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GO BEYOND な

吉川広夏(ヨシカワヒロカ)

プロサーファー

美しさと技術を兼ね備えた世界トップのノーズライディングができる女性サーファーを目指す

千葉県生まれのプロサーファーです。2012年からプロ活動をスタートし、今年で7年目になります。

現在は、世界各地のWSLコンテストやシングルフィンコンテストに出場しながら、国内のプロツアーにも参戦しています。

私の目標は、美しさと上手さを兼ね備えた世界トップのノーズライディングができる女性サーファーになること。そして、さまざまなコンディションに合った道具で楽しくサーフィンできるようになることです。

今年は憧れの地メキシコで開催されるシングルフィンコンテストMEXI LOG FESTに日本人女性として初めて招待され、出場することになりました。新しい人々や波との出会いがとても楽しみで、私にとって最大の原動力になっています。

2011~2015年
WLQS(WSL)日本代表選手 最高世界5位
2013年
JPSAルーキーオブザイヤー獲得
2014年~2016年
JPSAロングボードグランドチャンピオン
2017年
Surf relik invitational 9位 (Malibu,California)
Noosa festival pro class ・年齢別 1st place (Noosa,Australia)
Deus 9ft and single invitation 3rd place (Bali,Indonesia)
WSL ONJUKU TRUMP LOGGER PRO 優勝
JPSA 総合ランキング3位

勝ちだけではなく、ロングボードの美しさや優雅さも追求

私は千葉県にある海沿いの小さな町、御宿で、元プロサーファーでサーフボード作りの職人である父とサーファーの母との間に生まれました。

父の影響で、初めてサーフボードの上に1人で乗ったのは小学2年生のとき。海からとても近い環境にはいましたが、小・中学生時代は部活動に専念しており、海に入る回数は数えるほどでした。

サーフボードを作ってもらい、サーフィンを本格的に始めたのは中学3年の夏。部活を引退した翌日から、通学前と放課後に海に行き、サーフィンに明け暮れる日々を送りました。

もともと海で遊ぶのが好きだったこともあり、波と一体になったような感覚になるサーフィンに魅了され、自然と父と同じプロサーファーを目指すようになりました。

ほかの選手よりスタートが遅く、年下のキッズサーファーに負けることも多々ありましたが、持ち前の負けず嫌いと部活動で学んだ「努力すること」や「自分を信じること」を胸に励みました。家族のサポートもあり、高校2年生から全日本チャンピオンを3年間獲得。2012年には、プロ活動をスタートしました。

デビュー1年目にルーキーオブザイヤー、2年目からは女性初の3年連続のグランドチャンピオンを獲得。2011~2015年まで、日本代表として WSL世界戦に出場。世界では、日本人最高位タイの5位に入賞しました。

2016年には日本代表を逃し悔しい思いをしますが、自身のターニングポイントとなった年でもあります。日本のプロツアーをキャンセルし、ロングボード聖地であるカリフォルニア・マリブのコンテストへ。そして、クラシックボードに乗る女性サーファーの美しさや優雅さ、楽しそうに波に乗る様子に魅了されます。

そのとき受けた衝撃から、現代主流になりつつある「パフォーマンスロングボード」とは正反対の「クラシックロングボード」に興味を持ち始めました。

今まで私が使用していたのは、軽くて動きを重視したコンテストボード。それに比べるとクラシックボードは長くて重く、コントロール性にも欠けます。それでもクラシックボードのとりこになったのは、自分の強みであるノーズライディング(ボードの先端に立つ技)を最大限に活かすことができるからです。

また、ロングボード特有の優雅さや波との一体感を味わえることに夢中になりました。それからは勝ちだけではなく、ロングボードの美しさや優雅さも追求するようになります。

プロのコンテストでは、クラシックボードに乗るサーファーは少数派です。フリーサーファーになる流れがありますが、私は父の協力のもとコンテストでも勝てるクラシックボードを開発。

また、コンテストへ参加し続けることが評価され、2016年から国内のシングルフィンコンテスト(クラシックボード)の招待を受けるようになりました。そして、多数のサーフィン雑誌へ掲載されたり、サーフムービーに出演したりするなどの露出も増えました。

2017年には、オーストラリア・ヌーサの伝統あるコンテスト「Noosa festival」で日本人初の2つのジャンルで優勝を獲得。さらに、インドネシアやカリフォルニアなどの世界からコンテストの招待を受けました。

今後もいろいろなサーフボードに乗り、自分の可能性を広げるべく、ロングボードにとらわれないサーファーを目指します。

知らない世界や人々を見ることで、自分の可能性が広がっていく

日本代表に選ばれず、プロのコンテストを欠場して海外のコンテストへの出場を決めたことは、その後の運命を変える旅でした。

今までコンテストで上位を目指すことだけにフォーカスしていましたが、女性サーファーの美しさやしなやかさ、楽しく波に乗ることを教えてくれたのが、カリフォルニア・マリブでのコンテストです。ロングボードの価値観が180度変わる出来事であり、自分の強みである技を最大限に活かしてくれるクラシックボードの世界との出会いでした。

印象に残っているのは、6位に入賞して表彰台へ上がり、選手がお互いを祝福して楽しそうだったときのこと。憧れのサーファーたちに囲まれて立っている自分が信じられないほどでした。

知らない世界やさらに高みを目指す人たちを見ることで、自分の可能性が広がり、今に繋がっているのだと思います。

GO-BEYONDER No.126

プロサーファー

吉川広夏

1992年8月8日、千葉県御宿町生まれ。元プロサーファーの父とサーファーの母というサーフィン一家に育つ。中学3年生のときに本格的にサーフィンを開始。2012年からプロ活動をスタートする。プロ歴7年目。デビュー1年目にルーキーオブザイヤー、2年目には女性初の3年連続のグランドチャンピオンを獲得する。2011年から2015年まで日本代表として WSL世界戦に出場。世界では日本人最高位タイの5位に入賞。2017年には伝統あるコンテスト「Noosa festival」で日本人初の2つのジャンルで優勝。多数のサーフィン雑誌に掲載され、サーフムービーにも出演。

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Blog:https://surfpirotan.blogspot.jp

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