GO BEYOND な 人
石川拳大(イシカワケンタ)
会社員サーファー
サーフィン界の新しいキャリアモデルとして
世界の頂点へ挑む
家族の影響で幼いころから気付けば海にいて、4歳の頃には波に乗っていました。
小学校1年生では出身地である神奈川県横浜市を離れ、ビーチカルチャーの強く根付く湘南の茅ヶ崎に移住し、海の近くに住ようになるとサーフィンが人生には欠かせない存在となりました。その頃から大会にも出場するようになり、小学校の頃から全日本大会は毎年のように出場し、中学校になると世界の大会にも参戦するようになりました。
幼い頃から海外に行くきっかけが多かったことから、他の国々の人とのコミュニケーションに悩まされることが多々ありました。言語の壁を乗り越えるべく、中学校を卒業すると同時にサーフィンの聖地であるオーストラリアのゴールドコーストという地の高等学校に入学することを決意しました。
現地の学校ではカリキュラムの中にサーフィンの授業があったので、毎日サーフィンのできる環境がありました。そんな環境がサーフィンをツールに現地のコミュニティーに溶け込むこともできたので、この4年という期間でゴールドコーストはまるで第二の故郷のような存在になりました。
サーフィンの本質を追い求めた学生時代
「海外の人とコミュニケーションを取れるようになる」という目標を達成した後、日本に帰国した僕はサーフィンをツールにまったく違う分野まで広がる世界観への魅力を体感し、サーフィンをツールにしてなにかをやってみたいという目標が生まれました。
神奈川大学経営学部に入学した後も日本学生サーフィン連盟 (NSSA) に所属をしながら、全日本サーフィン選手権大会 優勝などの成績を残すことができましたが、それに匹敵する経験として、大学の講義をきっかけに卒業製作としてサーフィンの映画を製作にも携わりました。
クラウドファンディングを成功させ、「サーフィンの本質」を追い求めたサーフロードムービー『OCEANTREE - The Journey of Essence -』の製作。大学最後の年は世界中を飛び回り映画の製作に専念しました。
製作を終えると様々なメディアに取り上げられ、現在でも全国各地で映画の上映していただいています。この映画をきっかけに、国際環境NGO団体Surfrider Foundation Japanの事務局長・アンバサダーとして活動をさせて頂けることにもなりました。
大学卒業後の次なるキャリアとして、公益財団法人日本オリンピック委員会 (以下、JOC) が行うトップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」を通じ就職を決定。業界初の新しいキャリアモデルである、社会人アスリートとなりました。
「勉学とサーフィンの両立」を目指してきた僕の学生生活は終わり、現在は会社員サーファーとして「仕事とサーフィンの両立」を目指して活動をしています。
まだ見ぬ自分を追い求め、新たな環境へ進む
僕は、「自分自身への挑戦」という意味でも海外へと飛び込んでいます。
2018年度から会社員とサーファーを両立しながら、World Surf LeagueのQualify Seriesに参戦しています。競技をする上で目標としては、もちろんオリンピックやChampions Tourにクオリファイすることが大きな目標です。
また、世界へチャレンジすることで自分の世界観がどんどん広がることが最高の財産であり、貴重な経験となっています。海外へ遠征に行くと、国、言葉、人種、宗教など関係なくサーフィンという1つのツールで、文化など色んなことをシェアしながら多くのことを学べることが素晴らしいことだと毎回感じています。
その中で今でも、高校時代に1人で飛び込んだ海外現地の環境がものすごく衝撃的だったのかもしれません。中学校まで日本の教育環境で過ごしましたが、オーストラリアの現地の高等学校で毎日自分の得意分野を全力で学べる環境があることが一番印象に残っています。僕の場合はサーフィンでしたが、周りにはメジャースポーツからマイナースポーツ、アート、カメラ、エンジニア、勉学など専門的に自分の得意な分野を学べる環境があったのです。日本の教育との差に圧倒されました。
現在、僕は会社員サーファーというサーフィン界では新しいキャリアモデルを歩んでいます。今後もこのような形で活動できるサーファーが増えてほしいなと思っています。自ら世界の場を経験し、サーフィンに限らず「Youth Opportunity」の場を与えられるような人間になることが最終目標です。
留学生活には言語だけでなく思いもよらぬカルチャーショックが多く、文化や価値観の違いで4年間の間でホームステイを8回ほど変えたエピソードなどがあります。色んな新しい価値観を共有し合ってきたことにより、今では留学をしていたオーストラリアがまるで第二の故郷のような存在になっています。
新しい場所に行ったり、新たなチャレンジをしたり、新しい何かを得ることは楽しみな反面不安も僕にはあります。しかし、不安を乗り越えた時にはネクストレベルな自分がいて、その感覚は自分の中で最高の価値となっています。常に僕は「新しい自分」を追い求めて新たなことにチャレンジをしているのかもしれません。
GO-BEYONDER No.142
会社員サーファー
石川拳大
1994年6月21日生まれ。神奈川県茅ケ崎市出身。幼少期から海の近くにで育ち、サーフィンと共に育つ。高校時代にオーストラリアのゴールドコーストへ留学。帰国後は神奈川大学経営学部へ進学し卒業制作として、サーフィンを題材にした自主制作映画『OCEANTREE - The Journey of Essence -』を制作。大学を卒業した現在は社会人アスリートとして世界の舞台で活躍している。
Instagram:https://www.instagram.com/kenta_ishikawa/
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