千葉県生まれ、CYCLENT inc.代表取締役。競技カテゴリーはBMXフラットランドです。BMXという専用の自転車を自由自在に操るエクストリームスポーツで、様々な姿勢と片輪走行や回転技などを組み合わせ、アクロバティックな技を連続して披露します。次々と繰り広げる技は、スポーツでありながらアーティスティックな側面も持ち合わせており、アスリートとして世界各地を転戦しながら、シルク・ドゥ・ソレイユなどが主宰する舞台でのパフォーマンスも行っています。スポーツであり、芸術的な要素も持ち合わせた、BMXフラットランドならではの世界観を多くの方々に知っていただけたら嬉しいです。

自分だけの技で世界のトップを目指す。

BMXフラットランドの面白いところはオリジナルの技を競い合う点です。このスポーツでは「独創性」が大きな評価につながるため、選手それぞれが日々自分だけの技を編み出し、鍛錬を続けています。もちろん私もその中の一人。何千回も試行錯誤し、その都度ケガや転倒にみまわれながらも、自分だけの技を完成させるまで練習し続けます。そうして体に技を叩き込み、いざ大会に挑みます。

大会は年に5～6回世界各地で開催されています。その大会頂点を目指して参加し、本番で渾身の技を披露する。その時のコンディションや精神状態にもよりますが、やはり大技が決まったときの達成感は何物にも代えがたいものですし、私を応援してくださっている観客の皆さんの声は本当に私の力になっています。

競技としての活動のほかにも、BMXのパフォーマンスを披露する機会にも恵まれています。その最たる例が2016年のシルク・ドゥ・ソレイユでの出演。日本人アーティストとしてただ一人、素晴らしいアーティストたちと一緒に共演することができたことは私の人生の宝でもあります。今回の出演だけにとどまらず、2017年も同グループのワールドツアーへの出演が決定しており、カナダとアメリカに拠点を移してBMXの魅力、楽しさ、面白さ、美しさを多くの人々に伝えていきたいと思っています。

誰もが戸惑う最初の一歩。その“壁”を乗り越えた先に未来がある。

初めて海外を訪れた19才の頃。英語も話せず聞き取れない状態だった私は、もちろん大会で海外の選手とコミュニケーションをとることも難しく苦労したものでした。そんな中でも「BMX」という共通言語を通じて、すこしずつではありますが英語も身に付き、いつの間にか海外を拠点に活動できるまでになりました。

誰もが最初の一歩は勇気が必要ですし、歩き出すことにとまどうものです。しかし一度その“壁”を乗り越えてしまえば、待っているのは未来だけ。私は海外でたくさんの人に会えたことで、今の自分があるのだと感じています。