小さな頃からサーフィンに親しみ、13歳で出場した、アマチュア日本一のタイトル「NSAグランドチャンピオンゲームズ」では優勝。そして翌年・2010年に開催された16歳以下の世界大会「世界ジュニア・サーフィン選手権」では4位を獲得することができました。以後、世界プロサーフィン連盟（WSL）が主催するクオリファイングツアー（WQS）に出場し、年間ランキング10位以内の入賞を目標に活動しています。

年間ランキングで10位以内に入ることができれば、世界一を決めるワールドツアーに参戦することができます。そのツアーに出場するために、一年の半分以上を海外で過ごし、年間45大会開催されるWQSに出場しています。

国内にいる時は実家のある関東でトレーニングを行いながら、良い波が来る場所を探してサーフィン。こうして次の試合に向けてのコンディションを整え、コンテストに臨めるようにしています。

2016年の年間ランキングは98位で、2017年に開催される、WQSツアーの中でも最もグレードの高いQS10000への出場権を獲得。その試合でも結果を出すために、目の前の試合を大切にし、日々練習に励んでいます。

時にはサーフィンイベントに参加したり、サーフボードのデモンストレーションで日本各地のサーフショップに顔を出しながら、1人でも多くの人に自分が経験してきたサーフィンの楽しさを伝えています。

辛い体験も大切な自分の財産。
限界を作らずに、常にチャレンジしていきたい

17歳から海外に出て試合に参加しているのですが、その中で痛感したのは海外遠征の厳しさでした。試合は一年を通して世界各国で開催されているので、転戦するためには一か所に長く留まることができません。限られた時間の中で大会で結果を出すためには、大会当日だけ頑張れば良いのではなく、時差や言葉、食文化など、その国自体に順応していく必要があります。

それは一筋縄ではいきませんが、「難しい、大変」と感じる過程も楽しむくらいの気持ちで目の前の大会に集中する。その一つひとつの困難を自分の財産にすることで、技術だけではなく、自分を形作る大切な経験になると思っています。

自分の目標に到達するためには、サーフィンの技術向上やトレーニングの継続はもちろん、「これはトレーニングしておいたほうがいい」と感じたことも全てチャレンジするようにしています。自分に限界を作ってしまったら、そこで成長は終わり。だから限界は作らずに自信を持ち、現状に満足することなく常にチャレンジしていきたい。本当にサーフィンが好きだからこそ、続けられていることだと思います。

自分を超えるために、日本を飛び出しオーストラリアへ

初めて海外の海でサーフィンをしたのが12歳の時。学校の冬休みを利用して、オーストラリアへ渡りました。現地ではサーフボードを削る職人・シェイパーのお宅に泊まらせてもらい、思う存分練習することができました。とは言え、当時はまだ英語もまともに習ったこともない時分でしたし、そもそも1人での海外も初めてと、全てが初めてだらけ。そんな中での渡航は、不安と楽しみが混ざった複雑な心境でした。

それでも、日本では見たことのない海やとんでもなく上手なサーファー、文化や言語の違いを目の前にした時は、興奮し圧倒されたものです。またシェイパーの家族は、英語が全く理解できない幼い子供に対しても優しく接してくれましたし、辞書やジェスチャーで会話してくれ、本当にありがたかったです。そして、自宅のDVDで観ていた自由自在に波に乗るサーファーを生で見られたことで、より一層サーフィンに憧れるようになりました。

それからというもの、長い休みに入る度にオーストラリアへ渡り、その度に友人も増え、英語も少しずつ上達。サーフィンの本格的なトレーニングも現地で教えてもらいました。

自分の世界から一歩外へ踏み出したことで知った新しい世界。その世界は自分を成長させてくれる、大変だけどとても楽しいところなのだと学んだのが、オーストラリアの生活でした。それが今の自分の土台としてあるからこそ、今も楽しみながらチャレンジし続けられているのだと思っています。