フリースキーとはジャンプ台や半円状のパイプの斜面を利用して空中での技を競う、エキサイティングなスキー競技です。モーグルとは異なり技に制限がないため、自由で独創的な大技に挑戦できるのが大きな特徴です。

私はスノーボードの大会で、スロープスタイルのエキシビジョンを目にしてから虜になり、以降、フリースキーで活動しています。以前は「ビッグエア」と、2014年ソチ冬季オリンピックより正式種目となった「スキースロープスタイル」が私の競技スタイルでしたが、現在はスキーハーフパイプのプレーヤーとしてトレーニングに励んでいます。

ビッグエアやスロープスタイルで活動していたころは、アルバイトで資金を稼ぐことが当たり前でした。そんな時代に、自ら企業へ出向いてスポンサー活動を展開。フリースキー競技者では日本初となる実業団選手になることができ、日本選手の代表としてワールドカップや世界選手権などのメジャー大会で出場を果たしました。

2016年からはハーフパイプ競技に転向。2017年シーズンはワールドカップの参加基準となる公式大会に積極的に参加し、日本人のポイントランキングでは2年連続1位を獲得、無事にワールドカップへの出場権を手にすることができました。

日本ではまだ知られていない競技のため、各地でワークショップやイベントを開催したり、小学校で講演を開いたりなど、少しでも国内にフリースキーの文化が根付くように活動を続けています。またフリースキーを扱うメディアも少ないため、YouTubeで専門のチャンネルを設け、運営しています。

現在は2018年の平昌冬季オリンピックへ出場することが目下の目標です。PR活動とともに、出場できるよう引き続きトレーニングを続けていきます。

世界の大舞台で活躍し、フリースキーの魅力を伝えたい

2018年に開催される平昌冬季オリンピック出場を目指し、2017／2018年シーズンのワールドカップでの8位入賞にチャレンジします。

私がオリンピック出場を目指す理由は、ワールドカップなどの国際大会とはくらべものにならないくらい認知度が高いからです。この大舞台で活躍することができれば、自分自身のキャリアも大きく変わりますし、フリースキーの魅力を多くの人に広めることができます。

現在はYouTubeの自分のチャンネルで、スキーを利用したフィットネスをご紹介していますが、今後は私自身のプロフィールや活動内容を紹介したり、スキーに対する考え方などを定期的に発信していけるようチャレンジしたいと考えています。

競技人口が増えれば、日本人プレーヤー一人ひとりの力もおのずと上がっていくはずです。ですから私自身の挑戦を映像で配信し、フリースキーというスポーツに関心を寄せてもらえればと思っています。

海外遠征を一人で全てこなしたこと。
ワールドカップの出場権を手にできたこと。

2017年のワールドカップの出場権を手にするために、一人でヨーロッパへ遠征しました。遠征といっても現地の大会で結果を出すだけではなく、会場までの交通手段の確保や宿の手配、大会に関わる事務作業、ミーティングへの参加など、何から何まで全て一人でやらなければなりませんでした。

限られた予算の中、いかにして遠征を成功させるかは自分自身にかかっていました。自分に何ができるかを考えた時、YouTubeの自身のチャンネルを活かして、スキー場を紹介する代わりに宿や食事を提供してもらったり、スキー場のメディアのインタビューに対応する代わりにスキーバスやシャトルバスを提供してもらうなど、工夫をこらして乗り切ることができました。

慣れない環境という不利な条件でもある中で、全てを一人でやりぬくことは緊張の連続でした。しかし大会で優勝することができ、ワールドカップへの出場基準をクリアできたことは、キャリアとしても、私自身の成長にも大きく影響を与えたと確信しています。