したいと思います。そして、今年も1戦1戦チャレンジしてチャンピオンを獲得していきたいと思います。
GO-BEYONDER No.148
レーシングライダー
山中琉聖
2001年11月6日、千葉県四街道市出身。競技歴は13年。3歳でバイクに出会い、その魅力に取りつかれる。8歳でポケバイ全日本2冠獲得、ミニバイクを経てレーシングライダーになる。2014年からは長年の夢であった海外に戦場を広げ、世界チャンピオンを目指してバイクを駆り続ける。
Instagram:https://www.instagram.com/ryusei_yamanaka12/