GO BEYOND な 人
國井勇輝(クニイユウキ)
レーシングライダー
あこがれのレーシングライダーとして
前進の日々
前身であるポケバイ(ポケットバイク)に乗りはじめたのが4歳のころのこと。小学4年で、ポケバイからミニバイクにステップアップしました。そして、2015年、長年あこがれていたロードコースでのレースへの参加権を獲得。筑波サーキットなどの地方選手権から世界の舞台へ、表彰台を目指してチャレンジを続けています。
子どものころからの夢を現実に、世界への挑戦
バイクに触れるきっかけになったのは、他でもないバイク好きの父でした。初めてバイクに触れたのが、父に連れられて受講した千葉北ポケバイサーキットのポケバイ講習。自分自身あまり記憶にはありませんが、ポケバイのエンジンの音に大泣きしてしまい大変だったと言います。
幼心に出会いこそあまり好印象とまではいきませんでしたが、講習をきっかけにポケバイの世界にどんどん魅せられていきました。
特に7歳のころの記憶は、今でも鮮明に覚えています。世界グランプリMotoGPを観戦した時のことです。初めて目にした一流ライダーたちが集う舞台。これまで感じたことのない迫力に、スピード感に、ただならぬ興奮を覚え、全てに魅了されました。
この時の経験が、自身のライダーとしての挑戦に大きな刺激となったことは言うまでもありません。それからは、「レースがしたい。ロードコースで走りたい。」という思いを胸に練習を重ねていきました。
そして時が過ぎ、小学校4年となってからは、ライダーとしてのさらなるステップアップのためにミニバイクに移行。大きさの違いに、新たにギアがついていること、今となっては当たり前となってしまっていますが、当時は衝撃を受けたことを覚えています。多少の戸惑いはやはりありましたが、ロードコースで走りたいという強い思いがあったため、バイクの変化で苦痛に感じることはありませんでした。
そして、12歳を迎えた2015年、長年ひとつの夢として描いてきたロードコースでレースを行える資格を手にすることができました。今でも、レースに参加できるようになった時の喜びは忘れることができません。
そして、翌年の2016年には筑波サーキット、茂木サーキット、鈴鹿サーキットで開催された地方選手権へ。茂木サーキットでは、シリーズチャンピオンに輝くことができました。
そして、同年にはIATC (IDEMITSU ASIA TALENT CUP)に挑戦。初めての世界大会となったIATCでは、世界という大きな壁を直に感じることができました。
そして2年目となる2017年、IATCとCEV(JUNIOR WORLD CHAMPIONSHIP)での世界大会参戦が決定しています。IATCは2回目の挑戦。1年目は世界初挑戦ということで戸惑う部分も多かったのですが、2年目だからこそ緊張感を良い形で力にでき、心に余裕をもって臨めると感じています。
CEVに関しては初の試みです。まだテスト走行の経験しかありませんが、バイクのパワーと言い、別次元の感触がありました。大舞台だからと恐れず少しでも表彰台に近づけるように、チャレンジ精神をもって一戦一戦レースに臨んでいきたいというのが意気込みです。
Moto GPでの優勝が目標。それまで自分を“超えていく”
IATC2年目のレースは、タイのブリーラムサーキットからスタートしました。2年目ということもあって、自分自身少し気持ちに余裕がありましたが、結果はレース1が8位、レース2が5位。信じられないほど悔しい結果でした。
そして、このブリーラムサーキットでの結果を受けて、2戦目のカタール戦はどうしても負けることのできないレースとなりました。これまでにないプレッシャーに、焦りによる転倒、練習は思うように上手くできなかったことを覚えています。
しかし、無情にもレースは待ってはくれません。とにかく勝つことだけを目標に臨んだカタールでのレース。9/1000秒という僅差のなか、1位に躍り出ることができました。完全に自分を超えたとは思っていませんが、カタールのレースで1位を勝ち取った瞬間は、少しだけ自分を超えられた瞬間だったと感じています。
しかし、最終的な目標はMotoGPでの優勝ですし、スポーツにゴールはありません。本当に自分を超えたと思える瞬間は、きっと目標であるMotoGPでの優勝を勝ち取った時だと思います。世界の頂点に到達するには、さまざまな壁があると思いますが、”超えていく”という思いを胸に、目標に向かって前進していきたいです。
GO-BEYONDER No.095
レーシングライダー
國井勇輝
2003年、東京都世田谷区生まれ。千葉での講習をきっかけに、4歳からポケットバイクに乗りはじめる。その後、ミニバイクに移行。2015年にはロードコースでのレース資格を得て、2016年より本格的にレースへ参戦。若手のレーシングライダーとして躍進を続ける。
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