GO BEYOND な 人
馬木純也(ウマキジュンヤ)
スポーツトレーナー
世界への挑戦者を支えるトータルサポート
競技種目によって、スポーツトレーナーとしての選手へのサポートのしかたは変わってきます。数あるスポーツの中でも、オールシーズンスポーツとして1年中試合が行われているのがテニスです。
私自身、スキーやゴルフなど様々なスポーツトレーナーを経て、2005年からテニスプレイヤーのサポートを中心に活動するようになりました。世界で活躍するプロのテニスプレイヤーにおいては、約1週間ごとに試合、移動を繰り返します。
移動時間が、1日以上ということも少なくありません。そんな移動での疲れをとるのもつかの間、次は試合が待っています。試合の平均時間は2時間、グランドスラムになると3時間以上試合が続くことも少なくありません。想像している以上にハードなのが、プロのテニスプレイヤーの日常なのです。
すべてのプレーヤーの中で一番恐れられているのがケガ。ケガをしないように、ケガがあれば早く治るからだに導けるようにという思いで、スポーツトレーナーとしてサポートを続けています。
具体的には、練習や試合後のからだのダメージを見極めて治療し、からだが回復できるようにすること。ハードな日々をしっかり戦い抜くためにからだのレベルをどう上げていくかのアドバイスをすることです。
また、私が行っているのは、からだのサポートだけではありません。集中力や知力を研ぎ澄まさなければならない選手たちは、心の面で負担を抱えることもあります。選手のよき理解者として、メンタルの部分の変化を見逃さないこともスポーツトレーナーである私の役目です。
世界で渡り合える日本人選手をサポートするのが、海外でのチャレンジ
スポーツトレーナーとして活動する以前は、自身でスポーツに取り組むこともありました。スポーツ経験者だからこそ、世界への挑戦で感じたのが、外国人選手との違いです。技術の違い、そして体格の違いを肌で感じ、当時はただただ愕然としました。
現在は、データなどの情報を活用することによって外国人選手に近づくことはできるようになりましたが、体格に差があるということは依然変わりはありません。だからと言って、生まれ持った骨格を大きく変えることができないのが現実。だからこそ、トレーニングすることに意義があります。トレーニングによる筋力と筋量の調整によって外国人選手の体格に近づけることができますし、個々の特長を上手く伸ばすことも可能です。
ただ、そこにはメリットばかりではなく、実践することで選手へのからだの負担がかかってしまうこともあります。これまでの経験やスキルをベースに、世界の選手と対等に渡り合える日本人選手を1人でも多く増やしたいというのが、私の海外に対するチャレンジです。
日本を超えて、世界で選手の競技人生をサポートする
海外での試合で帯同する度に感じるのが、海外におけるサポートの難しさです。たとえば選手が見ず知らずの土地でケガをしてしまった場合、最高の治療や検査を受けられるとは限りません。病院や治療法を選択することもできませんし、その国の文化や言葉の壁などもあり応急措置で終わってしまうことも少なくないためです。
だからこそ、選手が帰国後早く適切な処置を受けられるように、日本国内ではチームドクターや医療スタッフがスタンバイしています。ここで大切なのが、ケガの状況をしっかりと説明し、適切な治療を受けられるように準備を整えておくことです。
帰国後、スムーズに処置が行われ、ケガが最小限で食い止められたときは、スポーツトレーナーとしての達成感を感じます。ただ、伝達については、言葉の問題に通信の問題など、様々な問題もあり課題もあるというのが現状。特に通信環境においては、しっかり整っていることで、スムーズに日本のチームと連携して、選手の現役の選手生命を延ばすことにも繋がります。
1人でも多くの選手が悔いのない選手生活を送り、世界で活躍できるようになること。そんなサポートを行うのが、GO BEYOND=世界を舞台にした超えていく挑戦です。
GO-BEYONDER No.100
スポーツトレーナー
馬木純也
滋賀県野洲市生まれ。スポーツ経験者で、スポーツトレーナーとしてのキャリアは19年。プロからアマチュア、国内外問わず様々な選手と共に数々の大会に帯同してきた。主なサポートは治療を中心とした体調管理。女子テニスプロツアーを経験後、2012年からは男子プロテニストーナメントを中心に選手へのサポートを行っている。
Facebook:https://www.facebook.com/Junya.umaki