GO BEYOND な 人
高橋巧(タカハシタクミ)
プロレーシングライダー
世界との格差を実感、そこから挑戦は始まる
3歳からという長いバイク歴。ロードレーサーとして全日本選手権で18年の競技歴を持ち、常に国内のトップクラスを維持してきたわたしですが、27歳にして初めて経験した海外での世界選手権では高い壁を感じました。
国内と世界の格差は歴然でしたが、実際に世界を経験することで初めてつかんだ感触があり、世界を目標として活動をしていくことを決意しました。
3歳の誕生日プレゼントに贈られたポケットバイクが原点
三輪車に乗っていた3歳の時、誕生日プレゼントでもらったポケットバイク(ポケバイ)にまたがったのが生まれて初めての二輪車でした。練習できる空き地を探しては毎週のように練習に明け暮れ、乗れるようになった2か月後にはレースにデビューしていました。
10歳からはミニバイクへ転向。フラットダートの修行のために渡米したのもこのころでした。11歳の時にはタイへの海外初遠征も経験しています。12歳からは地方選手権にも参加、順当にステップアップしてきました。各カテゴリーで優勝経験を重ね、13歳の時、GP215クラスで本格的にロードレースを始めました。この年に、国際ライセンスにも昇格しています。
翌年からは全日本ロードレース選手権(GP250クラス)に参戦、18歳で国内最年少記録のチャンピオンとなりました。そのまま世界へ…と行きたいところでしたが、リーマンショックによる影響でそれはかなわず、とにかく国内最高峰のJSB1000クラスでトップを目指すことを選択しました。翌2009年には全日本ランキング8位、ルーキー・オブ・ザ・イヤーJSB1000を獲得。以後、常にトップクラスを維持してきました。
2010年からは、鈴鹿8時間耐久ロードレースでも本格的に走り始めました。2017年にはJSB1000クラスでチャンピオンを獲得、「国内でトップを獲る」という夢を果たすことができました。
「越えられない山はない」、
世界トップクラスに触れて初めて得た感触
シーズン中は国内でレーサーとしての活動があり、全日本ロードレース選手権(JSB1000クラス)と世界選手権鈴鹿8時間耐久ロードレース(鈴鹿8耐)に参戦していますが、一方で、海外での舞台はアジア、ヨーロッパに及んでいます。
国外では世界のトップカテゴリーであるスーパーバイクマシンやMotoGPマシンの開発ライダーとして活動、マシン開発のテストを実施しています。
また、昨年度にはレーサーとしても世界の舞台に参加しました。世界選手権ワールドスーパーバイク選手権に代役として参戦したのです。参加した2戦4レースは初めての世界選手権であり、初めてのサーキット、初めてのマシンと、初めて尽くしでした。
世界トップレベルのライダーを相手にして感じたのは、世界は国内と比較してワンランクもツーランクも上であるということ。高い山であることを痛感しましたが、実際に経験してみたことで「越えられない山ではない」との感触を得たのも事実です。
この経験を活かし、今年はいつでも代役ライダーとしてスポット参戦できる体制を整え、チャンスがあれば世界選手権にチャレンジしていく予定です。来シーズンからは世界選手権へのフル参戦を計画していきます。
GO-BEYONDER No.136
プロレーシングライダー
高橋巧
1989年11月26日、埼玉県生まれ。全日本ロードレース選手権における競技歴 18年のロードレーサー。「Team HRC」 所属。4歳からポケバイ・レースに参戦、13歳で名門「ハルクプロ」に加わり、本格的にロードレースを始める。全日本ロードレース選手権GP250クラスに参戦、18歳で国内最年少記録のチャンピオンに。2010年からは鈴鹿8時間耐久ロードレースにも本格参戦。JSB1000クラスでは常にランキング上位に付け、2017年にチャンピオンを獲得。2018年現在、ホンダのワークスライダー兼スーパーバイク、MotoGP開発テストライダーとして海外でも活動の場を拡げる。
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