GO BEYOND な 人
小川希花(オガワキハナ)
プロスケーター
初めての武者修行で世界を知る
私は高校2年生のプロスケーターです。2020年に東京で開催されるオリンピックではスケートボードが正式種目に決定したこともあり、現在はオリンピックに出場することを目標に頑張っています。
スケートボードは小学2年生の時、兄の影響で始めたのがきっかけです。 練習はもっぱら近所の鵠沼スケートパーク。まだスケートボードに慣れない私に年上のお姉さんたちが毎日付き添ってくれて、みるみるうちに上達できたことを覚えています その後小学5年の時にフリップというスケートボードの技に惹かれ、本格的にスケートボードを開始しました。
中学に進学するとスケートボードのランプをメインに練習を積み重ねました。そしてサーフィンとスケートボードの両種目を戦い、総合ポイントを競うTHE SURFSKATERS15では、念願の総合優勝を勝ち取ることができました。
高校に入学すると「AJSA」(日本スケートボード協会)が主催するスケートボード大会へも参戦。 この時、ちょうど2020年東京オリンピックでスケートボードが正式種目に決定したタイミングで、「私もオリンピックに出られたら」とがぜんやる気になっていました。
いつかは本場アメリカのSK8を見てみたいと思っていましたが、この年の夏休みに1人で行けるならと両親が了承してくれて、念願のアメリカ・カリフォルニアに約3週間渡米し、本場アメリカのSK8を体験してきました。 カリフォルニア周辺でのスケボーパークは、日本では考えられないほど設備が充実しており、大変上手なスケーターがどのスケートパークに行ってもいること、 また、規模や高さが日本で練習していることでは全然通用しないなど、さすが本場は違う、と驚くことばかりでした。
最初は圧倒されていたものの、練習するなかで徐々に慣れ、少しずつ滑れるようになってきました。 また、一人でアメリカにきた時は本当に不安しかありませんでしたが、大切な存在であるホームステイ先のカサスファミリーと出会い、帰る時には「もっといたい!」と心から思えるようになっていました。 そしてこの滞在をきっかけに、私のスケートボードへの取り組みが転機をむかえ、世界転戦へのステップアップとなりました。
2か月後の10月末に急遽、11月初旬にガールズスケーターの世界一大きなコンテストがあるとのことで、自分の実力を世界で試してみようと参戦し、EXPOSUREというコンテストのAM 15overで24人参戦するなかで見事優勝を勝ちとることができました。
また、世界的なレジェンドスケーター、CHRISTIAN HOSOIから声をかけてもらいサポートしてもらえるようになりました。 今年の1月に行われたVans girls combipool classic AM 15overでは、準優勝となり、世界での実績を少しずつですが収めることができ、6月には、X-games予選への招待で出場し、3位の結果で夢であった本戦に出場できました。 X-games本戦では7位という結果でしたが、世界のトップ選手と戦えたことなど良い経験となったと思います。
また、8月のVans park series コンチネンタルチャンピオンシップアジアでは優勝し、Vans park seriesワールドチャンピオンシップ では7位となり、今後はプロスケーターとして本格的に参戦していくこととなります。
次世代ガールズスケーターの道を示すことが使命
初めての世界での大会参戦からまだ1年余りですが、少しずつ結果を出すことができ、自分の夢であったX-gamesやVans park seriesなどに出場できるようになりました。 今後も主に世界での大会へ出場し、プロスケーターとして世界大会へ参戦するとともに、X-gamesやVans park seriesの上位入賞も目指します。
また、2020年東京オリンピックに出場することも目標としていきますが、これからの次世代ガールズスケーターが活躍できるよう、見本となり、道を開けることができたら良いなと思います。
ここまで来られたのも、サポートしてくれている家族やスポンサー、そしていつも朝から晩まで長い時間スケートパークに付き合ってくれて、快適に滞在できるように心を尽くしてくれるホスト・カサスファミリーの協力があってこそ。 これまでの感謝とともに、これからも皆さんの応援に応えられるよう、精一杯努力していきます。
海外の経験で、これまでの自分を超えていく
どのスポーツでも同じですが、世界で転戦を重ねると、日本国内だけでの活動では見えてこなかった世界がたくさんあると思います。 例えば、日本とは比べものにならないほどスケートパークが充実しており、規模や高さなどが桁違いであることなどです。 そして、上手なスケーターがいたるところにいるので、同じ環境で練習できることは、モチベーションも上がるし、自分の自信にも繋がります。
また転戦において英語はコミュニケーションの重要な要素ですが、少しずつ英語も身についてきており、競技での結果だけでなく、自分自身の成長も感じることができています。
GO-BEYONDER No.115
プロスケーター
小川希花
2001年生まれ、神奈川県出身。小学2年生の時、兄の影響でスケートボードを始め、小学5年から本格的にスケートボードを開始。以後、世界大会にも精力的に出場。現在は高校生のプロスケーターとして活躍している。
Instagram:https://www.instagram.com/kihanaogawa/