GO BEYOND な 人
中上貴晶(ナカガミタカアキ)
プロレーシングライダー
世界を股にかけた挑戦。胸に抱くMoto GP優勝
現在はプロのレーシングライダーとして活動していますが、ライダーのきっかけとなったのが、4歳からはじめたポケットバイクでした。この頃よりバイクレースに参戦。
幼少期からはじめたバイクレースで好成績を収め、2004年よりロードレースへ参戦しました。そして、2006年には、全日本ロードレース選手権のGP125クラスで年間の総合優勝および、最年少チャンピオン記録を更新。
同年の2006年では、ライダーの育成プログラムであるMotoGPアカデミーに参加し、日本とスペインを行き来する生活を送っていました。
同時に、2006年よりFIM CEVレプソル世界選手権(旧・スペイン選手権)への参加を開始。2010年には一旦活動の場を日本に戻すこととなりましたが、2012年から再び世界を舞台に返り咲くことができました。
2014年に現在所属しているIDEMITSU Honda Team Asiaへ移籍。2016年では、長年戦ってきた、世界15ヶ国のサーキットで年間18戦を開催しているロードレース世界選手権(MotoGP世界選手権)でのいくつかのレースにおいて表彰台に上がることができます。
次の目標は、シーズンチャンピオン。全18戦に及ぶシーズン一戦一戦を大切に、目標に向けて邁進しています。
長年の海外での経験を次のステップへ
3月から11月のシーズン中は15ヶ国、全18戦を、世界を舞台にして戦っています。14歳から海外のレースに参加していますが、日本と海外を行き来するという生活は、かれこれ10年以上は続いている状況です。
そもそも海外での活動のきっかけになったのが、育成プログラムMotoGPアカデミー。育成プログラムでのオーディションが、その後のプロライダーとしての活動のベースになりました。14歳の年にはじめて参戦したスペインでのレース。日本とスペインのダブルでレースに参戦し、国内ではチャンピオンに輝くことができましたが、スペインでは各レースで優勝することすらできませんでした。
当時の悔しい気持ちは今でも忘れることができません。この頃は、英語もうまくしゃべれず、自分の意思を伝えることもままなりませんでした。2重の悔しさは、今の原動力になっています。
その後、紆余曲折あって、イタリアチームとしてMotoGP世界選手権GP125クラスに参戦。2年間イタリアチームとして戦いましたが、思うような成績を残せず、悔しい気持ちを残したまま日本に戻ることになりました。
そして国内でのチャンスを掴み取って、再び世界の舞台へ。MotoGP世界選手権Moto2クラスに復帰し、今年で世界選手権参戦通算8年目となりました。これまで、長い間世界の舞台でレースに挑んでこられたのは、自分の実力以上に、多くの人の支えがあったからこそだと痛感しています。
これからも世界の舞台で戦うにあたって、感謝の気持ちを忘れずに、そして悔しい思いをばねに、世界一をとりたいという思いを胸に、一戦一戦をしっかり戦い抜くことが海外でチャレンジし続ける者としての使命です。
国籍を超え、喜びを分かち合い、勝利を掴む瞬間
現在、私が所属しているチームは、IDEMITSU Honda Team Asiaです。
名前からも想像できるように、日本のチームになります。ただ、レースの多くはヨーロッパで開催されることから、チームの拠点はスペインのバルセロナです。チームのスタッフも多国籍で、日本語ではなく英語でコミュニケーションをとっています
個性的なスタッフも多い現在のチームですが、レースウィークになるとチームが一丸となって、勝利を掴もうとレースに挑みます。
チームの思いに応えたい。思いを実現へと変えるために、毎年目標を持つとともに、毎戦、毎セッション自分自身に課題を課してきました。そして、課題を超えていくことで、達成できることは必ずあるのだと信じています。
また、自分への課題ではありますが、レースをともにするチームにも結果的には関係しているはずです。自分の課題達成が、チームの課題達成にも繋がる。
目標をひとつひとつクリアしていくことで、国籍もなにも関係なく、チームとして喜びを共有できる、そしてチームの団結力はいずれ勝利へ、世界の頂点を掴み取ることができると信じています。
国籍の垣根を超えて、みなで喜びを共有し、勝利を掴みに行く瞬間が、“GO BEYOND =超えていく”ことだと思います。
GO-BEYONDER No.098
プロレーシングライダー
中上貴晶
1992年、千葉県千葉市生まれ。4歳からポケットバイクに乗りはじめる。幼少期から数々のバイクレースに参戦し、14歳からは海外にも挑戦。長年世界選手権で戦ってきた。スペインのバルセロナをチームの拠点に置き、世界チャンピオンを目指す。
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