競技歴10年、現在はジェットスポーツのプロライダーとして、日本、そして世界を舞台に競技に参加しています。ジェットスポーツは、水上に設けられたコースを、水上バイクを使って走り順位を競うというスポーツです。これまでプロライダーとして、欧米のレース、中央アジアや東南アジアのレースに参戦してきました。獲得したタイトルは、全日本チャンピオン、世界チャンピオンともに3回です。しかし残念なことに、ジェットスポーツはまだまだ日本ではマイナーなスポーツであり、認知度は高いとは言えません。

そこで、私が行っている競技としてのジェットスポーツを見ていただくだけでなく、SNSを活用した自己発信をしています。少しでも多くの人にジェットスポーツのことを知ってもらえるようにと、活動内容を常時配信しています。現在はこの活動が功をなして、メディアでも取り上げられるまでになりました。また、現在大学生であるということを活かして、ジェットスポーツのライディング時における運動生理学的特性をテーマに、効果的なトレーニングの研究も行っています。

日本人が未だ成し遂げていない偉業を目指して

未だ世界最高峰であるPro Ski GPクラスにおいて、世界チャンピオンのタイトルを獲得した日本人はいません。競技人生の集大成として、私はこのPro Ski GPクラスでのチャンピオンを目標に掲げ、日々トレーニングを行っています。また、ジェットスポーツは、モータースポーツで唯一オリンピック種目になっているものです。これまで、大会は幾度と開催されたものの、さまざまな問題で出場権利が得られず日本人の参加者は生まれませんでした。出場権利を得られるように働きかけを続け、オリンピックで金メダルを目指すというのも私の目標のひとつです。

海外のスポンサーとのつながりが”GO BEYOND.”の瞬間

通常ジェットスポーツの大会に参戦する際は、自前のマシーンを飛行機や船で輸送して大会に臨むというのが一般的です。しかし、私の場合、輸送するだけの十分な資金力がなく、レースの度に、大会が開催される国々でスポンサーを探し、借りたマシーンでレースに臨んでいます。しかしスポンサーを見つけるには、英語でつくった資料を用意し、交渉していかなくてはなりません。さらに、スポンサーが見つかったとしても一安心できないのが現状です。理由は、マシーンが、スポンサーになってもらえるオーナーごとのセットアップになっており、決して自身にとって使いやすいセットアップとは言えないためです。しかし、このような苦労を超えて、結果をものにすれば、今後同じマシーンを用意してもらったり、さらに良いマシーンを用意してもらえたりする可能性があります。そして、実際にこうした支援していただいたスポンサーとの関係により、数々の結果を出すことができました。私にとって、GO BEYONDな瞬間は、まさにスポンサーと共に苦労を乗り越え、結果をつかみ取った瞬間です。将来は、私のような苦労を減らし、日本人選手が海外戦に出場しやすい海外との懸け橋となれればと考えています。