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GO BEYOND な

佐藤友樹(サトウトモキ)

クロスカントリースキー選手

大会で味わった悔しい思いをバネに、
世界大会で通用する選手になる

オリンピックや世界選手権での活躍を目標に、クロスカントリースキーのプレーヤーとして活動しています。この競技を始めたのは小学生のころ。地元の子供たちがこぞってクロスカントリースキーをしていたので、僕も自然とスキーに慣れ親しむようになりました。

始めたばかりの頃は友達と一緒に練習することが楽しく、遊びの延長のような感覚でした。そんな僕が一人の選手として大会での優勝を意識するようになったのは小学5年生の時。初出場の大会では後ろの順位から数えたほうが早いほどの残念な成績で、とても悔しい思いをしたことを今でも鮮明に覚えています。

当時は「自分に向いていないのでは」とやめることも考えましたが、負けたままで終わるのは納得がいかない、という反骨精神で、それまで以上の練習を積極的に取り組むようになりました。

その成果もあり、翌年は同大会で見事に入賞。努力が実を結ぶことの楽しさややりがいを実感し、より競技にのめり込むようになりました。それからというもの、実力もそれなりに身につき、地区大会から県大会へ、そして全国大会へと大会レベルを上げることができています。

初出場の大会では思うような成績を上げることは難しく、ここでもまた悔しい思いをすることに。しかしこの時は「絶対に乗り越えられる」と信じ、練習に励みました。こうして悩んだり悔しく思ったりすることもありますが、その都度試行錯誤を積み重ねながら、少しずつ目標に向かって進んでいると確信しています。

現在は自身の目標を達成するために、現在は岐阜県の公益社団法人の職員として働きながら岐阜日野自動車スキークラブに所属し、クロスカントリースキー選手として活動をさせていただいています。僕が所属しているチームは、過去にオリンピックや世界選手権の代表選手を輩出したり、現在も日本代表の選手が在籍していたりと、国内有数の名門として知られています。そんな優秀な先輩方と一緒に練習を行い、勉強に励んでいます。

時には国際大会にも出場する機会をいただくのですが、望んだ結果を残すことは難しく、苦い経験ばかりを味わっています。それは恐らく、海外という慣れない環境の中での大会で自分の力を出し切れていないためです。 そんな自分を変えたいという思いから、世界大会でメダルを獲得できるよう、今年はこれまでの競技人生の中でも最もハードな練習と、海外遠征を自分に課してきました。

この取り組みのおかげか、今シーズンは身体能力も精神面も充実していると実感しています。この状態を維持しながら、さらにレベルアップすることができれば、自分の目標も達成できると信じています。

目下の目標は、2018年冬季五輪平昌大会の出場と、世界選手権出場の獲得。そして2022年の冬季オリンピックでの活躍を目指して、今後の大会、練習に励んでいきたいです。

2013年
世界ジュニアスキー選手権 10kmフリー40位
2014年
FarEastCup札幌大会 10kmフリー 4位
2015年
ユニバーシアード スロバキア大会 30kmフリー 11位
全日本スキー選手権大会 1.6kmフリースプリント 3位
2016年
全日本学生スキー選手権10kmフリー優勝
全日本選手権 20kmスキーアスロン 5位
国民体育大会冬季大会10kmクラシカル 成年A 2位
全日本クロスカントリー音威子府大会 男子10kmクラシカル 8位
FISニュージーランドカップ
10kmフリー6位
スプリントクラシカル5位
15kmクラシカルマス 7位
2017年
ユニバーシアード カザフスタン大会 チームスプリント7位
国民体育大会冬季大会
ノルディック距離成年男子A 10km 2位
成年男子40kmリレー 2位

今自分に必要なことは、海外へ遠征し、
海外選手とともに大会に出場すること

海外遠征は実力も大切ですが、実力を100%発揮できるコンデイションを維持することも同様に大事です。 というのも僕が国際大会に出場した時、慣れない環境では自分の思い通りにパフォーマンスを発揮することができないことを実感したためです。

例えば海外の雪質は日本と異なることを理解しきれていなかったために、国内と同じ感覚で滑ろうとして思わぬ成績が残せなかったことがありました。 また言葉の壁や食文化の違いなど、その土地で行動すること・もの全てにストレスを感じるだけでパフォーマンスに影響します。

一方、海外遠征に慣れている選手はどんな場所でもうまく適応し、自分にあったコンディショニングを行い、万全の状態でレースに臨んでいました。 彼らのように環境に適応できず、本来の力を発揮できないようでは、同じスタートラインにも立てません。 どんな場所・環境でも適応できるようになるためには、海外での生活や慣習も含めたレースの経験が必要だと痛感しています。

また海外のレースに参加し、海外のトップレベルの選手たちと同じ大会で戦うことも大切です。 彼らはスキートンネルやローラースキーコースなど設備が整っていたり、ジュニア期の選手からトップレベルの選手まで全ての選手に対してのコーチングがしっかりとされていたりと、クロスカントリースキーのための環境が日本よりも整っています。

このような環境の中で練習を行なっている選手たちは、自分よりも優れている点がたくさんあります。 そんな選手たちと同じ環境で練習を行い、レースに出場することは、彼らの映像を見るだけよりも、はるかに多くの収穫があるはずです。 自分を成長させるため、自分の競技力を向上させることができると思います。

海外大会で、初めて自分を超える瞬間を経験

「GO BEYOND」を感じたのは2016年11月にスウェーデンで開催されたレースでのこと。 レースは3日間に渡り開催されましたが、前半の2日間は調整不足から実力を発揮しきれずにいました。 そして最終日、クラシカル種目のスプリント競技。この競技に苦手意識があったため、順位よりもレース内容をよくすることに意識を向けました。 すると無駄な力が抜け、前半2日間のレースよりも良い滑りができたのです。

その結果、ワールドカップや世界選手権などトップレベルの選手が集まるなか、予選通過に成功。 それまでは海外のスプリント種目で予選を通過することが叶わなかったため、自分の中で一つ壁を乗り越えたと感じることができました。 本戦では敗退となりましたが、自分の実力を発揮することができれば世界でも戦えるのだと自信を得ることができました。

GO-BEYONDER No.119

クロスカントリースキー選手

佐藤友樹

1993年9月30日、新潟県生まれ。小学生の頃からクロスカントリースキーに親しむ。高校2年に出場したインターハイでの優勝をきっかけに、全国大会のほか、世界ジュニアスキー選手権やユニバーシアードなどの世界大会にも出場・活躍を続けている。

Facebook:https://www.facebook.com/tomoki.sato.334

Twitter:https://twitter.com/tomoki_satouuu

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