GO BEYOND な 人
滝沢こずえ(タキザワコズエ)
クロスカントリースキーヤー
日本の環境で得た
「登り」の強さを武器に世界へ
私はクロスカントリースキーが盛んな長野県の山ノ内町で生まれ育ち、6歳からクロスカントリースキーを始めました。 クロスカントリースキーは、他のスキー競技にはない『登り』があることが、最大の魅力です。
クロスカントリースキーは、北欧を中心としたヨーロッパが強く、特にノルウェーはクロスカントリースキーが移動手段にも用いられるほど生活の中に根付き、国技のように扱われ、圧倒的な強さを見せています。 夏場でも雪上トレーニングが行えるスキートンネルがあることも、ヨーロッパ勢が強い要因のひとつです。しかし、私の強みである「苦しい上り坂ほど力を発揮できる気持ちの強さ」は、急勾配な登り下りが多い日本の環境が育ててくれたものです。 日本で培った強みを武器に、未だかつてない日本人のクロスカントリースキー競技でのオリンピックメダル獲得を目標に、世界へ挑戦しています。
初出場したワールドカップをスタートラインに
オリンピックでのメダル獲得が目標
私は14歳で全日本強化指定選手に入り、ジュニアカテゴリーのすべての国際大会に出場しました。 世界の強豪である北欧の同世代の選手たちにくらいつき、2011-12シーズンに開催された「第一回ユースオリンピック」では8位に入賞しています。 2016-17シーズンは、札幌で行われたアジア大会のリレー競技では2走を務め、金メダルを獲得しました。
ジュニアからシニアの代表となり、国際大会ではワールドカップへの出場を果たすことができたものの、世界との実力差を痛感する結果となっています。 これまで各年代の大会で結果を残してきましたが、ワールドカップは世界の強豪を相手にまったく歯が立たず、別世界のように感じました。
しかし、今まで感じたことのないスピード感を経験し、レース後は落ち込むよりも興奮してワクワクしたのを覚えています。
ワールドカップはこれまで動画で見ていましたが、動画ではわからなかったワールドカップの「雰囲気」やトップ選手たちの「空気感」がありました。 今は世界との差がありますが、実力差を肌で感じたことは、今後に必ず活きてくると思っています。
ジュニア時代は世界の同年代の選手と肩を並べて戦ってきましたが、ワールドカップで国際経験を私よりもはるかに積んできた選手たちを見たことで、かえって自分の可能性がまだまだあることを感じました。 初出場したワールドカップによって、スタートラインについた気持ちでいます。
ワールドカップでは世界との実力差を痛感しましたが、豊富な国際経験を持つ私には、日本女子のクロスカントリースキーを牽引して、結果を出しいく責任があるという自覚を強く持っています。 私の強みである「苦しい上り坂ほど力を発揮できる気持ちの強さ」は、何事も諦めない粘り強さや、前向きに目標に向かう気持ちがもとになっています。 そして、アスリートなら誰しもが夢を見る「オリンピック」という大舞台でメダルという形を残したいです。
クロスカントリースキーはスキー競技の中で、日本で唯一オリンピックでのメダル獲得がない競技です。
厳しい状況ですが、あきらめずに「オリンピックでメダル獲得」の目標に向かってやり抜きたいです。
これまでたくさんの国際大会への出場機会を得て、多くの海外経験を積ませてもらったことに感謝し、世界に通用するクロスカントリースキーヤーになれると信じて、日々努力を惜しまずに世界に挑み続けたいと考えています。
競技を通じてクロスカントリースキーの魅力を広めたい
クロスカントリースキーは、日本では知名度の低いマイナー競技ですが、日本人でも世界に通用するスポーツです。 私の競技活動を通じて、一人でも多くの人にクロスカントリースキー競技を知っていただき、クロスカントリースキー競技の魅力を伝え続けたいです。 また、一人でも多くの方に興味を持っていただき、クロスカントリースキー競技を応援していただければと考えています。
これまで、様々な規模のレースで戦ってきましたが、どんなに苦しい状況ときも私のエネルギーとなって支えてくれたのは「応援の力」です。
家族だけでなく、地元の方々、コーチや先生方、友達、クロスカントリースキーに興味を持ってくださっている方々など、多くの人々から大きなエネルギーをもらっています。 応援してくださる全ての方々に感謝の気持ちを忘れずに、貰ったエネルギーを結果という形にして恩返しをしていきたいです。
GO-BEYONDER No.120
クロスカントリースキーヤー
滝沢こずえ
1995年、長野県生まれ、早稲田大学所属。6歳でクロスカントリースキーを始め、14歳で全日本強化指定選手になる。ジュニアカテゴリーではすべての国際大会に出場し、2011-12シーズンに、第1回ユースオリンピック冬季大会 5km クラシカル 8位。2017年にシニアとして、ワールドカップ初出場を果たした。
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