GO BEYOND な 人
黒川日菜子(クロカワヒナコ)
プロサーファー
常に生活の中心にサーフィンがあった
サーフィンをはじめるきっかけになったのは両親です。どちらもサーフィンが好きで、幼い頃から一緒に海に行っていました。生まれは大阪ですが、両親のサーフィン好きが興じて4歳の頃に種子島に移住。まだその頃は幼かったこともありサーフィンをすることはありませんでしたが、常に海と触れ合う生活だったのを覚えています。
その後、9歳の頃に大阪へ戻り、10歳のときに本格的にサーフィンをはじめました。その頃は、毎週日曜日の週に1回、伊良湖や伊勢、冬は日本海方面に家族でサーフィンをするために訪れていました。
そして、中学校3年のとき、毎日海に入れる環境を求めて四国へ移住。高校卒業後は、サーフィンの技術を磨くため、そして英語の勉強をするためにワーキングホリデーを利用して2年間オーストラリアで過ごしました。
現在は、オーストラリアから日本へ拠点を移し、試合がない時期にオーストラリアで練習する毎日を送っています。目標は世界を舞台に戦うこと。WQS(世界クオリファイイングシリーズ)から、WCT(世界チャンピオンシップツアー)選手、オリンピック日本代表選手になるために日々練習しています。
日本女子のWCT入りを目標に
私は日本人でも小柄なほうで、体格に恵まれた海外の選手と比べると大人と子どもくらいの違いを感じます。体格で勝てないからこそ、私なりに生かせる部分はどこか、自分の良い部分を探しつつ、海外に挑戦してきました。試合のある時期はもちろんですが、プロとしてオフシーズンの過ごし方にも力を入れています。オーストラリアでのサーフィンのためのフィットネストレーニングとサーフィンのコーチングです。
そんな海外での試合や活動を通して目標としているのが、年間を通して世界クオリファイングシリーズ(WQS)の試合を中心にまわり、世界チャンピオンシップツアー(WCT)に入って、世界トップの座につくことです。
しかし、これまで日本人女子がWCT入りをしたことすらありません。それほど、世界の壁は高いです。まだまだ私にとってWCTに入ることは大きな夢ですが、それでも諦めないこと、今ある課題を1つ1つクリアしていくことで、世界の壁に近づきチャレンジできればという思いでいます。
海外で過ごしたことが自分への自信へ、超えていく覚悟
高校卒業後のオーストラリアでのワーキングホリデーです。英語を全く話せない状態で、向こうに知り合いもいない中、オーストラリアで2年間過ごすことになりました。
大変な時期もありましがたが、多くの人に助けてもらって徐々に英語も上達していきましたし、トレーナーを紹介してもらい1人でトレーニングを受けるのにも英語に困らないようになりました。
きっと語学の習得も大きかったと思います。初めて出場したQSの試合では高得点を出すことができましたし、他の試合でも優勝を果たすことができました。
自分の世界がどんどん広がっていく感覚は、今の自分の自信につながっていると思います。
このオーストラリアでの経験が、私にとって大きな影響となったのは言うまでもありません。自分という壁を超えた瞬間です。これからも自分の限界を超え、しっかり前に進んでいきたいと思います。
GO-BEYONDER No.133
プロサーファー
黒川日菜子
1996年、大阪府生まれ。サーフィンが好きな両親の影響を受け、幼いころから海に触れる環境があった。10歳から本格的にサーフィ頃はじめる。大きな転機となったのは、高校卒業後のオーストラリアでのワーキングホリデー。語学の壁、海外で戦うことを意識した。日本人女子初となるWCT入りを目標に世界での転戦を続ける。
Instagram:https://www.instagram.com/hinako_kurokawa