124
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

GO BEYOND な

佐々木陽菜(ササキハルナ)

フェンシング選手

海外での挑戦で
フェンシングのレベルアップを目指したい!

私は、フェンシング選手として大学生活を送りながら世界の舞台で戦っています。そもそもフェンシングを始めたのは、経験者であった両親の影響で、小学校2年のころにフェンシングを始めました。

フェンシングには、フルーレ、エペ、サーブルの3種目がありますが、当時私がしていたのはフルーレという種目です。しかし、フルーレは有効面が胴体だけに限られた突きだけの種目。私自身の持ち味であったフットワークとスピードを生かすために、中学校2年のときにサーブルに転向しました。

種目の転向は大きな決断でしたが、サーブルに転向したことで、1年で世界カデ(U17)選手権の日本代表として戦う機会をいただくことができました。 日本代表としての選出から、その後カテゴリーが上がってもなにかと海外で挑戦する機会はありましたが、私の中では東京オリンピックに出場して活躍したいという思いが強くありました。ですが、目標を実現するためにはまだまだ経験が不足していたのも事実です。 ナショナルチームで実戦経験を積む必要があると考えました。そこで、高校3年のときに単身で上京することを決意し、上京してからは、早稲田大学社会科学部で勉学に励みつつ、ナショナルトレーニングセンターで日々練習をしています。

そして、2017年のシーズンからはシニアのワールドカップへ。10月にシーズンが始まり、月1度のペースで開催される世界の舞台に挑戦しながら、自分のレベルを知り、さらにレベルアップできるよう日々の練習。世界での活躍を胸に日々強化に励んでいます。

2015年
ジュニアワールドカップ・フランス大会 個人第8位
アジアジュニア選手権大会 団体優勝・個人18位
ジュニアワールドカップ・コスタリカ大会 個人第6位
2016年
U23アジア選手権大会 団体優勝・個人12位
2017年
全日本選手権大会 団体優勝

家族・地元への思いが励み

私は今、年8回世界各地で開催されるワールドカップの舞台で戦っています。ワールドカップでの挑戦は私にとっての大きな刺激になっていますが、海外での合宿も私にとっては新鮮です。普段は日本人選手と練習をしていますが、海外の選手との練習はまた違います。タイミング、スピード、スタイルがさまざまで、いろいろなタイプの選手がいるためです。

また、合宿中は世界ランク上位の選手と剣を交えて練習することもあります。そこで感じるのが世界トップレベルの動きとスピード。私もスピードにはそれなりの自信があり、日本ではスピード負けしませんが、トップ選手と練習をするとスピードが武器にならないと感じます。

相手のスピードが速く、動きを見える余裕すらなくなり、距離感を見失うことも少なくありません。スピードを落とさずにいかに体勢を崩さずに動くか、持ち前のスピードをどうやって活かすか、世界で活躍する選手との練習は新たな課題発見の連続です。

そして海外合宿は、日本で練習してきたことを試す場にもなります。単純に、練習してきたことが海外で通用するとうれしいですし、通用しなかった場合はなにがいけなかったのか。また自分の中でなにが世界に通用して、通用しないのか考えるよい機会になります。

2017年からはシニアのワールドカップにも参戦するようになりました。しかし、これまでベスト64に残ったことがありません。フェンシングのシニアワールドカップは、トーナメントで勝ち進むごとにポイントが加算され、1年通算で世界ランキングが決まる仕組みになっています。個人戦は、2日間かけて試合が組まれ、1日でベスト64までが決まるという流れです。

これまで予選プールまでは勝ち進んできましたが、ベスト64をかけたトーナメントでいつも勝ち進めず、結果1日目で敗退しています。悔しさを胸にチームメイトを応援するばかりです。まずは、1日目を勝利してベスト64、ゆくゆくはベスト32、16へステップアップしていけるように練習に力を入れたいです。

また、私は海外で挑戦する中で、大学2年時にケガをし、フェンシングを半年できなかった苦い期間がありました。競技から離れてリハビリを続けた日々はもどかしく、思うように動けずに競技自体を辞めようかと思ったこともあります。しかし、応援してくれる家族や仲間の存在もあり前向きになれるようになりました。

ケガをした場所が今でも痛むことがありますが、以前と比べ自分のからだに向き合う機会が増えたと思います。家族や仲間に感謝しつつ、地元福島にも明るいニュースを届けられるよう海外で結果を出していきたいです。

「怖い」から前向きになれたとき自分を超えられた

はじめて参戦した世界の舞台、世界カデ(U17)選手権は予選落ちという結果でした。自分の力を発揮する前に、世界の舞台に圧倒され、とても緊張しました。私は身長150cmですが、周りの選手は170cmや180cmと長身でがっしりとした選手ばかり。当時は足がすくみ、恐怖を感じるくらいでした。

しかし、高校3年で上京し環境を変えたことで自分自身に変化がありました。リーチで勝てない分、いかに持ち前のスピードとフットワークを生かして相手の体勢を崩していけるか、自分の戦い方が見えた気がしました。

高校3年の冬、ジュニアワールドカップで8位に入賞したことも大きかったです。1年前はベスト64にすら残れませんでしたが、この入賞が大きな自信につながり、自分を超えていくという経験になりました。

今では特別周りの選手を大きい、相手が怖いと思うこともなくなりました。身長の低いことを欠点に感じていましたが、今では小さな私が大きい選手に勝って、周りを驚かせるんだという強い気持ちで臨めています。

GO-BEYONDER No.124

フェンシング選手

佐々木陽菜

1996年、福島県生まれ。両親の影響で、小学2年からフェンシングを始める。2015年のジュニアワールドカップでは、個人ベスト8へ。シニアワールドカップでも上位入賞を狙い、日々海外での挑戦を続ける。

Instagram:https://www.instagram.com/

Facebook:https://www.facebook.com/haruna.sasaki.9849

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

ページトップへ